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陸中一宮 駒形神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

陸中一宮 駒形神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

岩手県奥州市の水沢公園内に鎮座する陸中一宮駒形神社は、1500年もの長い歴史を持つ由緒ある神社です。古くから陸中国(現在の岩手県)の一之宮として格式高い地位を保ち、式内社として延喜式神名帳にも記載された名社として多くの人々に崇敬されています。境内は樹齢250~300年のヒガンザクラの古木群に囲まれ、岩手県指定天然記念物として桜の名所としても親しまれています。

陸中一宮 駒形神社の概要・基本情報

陸中一宮 駒形神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

陸中一宮駒形神社は、奥州市水沢中上野町の本社、胆沢郡金ケ崎町西根の駒ヶ岳山頂の奥宮、胆沢郡金ケ崎町西根雛子沢の里宮からなる神社で、現在は神社本庁の別表神社に指定されています。旧社格は国幣小社という格式の高い神社として、地域の信仰の中心的役割を果たしてきました。

歴史と由来

駒形神社は1500年ほど前、焼石連峰の駒ケ岳山頂に祀られ、明治36年(1903年)、現在地にお遷りされました。創建については複数の伝承が残されており、最も古い伝承では雄略天皇の御代(456年頃)、第十代崇神天皇の末裔である上毛野胆沢公が駒ケ岳山頂(現在は大日岳)に駒形さまをお祀りしたとされています。

上毛野氏は関東地方から勢力を北に伸ばし、各地で休火山の外輪山を持つ山を見つけては駒ケ岳または駒形山と名付け、駒形大神を奉祀したという説もあります。この説によれば、駒形神社の起源は上毛野氏の北進と深く関わっているとされています。

平安時代には朝廷からの篤い崇敬を受け、坂上田村麻呂征夷大将軍(802年頃)は、蝦夷のアテルイと無血の戦ののち、蝦夷の守護神でもあった駒形神社の神階昇格を朝廷に申し出ました。仁寿元年(851年)に駒形神の神階が正五位下に、貞観4年(862年)に従四位下に昇叙され、従四位下の神階は陸奥国内で最高位となりました。

西暦927年の延喜式神明帳に記載されることで式内社としての地位を確立し、平安時代から鎌倉時代にかけては源頼義・義家や平泉の藤原氏の崇敬も篤かったと伝えられています。

祭神とご利益

駒形神社の祭神は天照大御神、天常立尊、国狭立尊、吾勝尊、置瀬尊、彦火尊の6柱で、これらを総称して「駒形大神」と呼ばれています。これらの神々は、雛子沢里宮の寛政9年(1797年)棟札や、仙台藩編纂の『安永風土記』に記載が見られる由緒ある祭神構成です。

駒形大神は馬の守護神として広く信仰され、勝負運や運命を切り開く神社として知られています。特に交通安全、必勝祈願、身体健全などのご利益があるとされ、現代では奥州市出身のメジャーリーガーにちなんだ「二刀流御守」も授与されており、心技体の充実と目標達成を願う多くの参拝者に親しまれています。

境内には鹽竃神社、山神社、水沢招魂社があり、それぞれ交通安全、必勝祈願、方位除けなどの御利益があるとされ、多様な願いに応える霊験あらたかな神社として信仰を集めています。

陸中一宮 駒形神社の見どころ・特徴

陸中一宮 駒形神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

駒形神社は水沢公園内という自然豊かな環境に鎮座し、歴史的建造物と美しい自然景観が調和した魅力的な神社です。岩手県内でも格式の高い神社として、春夏秋冬で変わる景色を眺めながら、パワースポットめぐりをする人も多いと評判です。

建造物・構造の魅力

現在の社殿は2003年に奉遷百周年記念で御社殿が改修されたもので、格式ある神社建築の美しさを保っています。境内は静寂に包まれた神聖な雰囲気を醸し出し、桜と杉の老樹に囲まれた静かな社として参拝者に安らぎを与えています。

本社以外にも、駒ヶ岳山頂の奥宮と胆沢郡金ケ崎町西根雛子沢の里宮があり、山岳信仰の歴史を物語る貴重な構成となっています。特に奥宮は近世には「馬頭観音堂」と称されていた歴史があり、神仏混交時代の名残を今に伝えています。

境内の桜と自然の美しさ

駒形神社の最大の特徴の一つは、境内と水沢公園がヒガンザクラ系の桜の名所として知られ、老木の樹齢は250年から300年にも及び、「駒形神社及び水沢公園のヒガン系桜群」として岩手県指定天然記念物に指定されていることです。

ソメイヨシノ、しだれ桜、エドヒガンなど約400本以上の桜が境内から水沢公園にかけて咲き誇り、ヒガン系サクラの種類はエドヒガン・ベニヒガン・シダレヒガンなどで、そのほかベニヤマザクラやソメイヨシノも楽しむことができます。ヒガン系桜の特徴として、ヤマザクラやソメイヨシノの系統よりも花が小型だが、早く咲くという点があり、一足早い春の訪れを感じることができます。

春には毎年4月上旬から下旬にかけて「水沢公園桜まつり」が行われ、花見食堂センターや露店などがたちならび、桜とともに来場者を楽しませています。桜が終わりを告げるころ、公園内は色鮮やかなツツジの花が一面に広がり、違った姿を楽しむことができるのも魅力の一つです。

