• HOME
  • コラム
  • SPOT
  • 津島神社|宮城県登米市の由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
津島神社|宮城県登米市の由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

津島神社|宮城県登米市の由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

宮城県登米市迫町佐沼に鎮座する津島神社は、天正19年(1591年)の創建から430年以上の歴史を誇る由緒ある神社です。地元では「津島さん」の愛称で親しまれ、厄除け・縁結び・疫病除けのご利益で多くの参拝者が訪れます。2024年には本殿が登録有形文化財に指定され、精巧な彫刻装飾も見どころの一つです。

津島神社の概要・基本情報

津島神社|宮城県登米市の由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

津島神社は登米市迫町佐沼の中心部に位置し、旧社格は郷社として格式高い神社です。現在の地に遷座されるまでには長い歴史があり、源頼朝や伊達政宗といった歴史上の武将とも深い関わりを持っています。

歴史と由来

津島神社の創建は「風土記」によれば730年(天平2年)とされています。1189年(文治5年)には源頼朝が奥州藤原氏、藤原泰衡の平泉へ攻め入る際に、この神社にて戦勝を祈願しました。戦勝し、奥州を征服した後は、この地方の支配を任せた葛西氏に守護を命じています。

1591年(天正19年)伊達政宗が葛西大崎一揆の鎮圧のため佐沼城を攻撃した際、戦勝を祈願しました。後にこの地域は伊達氏に与えられ、佐沼の領主となった伊達氏の家臣湯目氏に守護を命じた。その際に、神社は佐沼に遷座し現在に至っています。

特筆すべきは、津島神社は400年前に長沼フートピア公園付近にあった津島神社を当時の領主津田民部景康が城下である現在の地に津島神社を遷座し、社殿は佐沼城(鹿ヶ城)に向かって北向きに建立されていますという点です。この北向きの配置は、城の鎮護という重要な役割を担っていたことを物語っています。

1912年(明治45年)に社殿、幣殿、拝殿随身門、末社四社を焼失。再建され、再び郷社に列格されました。現在の社殿は大正12年(1923年)に再建されたもので、100年の歳月を経た貴重な建造物となっています。

祭神とご利益

津島神社の主祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。「神武速素盞鳴尊(たけはやすさのおのみこと)」が祀られており、ご神徳は「厄除け、縁結び、疫病除け、海上安全」とされています。

素戔嗚尊は日本神話において、八岐大蛇を退治した勇猛な神として知られ、災いを払い除ける強力な神力を持つとされています。特に疫病除けのご利益は古くから信仰されており、現代においても健康祈願や病気平癒を願う参拝者が多く訪れます。

また、縁結びのご利益も篤く信仰されており、良縁を求める方や夫婦円満を願う方にも人気の神社です。厄除けについては、人生の節目となる厄年の方が多く参拝され、身に降りかかる災いを祓い清めていただけるとして信頼されています。

津島神社の見どころ・特徴

津島神社|宮城県登米市の由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

津島神社の境内には、歴史と文化が息づく数多くの見どころがあります。特に建造物の美しさと自然との調和は、参拝者の心を癒やし、荘厳な気持ちにさせてくれます。

建造物・構造の魅力

津島神社本殿は2024年3月6日に登録有形文化財(建造物)に指定されました。境内南寄りに北面する本殿は一間社流造銅板葺で、三方に縁を廻らし、脇障子を建てる。組物は出組とし軒は二軒繁垂木。妻飾は虹梁大瓶束で笈形を付し、頂部には花肘木を重ねて棟木を支える。全体に彫刻が濃密で華やかな本殿。

御社殿は本殿、幣殿、拝殿と三棟の流れ造の建築様式からなっており、天正19年に伊達家の保護のもと佐沼城主の津田景康によって建てられました。以来430年にわたり幾度もの修復が重られてきました。

建造物の中でも特に注目すべきは、御社殿の全体には彫刻師石井虎正(上山虎正)の繊細な彫刻が施されていますという点です。この彫刻は鳳凰や獅子などの意匠が施されており、職人の高い技術力を現代に伝える貴重な文化遺産となっています。

社殿の配置も独特で、佐沼城の鎮護を目的として北向きに建立されているため、一般的な神社とは異なる趣を感じることができます。

自然・景観の美しさ

津島神社の境内は、市街地にありながら豊かな自然に恵まれています。公孫樹など古木のご神木が目立つ、市街地としてはとても鎮守の杜の護られている気持ちの良い神社として知られています。

境内への参道は「さぬま七福通り」と呼ばれ、七福通りの名前の通り、こんな石像を発見!できるなど、参拝への期待を高めてくれる演出がなされています。この通りを歩くことで、日常から神聖な空間への心の準備ができます。

境内では季節ごとに異なる自然の美しさを楽しむことができます。春には桜の花が咲き誇り、秋には紅葉が境内を彩ります。特に古いイチョウの木は見応えがあり、黄金色に染まる秋の光景は多くの参拝者を魅了しています。

登録有形文化財・重要な所蔵品

2024年3月に登録有形文化財に指定された本殿は、大正12年の再建から100年を経た貴重な建造物です。一間社流造という伝統的な神社建築様式を忠実に再現しており、建築史的にも重要な価値を持っています。

現在、この彫刻が有形文化財の指定を受けるための準備を進めておりますとあるように、石井虎正による精巧な彫刻についても文化財指定に向けた取り組みが行われています。

これらの文化財は、津島神社が単なる信仰の場としてだけでなく、地域の歴史と文化を後世に伝える重要な役割を担っていることを示しています。建造物の保存と活用は、100年に一度の大規模修築工事を通じて計画的に進められており、次の世代にも確実に継承される予定です。

