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高家神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

高家神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

千葉県南房総市に鎮座する高家神社は、日本で唯一の料理の神様「磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)」を祀る神社として全国的に知られています。平安時代から続く伝統的な「庖丁式」の奉納や、料理関係者からの篤い信仰を集める特別な神社の魅力と参拝の見どころをご紹介します。

高家神社の概要・基本情報

高家神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

高家神社(たかべじんじゃ)は、千葉県南房総市(旧千倉町)にある神社である。式内社で、旧社格は郷社。「料理の祖神」を祀る神社として料理関係者や醤油醸造業者などから崇敬される。

歴史と由来

高家神社の歴史は古く、「日本書紀」にも記載があります。日本書紀の第十二代景行天皇の条によると、天皇の御供である磐鹿六雁命が安房で獲った魚とはまぐりをなますにして天皇に差し上げたら、とてもよろこばれて、膳大伴部を賜った。これにより若狭の国、安房の国の長となったという記録が残されています。

当社の創建の由緒は不詳であるが、高家神社の由緒書では、磐鹿六雁命の子孫の高橋氏の一部の者が、祖神に縁のある安房国に移り住み氏神として祖神を祀ったのではないかとしている。延喜式神名帳に「安房国朝夷郡 高家神社」と記載されているが、後に衰退・廃絶したものと見られ、長らく所在は不明となっていた。

今の場所で祀られるようになったのは、元和6年(西暦1620年)です。現在の宮司の祖先となる高木吉右衛門が桜の木の下から、木像と二面の御神鏡を発見し、社を建てて祀ったとされています。実際は、そのさらに200年後、御神鏡に「磐鹿六雁命」と記されていることが新たにわかり、文政2(1819年)に御神体が高家神社のものであったことが判明しました。

祭神とご利益

磐鹿六雁命(高倍神)、および天照皇大神・稲荷大神を祀る。主祭神である磐鹿六雁命は料理の祖神として崇敬され、料理上達、食材豊穣、醸造業繁栄などのご利益があるとされています。

約1,800年前、安房乃国(現在の南房総地域)で第12代景行天皇(けいこうてんのう)に家来である磐鹿六雁命が料理をしました。天皇は料理の美味しさに大変喜び、磐鹿雁命をほめ称え、子々孫々、朝延で料理をつくる職である大膳職長(おおかしわでのおさ)に任じたそうです。

高家神社の見どころ・特徴

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高家神社は料理の神様を祀る唯一の神社として、多くの料理関係者や食に携わる人々から信仰を集めています。境内は静寂に包まれ、神聖な雰囲気の中で参拝することができます。

建造物・構造の魅力

千葉県南房総市 日本で唯一「料理の祖神」を祀る神社である高家(たかべ)神社の社殿です。社殿は茅葺屋根の美しい拝殿が特徴的で、伝統的な日本建築の趣を感じることができます。境内は整備が行き届いており、参拝者が心静かに祈りを捧げることのできる環境が整っています。

自然・景観の美しさ

千葉県南房総市 日本で唯一「料理の祖神」を祀る神社である高家(たかべ)神社の社殿側から見た景色です。とても綺麗に整備されています。参道から社殿にかけて美しく整備された境内は、四季を通じて参拝者を迎えています。

冬季には特別な風情を楽しむことができます。2024年12月14日~2025年2月24日 16時30分~21時30分 毎日点灯 高家(たかべ)神社<千葉県南房総市千倉町南朝夷164>にて竹あかりが開催され、竹灯籠による幻想的な光景が境内を彩ります。

年中行事・庖丁式の魅力

高家神社の最大の見どころは、年3回執り行われる庖丁式です。庖丁式は烏帽子(えぼし)や直垂(ひたたれ)をまとった庖丁人が、庖丁とまな箸を用いて一切手をふれることなく、鯉(こい)や鯛(たい)などの魚介を調理する儀式です。平安時代に起源があるとされ、宮中行事の一つとして伝えられてきました。

5月17日 春の例大祭・庖丁式奉納(大漁祈願祭)、10月17日 秋の例大祭・庖丁式奉納(旧神嘗祭)、11月23日 新穀感謝祭・庖丁式奉納(旧新嘗祭)の年3回、この神聖な儀式を見学することができます。食材に一切手を触れることなく、熟練の技によって魚を捌く様子は、日本料理の伝統と精神性を体現した貴重な文化遺産といえるでしょう。

