一杯のコーヒーで未来を変える!リサイクル陶器ブランド「RI-CO」

これまでに手放したグラスや陶器の行方を想像したことはあるでしょうか。

今回は、捨てられた陶器をリサイクルして新たにマグカップやグラスを生み出す「RI-CO」を紹介します。地域の歴史とリサイクル技術が融合したアイテムは、未来を考えるきっかけを与えてくれるはずです。

一杯のコーヒーで未来を変える「RI-CO」の挑戦をみていきましょう。

リサイクル陶器ブランド「RI-CO」

「RI-CO」は、岡山県備前市にあるリサイクル陶器ブランドです。廃棄された陶器をリサイクルし、再生素材を使ってマグカップなどを作り、販売しています。

裏山に捨てられる失敗作の備前焼、最終処分場にたまっていく陶器たち。

「美しい工芸品に隠れた問題をどうにかできないだろうか」

そう疑問に抱いた脇山さんと牧さんが出会い「RI-CO」は誕生しました。

これまで誰もが無理だと諦めて挑戦しなかった陶器ごみ。

この問題を解決し、捨てられて忘れられてしまう廃棄品の運命を変えたいと決意し、備前焼を愛する2人が立ち上がったのです。

「RI-CO」の名前には、4つの意味が込められています。

・recycling:捨てられる陶器を再生する
・inspiration:「いいな」と感覚から生まれるひらめきを大切にする
・continue:終わりのない世界を次世代へ渡す
・0wast:再生資源でごみゼロを叶える

捨てられた陶器をただリサイクルするだけではありません。環境に配慮しながら、日常の暮らしで愛されるプロダクトを目指しています。

「一杯のコーヒーからやさしさを考える」

このコンセプトを胸に、陶器ごみを価値あるものへ変える挑戦が続いているのです。

地域の歴史や資源を思いやる
捨てられたモノのことを考える
未来の環境へ希望をもつ

手にとった人の心にやさしさが宿るのが、「RI-CO」の魅力と言えるでしょう。

コーヒーが美味しくなる?備前焼の魅力

瀬戸内海に面した岡山県備前市は、1000年以上前から伝わる備前焼の産地として知られています。備前焼は日本六古窯の一つ。釉薬(ゆうやく)という表面を覆うガラス質の膜を使わず焼き締める製法を用いています。

備前焼には「お酒が美味しくなる」「水が長持ちする」など、飲み物にまつわる多くの言い伝えがあるのをご存知でしょうか。諸説ありますが、無釉薬ならではの表面構造や、備前土がもつ特有の成分などがその理由にあるようです。

「RICO from the continue.」が、コーヒーの味わいについて調査をしたところ、備前土はコーヒーとベストマッチ。備前焼はコーヒーのえぐみよりも、まろやかさと酸味を引き立てる作用があったのです。

今知るべき!深刻な陶器ごみ

古くから愛されてきた赤褐色の美しい備前焼。しかし、その裏には解決すべき問題が隠れていました。

それが「陶器ごみ」の問題です。

備前市では、生産される備前焼のうち約1割が毎年廃棄されています。「水漏れするから」「少し欠けてるから」という理由で割られた陶器が工房の裏山に放置されたり、陶器ごみとして捨てられているのです。

さらに、陶器やガラス、コンクリートなどのごみは最終処分量の18%を占めるともいわれています。

とはいえ「土から生まれた陶器は土に還らないのか」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

実は、その答えはノー。土を高温で焼くため、石のように固くなってしまいます。遺跡から2000年以上前の土器が発掘されるのも、そのためです。

日本の最終処分場の余力があと20年あるかないかの状況で、陶器ごみは想像以上に深刻で難しい課題でした。

備前焼から新しい備前焼へ

「備前焼をリサイクルしたいです」

そう話しても、周りからは「コストもかかるし、難しいよ」と後ろ向きな反応ばかり。

しかし、諦めきれませんでした。レンガ会社に勤める牧さんが、レンガのリサイクルを参考にし、備前焼をリサイクルすることに成功したのです。

陶器ごみをなくす可能性が生まれたものの、リサイクル素材は水が漏れてしまうという次の壁が立ちはだかりました。

商品化を目指し、水漏れを防ぐ研究を開始。同時に、植木鉢や浄水器のフィルターなど、吸収性のよさを活かす道も考えました。

試行錯誤の末、行き着いたのはドリッパーやマグカップ。その理由は、コーヒーは世界中の人から愛されているからです。

一杯のコーヒーからやさしさを考えるアイテム

「RI-CO」が手がけるアイテムは、ツルツルに見た目を整えるのではなく、リサイクル素材の手触りが活きるデザインが特徴です。

「陶器の土はどこから来て、どこへ行っているのか」
「豊かな環境を長く保つに何ができるのか」
「環境にやさしいとは何なのか」

コーヒーを飲みながら、少しだけ未来を考えてほしい。そのような未来へのやさしい思いが詰まっています。

・GOOD MORNING マグカップ200

食洗機、電子レンジにも対応。自然素材の手触りと素材の効果で、後口すっきり。さわやかなひとときを演出します。スタイリッシュでシンプル、毎日使っても飽きないデザインです。

・TIME ロックグラス

アイスからホットまで対応している土のグラスです。クールなデザインで、一年中大活躍します。土が生み出すぬくもりが、手に馴染むことでしょう。

伝統を守り抜く産地の技法とリサイクルという未来への希望とが融合した古くて新しいマグカップやグラスはここでしか出会えません。

愛用後も続く!やさしいストーリー


再生備前シリーズは、リサイクル陶器原料として資源化できます。長年愛用したあともやさしい循環が続くのです。

100%環境に配慮した生活は難しいかもしれません。しかし、一杯のコーヒーからさりげなくエシカルな暮らしを楽しめるのではないでしょうか。

これからも「RI-CO」は、世界から陶器ごみをなくす挑戦に取り組んでいきます。

「自分にできることをしてみたい」「素敵なデザイン」など少しでも心が動いたら、ぜひ手に取って、アイテムに込められた環境への思いやりや土のぬくもりを感じてみてください。

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