文化財・重要な史跡

駒形神社とその周辺には、長い歴史を物語る貴重な文化財や史跡が数多く残されています。園内には後藤新平の銅像(日本ボーイスカウト初代総裁姿と南満州鉄道初代総裁姿の2基)、斎藤実の銅像、高野長英の碑、正岡子規の句碑、松平悦子(黒田光之の娘)の墓、七重の塔、戊辰戦争の弔魂碑などが点在し、神社の歴史と地域の文化を感じることができます。

特に注目すべきは、水沢公園の造園は1878年(明治11年)に放浪の画家でもあり造園家でもあった蓑虫山人によるものとされており、明治期の優れた造園技術を現代に伝える貴重な文化遺産となっています。

参拝案内

陸中一宮駒形神社は格式ある一之宮として、多くの参拝者が訪れる神聖な場所です。適切な参拝作法を心がけ、神様への敬意を表しながら参拝することで、より深い御利益を授かることができるでしょう。

参拝作法とマナー

神社での参拝は、心を清めて神様に敬意を表する大切な行為です。駒形神社においても、一般的な神社参拝の作法に従って参拝することが推奨されます。

まず、鳥居をくぐる際は軽く一礼し、参道は中央を避けて歩きます。手水舎では左手、右手の順で清め、口をすすいで身を清めてから拝殿に向かいます。拝殿前では賽銭を納め、鈴を鳴らしてから二拝二拍手一拝の作法で参拝します。

駒形神社は馬の守護神を祀り、勝負運や運命を切り開く神社として知られているため、交通安全や目標達成、身体健全などの願いを込めて参拝する方が多く見られます。静寂な境内で心を込めて祈願することで、駒形大神の御加護を感じることができるでしょう。

年中行事・季節のイベント

駒形神社では年間を通じて様々な神事や行事が執り行われ、地域の人々や参拝者に親しまれています。最も有名な行事の一つが毎年5月に行われる「子供騎馬武者行列」で、馬を守り神とするこの地の中心行事となっています。この行事は駒形神社の馬の神様としての性格を象徴する伝統的な祭りで、地域の子どもたちが武者装束に身を包み、騎馬行列を披露する華やかな催しです。

春の桜の季節には、4月上旬から下旬にかけて「水沢公園桜まつり」が開催され、神社境内と水沢公園一帯が桜見物の人々で賑わいます。期間中は園内で花見食堂・露店が出店するとともに、夜の園内にはボンボリの灯りが灯され夜桜を楽しめる特別な雰囲気となります。

正月には初詣の参拝者が多く訪れ、新年の無病息災や家内安全を祈願します。また、みかんまき・どんと祭なども行われ、地域の伝統行事として親しまれています。

御朱印・お守り情報

駒形神社では、参拝の記念として御朱印を授与しています。御朱印・御祈祷・御守受付は9:30~16:30となっており、この時間内に社務所で拝受することができます。陸中一之宮としての格式ある御朱印は、多くの参拝者に大切にされています。

特に人気が高いのが「二刀流御守」で、奥州市出身のメジャーリーガーにちなんで、”心技体が充実し成功を掴みとれるように”と願掛けされ、身体健全と目標達成の御利益があるという御守りで、赤・白・青の3色が用意されています。「うまく(駒)かたち(形)になる(成)」守としても親しまれ、未来を担う子どもたちや仕事のパフォーマンスを向上したい人におすすめとされています。

その他にも交通安全、必勝祈願、方位除けなど、様々な願いに応じたお守りが用意されており、参拝者の多様なニーズに対応しています。詳細な授与品については、参拝時に社務所でお尋ねください。

アクセス・利用情報

陸中一宮駒形神社へのアクセスは、公共交通機関と自家用車の両方で便利にお参りいただけます。水沢公園内という立地のため、桜の季節や祭事の際は混雑することがありますので、時間に余裕を持って参拝されることをおすすめします。

交通アクセス

電車でのアクセス JR東北本線水沢駅より徒歩約13分と、駅から歩いてアクセス可能な便利な立地にあります。JR水沢江刺駅から車で約15分の距離にあり、東北新幹線をご利用の場合はこちらの駅が最寄りとなります。

自動車でのアクセス 高速道路からのアクセスも良好で、東北自動車道水沢ICより約12分、奥州スマートICから約7分となっています。カーナビゲーションシステムには「水沢公園」または神社の住所を入力すると便利です。

陸中一宮駒形神社の所在地は岩手県奥州市水沢中上野町1-83(水沢公園内)です。

<住所> 〒023-0857 岩手県奥州市水沢中上野町1-83

参拝時間・料金・駐車場情報

参拝時間
夏季(4~10月):5:30~18:00、冬季(11~3月):5:30~17:30となっており、季節によって時間が異なります。御朱印・御祈祷・御守受付は9:30~16:30ですので、御朱印やお守りを希望される方はこの時間内に参拝してください。

年末年始は特別な時間設定となり、年末5:30〜17:30、元旦0:00~20:00、1月2日以降は通常通りの開放時間となります。

参拝料金
参拝は無料です。ご祈祷をお受けになる場合は別途初穂料が必要となりますので、詳細は神社にお問い合わせください。

駐車場情報
駐車場は168台分あり、普通自動車300円/12時間、24時間超過は400円/12時間で加算、大型車500円/24時間、24時間超過は500円/12時間で加算となっています。桜まつりの期間中や大きな祭事の際は混雑が予想されますので、早めの到着をおすすめします。

参照サイト

・陸中一宮 駒形神社 公式ホームページ:https://komagata.iwate.jp/
・陸中一宮 駒形神社(旧サイト):http://www.rnac.ne.jp/~komagata/

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