参拝・拝観案内

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高家神社での参拝は、料理の神様への感謝と料理技術の向上を祈願する特別な体験となります。一般的な神社参拝と同様の作法に加えて、料理に関する願いを込めた参拝が多くの方に親しまれています。

参拝作法とマナー

高家神社での参拝は、一般的な神社参拝と同じく二拝二拍手一拝の作法で行います。手水舎で清めてから参拝し、料理の上達や食材への感謝、食に関わる仕事の成功などを祈願される方が多く見られます。

味噌醤油の醸造業者をはじめ多くの料理関係者が訪れています。志のある料理人が全国から参拝に訪れる場所としても有名です。プロの料理人から家庭料理を大切にする方まで、幅広い参拝者が訪れる神社として親しまれています。

年中行事・季節のイベント

高家神社では年間を通じて様々な行事が執り行われています。最も注目される行事は庖丁式で、5月17日 春の例大祭・庖丁式奉納(大漁祈願祭)、10月17日 秋の例大祭・庖丁式奉納(旧神嘗祭(かんなめさい))、11月23日 新穀感謝祭・庖丁式奉納(旧新嘗祭(にいなめさい))に開催されます。

毎年10月17日と11月23日に行われる「庖丁式」は、関係者の間では全国的に有名。烏帽子、下垂れ姿の包丁人が、右手に庖丁、左手に真魚箸(まなばし)を用い、魚に一切手を触れることなく魚をさばいていきます。古式に則り厳かに包丁さばきの妙技を見せてくれます。

冬季の特別なイベントとして、千倉地域づくり協議会の「高家学ぼう会部会」では高家神社境内に竹灯籠を設置し、冬の風物詩として多くの参拝者の目を楽しませています。竹あかりは幻想的な雰囲気を演出し、普段とは違った神社の魅力を感じることができます。

御朱印・お守り情報

千葉県南房総市 日本で唯一「料理の祖神」を祀る神社である高家(たかべ)神社にて御朱印をいただきました。高家神社では料理の神様にちなんだ特別な御朱印を授与しています。また、高家神社の御朱印帳。本木目の表紙が渋い!という参拝者の感想もあるように、神社オリジナルの御朱印帳も人気となっています。

神社では「料理上達」のお守りや、庖丁式がモチーフの手ぬぐいも頒布されます。料理好きならぜひご利益をいただきたいところです。料理に関わる方々にとって特別な意味を持つお守りや記念品が用意されており、高家神社では、料理の神様のイラストの入ったエプロンを販売中。これを使えば料理の腕もぐんぐん上達するはず。エプロン ¥3,500(税込)といった実用的なグッズも取り扱われています。

アクセス・利用情報

高家神社は南房総の千倉地区に位置し、都心からもアクセスしやすい立地にあります。公共交通機関と自家用車の両方でアクセス可能で、参拝者の利便性を考慮した環境が整備されています。

交通アクセス

公共交通機関をご利用の場合、東京駅→〔房総なのはな号:約2時間15分〕→千倉駅→タクシーまたは路線バスまたはレンタサイクル→高家神社、千葉駅→〔南総里見号:約2時間〕→千倉駅→→タクシーまたは路線バスまたはレンタサイクル→高家神社のルートが利用できます。

JR内房線千倉駅から館山日東バス安房白浜行きで3分、高家神社入口下車、徒歩10分というアクセスが最も便利です。

自家用車でお越しの場合は、東京→〔首都高・東関東道,京葉道路〕→宮野木JCT→〔京葉道路・館山自動車道〕→木更津JCT→〔館山自動車道・富津館山道路〕→富浦IC→〔R127・R128・R187〕→千倉→〔R187〕→高家神社のルートが推奨されています。

拝観時間・料金・駐車場情報

営業時間 通年8:00~17:00(閉門)、定休日 無休、料金 無料となっており、年中無休で参拝することができます。

駐車場 あり/15台無料 大型バス可と駐車場も完備されており、大型バスでの団体参拝にも対応しています。庖丁式などの特別な行事の際には多くの参拝者が訪れるため、公共交通機関の利用も検討されることをお勧めします。

<住所> 〒295-0012 千葉県南房総市千倉町南朝夷164

参照サイト

・高家神社 公式ホームページ:https://takabejinja.com/
・一般社団法人 南房総市観光協会:https://www.cm-boso.com/takabe.html

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