佐賀錦とは?歴史や特徴を詳しく解説!
フォーマルな着物に合わせる草履やバッグによく用いられる佐賀錦は、大変豪華で素敵なものが多いです。
ところで、皆様は佐賀錦についてご存じでしょうか。
「佐賀錦」という名称から佐賀が起源となっていることは想像できても、歴史については分からないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、佐賀錦について、その歴史や特徴、魅力について詳しく解説していきます。
佐賀錦とは?
佐賀錦は金銀を中心に織られた豪華で緻密な錦の織物です。
現在の佐賀の辺りで発展したことから、佐賀錦(もしくは鹿島錦)と呼ばれています。
大変緻密に丁寧に織られて作り上げられるため、一日に数センチしか進まないということも少なくないと言います。
そのため、大きなものが作られることは少なく、小物類の生地として活用されることが多いです。
小物類とはいっても帯地として織られることはありますが、かなり稀少性の高いものになっています。
ちなみに、佐賀錦では、緯には絹糸を通し、経に金銀箔を細かく裁断した紙(和紙)を用い、竹べらでそれらを上下させて織っていきます。
佐賀錦の歴史
佐賀錦の起源については諸説あるようですが、もっともよく知られているエピソードをご紹介します。
江戸時代に佐賀の鹿島藩、鍋島家第9代夫人が創案し、これを佐賀藩家中の女性が手工芸として嗜んで発展させたと言われています。
豪華絢爛な錦織物は富裕層を中心に人気が出ましたが、明治に移り変わる時の廃藩が原因で廃れかけたそうです。
しかし、このまま佐賀錦を幻の佐賀錦にしてしまうのはもったいないと行動を起こしたのが大隈重信でした。
1910年にロンドンで開催された日英大博覧会への出品を取り次ぎ、佐賀錦の存続危機を見事に救ったのです。
さらに、日英大博覧会で大変な人気を博した佐賀錦は日本でも一躍有名になりました。
それまで名称は「おくみもの」、「鹿島錦」、「組錦」など、様々な呼び名で呼ばれていたのですが、日英大博覧会での成功が後押しして正式に「佐賀錦」となりました。
佐賀錦の魅力は大胆な柄と色遣い
佐賀錦の魅力は豪華さだけではありません。
豪華さの中に見られる色遣い、文様は時代を超えて愛されてきました。
特に文様に関しては、網代や菱、紗綾型など飽きの来ない柄行が人気を呼んでいます。
いずれの文様でも着物の良さを邪魔せず、むしろ豪華さを演出する良い素材となってくれることもあり、フォーマルな席の小物類に佐賀錦を用いたものが多いです。
バッグと草履は大体セットになっていることがあるので、同じ柄行のものを選んで統一感を出すと、より佐賀錦の豪華さが引き立ちます。
佐賀錦の魅力を楽しむ
佐賀錦は豪華でかつ繊細な織物ということもあり、手を出すにはハードルが高いと感じられる方も多いようです。しかし、小物に関しては佐賀錦のものを1つでも持っていると大変重宝します。
佐賀錦の小物はフォーマルな席で大活躍
先程からも述べているように、金糸や銀糸がふんだんに使われた織物はフォーマルな席にピッタリです。
特に、振袖や留袖を着る際には佐賀錦で織られた小物を一緒に用いると良いです。
上品さもあり、かつ豪華さもあるということで、成人式や結婚式などの晴れやかな席に特に相応しいです。
また、佐賀錦の中でも幾何学模様のものを選んでおけば、どんな着物や帯にも合わせることができるので、色々な場面で使用できて大変便利です。
ただし、カジュアルな席では浮いてしまうので、使用することはできません。
着物は晴れの席だけという方やおめでたい時には着物を着たいという方は、佐賀錦の小物を用意しておくことをおすすめします。
現代の佐賀錦グッズ
佐賀錦は和装においてはフォーマルなものになってしまうので、意外と需要が少ないという話もあります。
そんな中から佐賀錦の存続をかけて考案されているのが、現代社会に合った佐賀錦グッズなのです。
例えばネクタイ、小物入れ、御朱印帖の表紙など、大きなものではありませんが、日々の生活の中で活用できる佐賀錦グッズが日々考え出されているのです。
小さなものでも佐賀錦とはっきり分かる小物入れなどは、海外のお土産にも大変人気です。
小さな佐賀錦グッズは、価格に関しても手が出しやすい価格帯になっているので、佐賀錦が好きな方には特におすすめです。
まとめ
佐賀錦について、歴史や特徴、魅力などにも触れながら解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
佐賀錦そのものは知っていても、その歴史まで知っていたという人はなかなかいないのではないでしょうか。
豪華で美しい佐賀錦の草履やバッグは、留袖や振袖と合わせるのが一般的ですが、もちろんフォーマルな席に着る訪問着に合わせても問題ありません。
ぜひ着物と合わせた素敵な組み合わせを楽しんでみて下さい。
佐賀錦の帯は芸術性も高いと言われており、その一部をアートとして額装して楽しむ方も少なくないです。
帯は装ってこそその良さが出るのですが、もう着ることもない佐賀錦の帯が箪笥の中で眠っているのであれば、アートに加工して壁飾りとして楽しむのも面白いかもしれません。