参拝・拝観案内

津島神社では、伝統的な参拝作法に従って心を込めてお参りすることで、より深いご利益を得ることができます。また、年間を通じて様々な神事や行事が執り行われており、季節ごとの魅力を感じることができます。

参拝作法とマナー

津島神社での参拝は、まず鳥居をくぐる前に一礼することから始まります。境内に入ると手水舎で手と口を清め、心身を浄めてから拝殿に向かいます。

津島神社の特徴的な参拝体験として、「茅ノ輪」があります。この謎の輪は「茅ノ輪」とよばれるもので、参拝者がこの輪を通り抜けることで無病息災、厄難消除、開運厄除けなどを願う神事となります。作法があるため、境内の説明をよく読んで正しい方法で茅ノ輪をくぐり抜けることが大切です。

拝殿での参拝は「二拝二拍手一拝」の作法で行います。まず深く二回礼をし、胸の前で二回拍手を打ち、最後に一回深く礼をします。祈願の際は、住所・氏名・年齢を心の中で申し上げてから、具体的な願い事をお伝えするのが正式な作法とされています。

境内には「おもかる石」という珍しい石があり、参拝者は願い事をしながら石を持ち上げることができます。軽く感じれば願いが叶うとされており、多くの参拝者が挑戦しています。ただし、欲深くないほうが軽く持ち上がるかもしれませんとの宮司さんの言葉通り、謙虚な気持ちで臨むことが大切です。

年中行事・季節のイベント

津島神社の例祭日は7月24日、25日に近い土曜、日曜に執り行われます。この例祭は津島神社で最も重要な年中行事であり、多くの参拝者で賑わいます。

年間の主な行事として、元旦祭(1月1日)、松焚祭(どんと祭・1月14日)、桜花祭(4月下旬)、春の互市(4月下旬)があります。また、七五三(11月15日)、秋互市(11月中旬)、煤祓式(12月25日)、正月飾り頒布式(12月26日〜31日)なども執り行われています。

特に注目すべきは、お祭りの見せ場となる御神輿の御宮入り(お神輿が町内を巡幸を終えて神社に到着するときの事)で、地域の人々が一体となって神輿を担ぎ、神社に帰還する様子は圧巻です。

夏詣の時期には特別な御朱印も授与され、境内には茅の輪の他に提灯も飾られて夏らしい雰囲気を演出します。季節ごとの行事は、地域の文化と伝統を体感できる貴重な機会となっています。

御朱印・お守り情報

津島神社では様々な種類の御朱印を授与しており、参拝の記念として多くの方に親しまれています。通常の御朱印のほか、季節限定の特別な御朱印も用意されており、夏詣の猫さんの御朱印など、愛らしいデザインのものもあります。

御朱印帳も津島神社オリジナルのものが用意されており、参拝の記念として人気があります。御朱印の授与は社務所で行われており、丁寧に書いていただけます。

お守りについては、御守りの種類・願意をご説明致しますとあるように、多種多様なお守りが授与されています。厄除け、縁結び、交通安全、学業成就、健康祈願など、様々な願いに応じたお守りが用意されています。

特に健康系のお守りは近年人気が高まっており、疫病除けのご利益で知られる津島神社ならではの授与品として注目されています。授与品は種類がすごい豊富で、参拝者のニーズに幅広く対応しています。

社務所の対応時間は午前9時から午後5時までとなっており、この時間内に御朱印やお守りを授与していただくことができます。

アクセス・利用情報

津島神社は宮城県登米市の中心部に位置し、公共交通機関や自家用車でのアクセスが可能です。参拝に必要な情報を事前に確認して、安心してお参りください。

交通アクセス

公共交通機関をご利用の場合、東北本線瀬峰駅からバスで約20分となります。瀬峰駅からは路線バスが運行されており、津島神社最寄りのバス停で下車後、徒歩数分でお参りいただけます。

自家用車でお越しの場合は、津島神社まで直接アクセスが可能です。津島神社は佐沼の中心部にあり、津島さんまでの一本道を「さぬま七福通り」があります。この七福通りを進むと鳥居が見えてきますので、案内に従ってお進みください。

駐車場については、津島神社専用の駐車場が境内近くに用意されています。参道の左手には駐車場の案内看板があり、指定された駐車場をご利用ください。特に例祭などの行事の際は混雑が予想されますので、時間に余裕を持ってお越しいただくことをお勧めします。

最寄りの目印として、宮城県の合同庁舎の西側に津島神社が位置していますので、こちらを参考にしてください。

<住所> 〒987-0511 宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼141

拝観時間・料金・駐車場情報

津島神社の境内は基本的に終日開放されており、いつでも参拝していただくことができます。ただし、社務所の対応時間は午前9時から午後5時までとなっており、御朱印の授与やお守りの購入、各種祈祷の受付はこの時間内に行われます。

参拝料は無料となっており、どなたでも気軽にお参りいただけます。ただし、特別な祈祷をご希望の場合は、別途初穂料が必要となりますので、詳細は社務所にお問い合わせください。

駐車場は無料でご利用いただけます。普通車であれば問題なく駐車できる広さが確保されており、参拝の際には大変便利です。ただし、台数に限りがありますので、特に祭礼日や年末年始などの繁忙期には早めのお越しをお勧めします。

車椅子での参拝についても可能ですが、境内の一部に段差がありますので、介助者同伴での参拝をお勧めします。バリアフリー対応について詳細をお知りになりたい場合は、事前に社務所までお問い合わせください。

参照サイト

・津島神社 公式ホームページ:http://tushima-jinja.jp/
・宮城県神社庁:https://miyagi-jinjacho.or.jp/jinja-search/detail.php?code=310030651
・文化遺産オンライン:https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/564585

関連記事一覧