日本の古き良き味わいを表現する「起こし文」

手紙はメールや電話では伝え切れない、相手への気持ちを送り届けます。封筒を開ける瞬間のワクワク感や、文字に宿る温かさやぬくもりは格別です。

文章だけでなく、和のアートを届けられるのが「起こし文」です。日本の古き良き文化を表現している「起こし文」についてご紹介します。

和風ポップアップカード「起こし文」とは

「起こし文」は日本の街並みを形に残したい、古き良き日本を伝えたいという想いから誕生した、和風のポップアップカードです。四季折々の美しい風景や、昔ながらの街並みなどを表現しています。

その中でも特に「起こし文はがき」は、絵柄に合わせて切り込みや折り目がほどこされたハガキです。折るだけで誰でも簡単に立体化できるようになっています。折る前の状態ならハガキとして郵送できますので、受け取った方も組み立てる過程も楽しめ、立体化したハガキをお気に入りの場所に飾っておけます。

クリスマスカードやとびだす絵本のようなポップアップ作品に馴染みがある人は多いですが、「起こし文はがき」は一枚の紙だけで表現された究極の和の世界です。

「起こし文」の生みの親、山岡進

「起こし文」の生みの親である山岡進さんは1959年生まれ、東京の台東区根岸の出身です。

根岸は現在のJR山手線の鶯谷駅周辺で、江戸時代から続く日本の歴史を感じさせる地域です。古くから寺院や町屋が集まり、庶民の生活の場として栄えてきました。

山岡さんは隣町の谷中に自転車でよく遊びに行っていたそう。谷中銀座商店街があり、地域はにぎわい、古き良き日本の日常で育ちました。山岡さんは「当時からさまざまな商店が連なる街並みが好きだった」と、インタビューで答えています。

少年時代の魅力ある日本の原風景を残したいと考え、誕生したのが「起こし文はがき」です。

2011年観光庁主催の「魅力ある日本のおみやげコンテスト2011」では、昭和の街並みを立体的に組み立てる「街並はがき」でグランプリ受賞しています。懐かしい昭和の頃の様々な店舗や施設がハガキ化され、それらを並べると街並みが作れるようになっています。

その後は、日本各地の観光名所や建築物やキャラクターとのコラボ作品など、オリジナルデザインを生み出し続けています。特に実在する名所などの起こし文はがきは、現地の最適なお土産として親しまれています。

海外の観光客にも人気の理由とは

「起こし文」は、日本ならではの風情を表現したものが多く、海外の観光客にも人気です。畳めて平らにできるので手軽に持ち帰れる海外からの観光客に人気のお土産です。

「起こし文」は、観光で味わった日本の雰囲気を手軽に持ち帰ることができます。観光で訪れた下町のレトロな建物や、季節を感じられる風景の一場面を、立体的な「和」の世界で表現しているのです。

特に、はがきは非常にコンパクトで荷物の量を気にせず、たくさん持ち帰れることもポイントです。海外では日本に比べて、メッセージカードを送る機会が多いので日本の独特な風情を繊細な立体カードで表現している「起こし文はがき」は、最適なプレゼントとなるでしょう。

おすすめの起こし文をご紹介

国内外に人気の「起こし文」はさまざまな商品が販売されていますが、今回はおすすめ2点をご紹介します。

和風ポップアップカード「鳥居」は、「起こし文」の生みの親である山岡さんの第一号作品です。自身の結婚式をあげた根津神社にあった千本鳥居を、立体的に表現した起こし文です。

開くと十二基の鳥居が立体となり、日本の趣ある神社を身近に感じることができます。

結婚式をはじめとするおめでたいイベントの時に、想いを書いて送るのにぴったりの「起こし文」です。

街並はがき「銭湯」は、昭和時代に近所にあった銭湯を想起させる「起こし文はがき」です。

組み立てると銭湯の玄関の部分が立体的になり、銭湯の玄関に足を踏み入れたくなるような風情が漂っています。煙突の煙から温かい銭湯の湯を想像でき、銭湯で繰り広げられる会話が聞こえてきそうな作品です。

まとめ

下町の懐かしい街並みを立体的に起こした「街並はがき」を中心に紹介しました。古き良き日本の風景をポップアップカードにした「起こし文」は、大切な人へ送る手紙や、インテリアとして楽しむこともできます。

人とのコミュニケーションが手軽になった現代においても、人のぬくもりを伝えられる良さがある手紙。年齢や国籍問わず、日本の風情を感じられる「起こし文」を、ぜひ手にとってみてください。

「起こし文」公式HP・オンラインショップ

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