
葛飾八幡宮|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
千葉県市川市にある葛飾八幡宮は、寛平年間(889年 – 898年)に宇多天皇の勅命により石清水八幡宮を勧請して建立された由緒ある神社です。「八幡」の町名の由来となる場所であり、千年以上の歴史を持つ下総国の総鎮守として地域の人々に親しまれています。
葛飾八幡宮の概要・基本情報
葛飾八幡宮は千葉県市川市八幡にある神社で、八幡宮の1つ。旧社格は県社です。現在、当宮がある市川市八幡というと、本八幡駅、京成八幡駅があり、中々に商業地区としても栄えた地区になっている中に鎮座し、すなわち八幡地区は「葛飾八幡宮」を中心に発展した地区となっています。
歴史と由来
当宮の創建は寛平年間(889年 – 898年)に宇多天皇の勅命により石清水八幡宮を勧請して建立されたと伝えられているところにさかのぼります。平安時代初期の創建で、鎌倉・鶴岡八幡も石清水八幡から(1063年)ですが、当社のほうが古いですという歴史的価値を持っています。
下総国の国府を守護する下総国の国府八幡宮として当宮は大いに崇敬を集めたとされ、下総の国を守護する総鎮守として崇敬されている神社です。
古代の葛飾郡は現在よりもはるかに広範囲で、千葉県市川市・船橋市・浦安市・野田市・流山市・柏市・松戸市、埼玉県幸手市・吉川市・三郷市、茨城県古河市、東京都葛飾区・墨田区・江東区・江戸川区、にまたがる広大な郡であり、1都3県にまたがる広大な区域だった一帯の総鎮守として機能していました。
祭神とご利益
葛飾八幡宮の主祭神は以下の三柱です。
誉田別命(ほむだわけのみこと、応神天皇(おうじんてんのう))を主祭神とし、息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと、神功皇后(じんぐうこうごう))と玉依比売命(たまよりひめのみこと)を配祀しています。
武神であることから平将門、源頼朝、太田道灌、徳川家康、下総国守護千葉氏、上総氏、安房国の大名里見氏など関東武士から厚い崇敬を集めてきました。また、文教の祖神、殖産興業、殊に農業守護の神として近郷近在の人々から守り神として親しまれています。現在では厄除け、開運、学業成就、交通安全などのご利益で知られています。
葛飾八幡宮の見どころ・特徴
葛飾八幡宮の境内には歴史を物語る多くの見どころが点在しており、参拝者の目を楽しませています。
建造物・構造の魅力
境内で最も印象的なのが随神門が見えます。木造で屋根は銅板葺き。左大臣と右大臣の神像&東西南北の四方位を守護する四神霊獣が祀られています随神門です。この門は市川市指定文化財に指定されており、江戸時代、葛飾八幡宮の境内には「八幡山法漸寺」という山号の別当寺がありました。そのため、神社でありながら仁王門を設けていました。それが、明治になって神仏分離令が出た結果、仁王門を随身門と改め、再出発したという興味深い歴史があります。
本殿は木造の立派な建造物で、古式ゆかしい八幡造りの様式を今に伝えています。境内には市川市役所のほぼ隣に大きな一之鳥居があり、進んで行くと線路があり踏切を渡ると二之鳥居が見えてくる独特の参道構造となっています。
神仏習合時代の遺構として、江戸時代、境内には、寛永寺の末寺(法漸寺)がありました。明治維新の廃仏毀釈運動の中で、本堂は廃棄せざるをえませんでした。しかし、鐘楼は残したい、と関係者が動きました。葛飾八幡宮を塀で囲み、神社施設の1つとして鐘楼堂を塀の中に入れた鐘楼が現存しています。
自然・景観の美しさ
境内で最も目を引く自然の見どころは、境内にそびえるイチョウの巨木は樹齢1200年以上で高さ22mで国の天然記念物に指定されています千本公孫樹(せんぼんいちょう)です。この巨木は2020年11月に参拝時は美しい黄色の絨毯になるなど、特に秋の紅葉時期は圧巻の美しさを誇ります。
ていねいに掃き清められた境内。鎮守の森もしくは、それを彷彿とさせる緑。そして、参拝者を浄めてくれる清らかな水が整備されており、都市部にありながら静寂で神聖な雰囲気を保っています。
境内社の一つには朱塗りの神橋を渡る度に気持ちがシャキっとするのを感じます。社の周囲は広島の海を模しているような深い池で囲まれており、錦鯉や亀がゆったりと泳ぐ様子を鑑賞できます厳島神社があり、美しい景観を楽しめます。
文化財・重要な所蔵品
当宮には数多くの文化財が保存されています。特に注目すべきは梵鐘 – 元亨元年(1321年)鋳造。寛政5年(1793年)大風で倒れ社殿西側にあったケヤキの根元から掘り出された。千葉県指定有形文化財の梵鐘です。
その他にも境内には源頼朝駒どめの石、千本公孫樹、梵鐘、力石などの見どころがあるとされ、岡晴夫歌碑、野外彫刻(藤野舜正作、大須賀力作)、八幡音頭歌碑、小林一茶句碑などがあるなど、歴史と文学にゆかりのある石碑類も豊富に配置されています。
参拝・拝観案内
葛飾八幡宮への参拝は、長い歴史と伝統に基づいた作法で行われ、年間を通じて多くの参拝者が訪れています。
参拝作法とマナー
参拝の際は、まず市川市役所のほぼ隣に大きな一之鳥居をくぐり、線路があり踏切を渡ると二之鳥居が見えてくる独特の参道を進みます。二之鳥居からは綺麗に整備された表参道。ここからは比較的長い参道が続くため、ゆっくりと心を静めながら歩を進めることができます。
手水舎では身を清め、随神門をくぐって本殿へ向かいます。八幡神は武神として知られているため、心を込めて丁寧な参拝を心がけることが大切です。境内は神聖な場所であることを忘れず、静粛に参拝しましょう。
年中行事・季節のイベント
葛飾八幡宮では一年を通じて様々な祭事が執り行われます。最も有名なのが例祭は毎年9月15日に行われる。この日より6日間、農具市(ボロ市)が開催され社頭門前には農具・日曜大工用品をはじめ各種の店が立ち並び、大勢の人出で賑わいを見せる例祭と農具市です。毎年9月15日の例祭日から20日まで「農具市」(通称ボロ市)が行われますこの期間は境内が特別な賑わいを見せます。
春には2月の初卯祭があり、2月の初卯祭は湯立て神事、宮司舞などをもって祭事が進められる、異色ある祭りとして知られています。
節分の時期には通称「やわたのはちまん様」で豆入り紙小袋が撒かれる行事です。中に「鶴」「亀」「松」「竹」「梅」の福札が入っており、米や醤油などの日用必需品が貰える楽しい節分会が行われ、多くの参拝者で賑わいます。
年始には大晦日の日付が変わる頃に、神楽殿にて巫女の舞が奉納されます。また、鐘撞きの受付も行います初詣の特別な祭事が執り行われます。
特別な行事として三十三周年式年大祭と呼ばれる、33年毎に行われる大祭があり、前回は2017年(平成29年)3月31日から4月3日に行われた。次回は2050年(令和32年)に行われる式年大祭があります。
御朱印・お守り情報
ご祈願はWEBでの事前予約制です(1月1日~1月7日までの期間は、個人のご祈願に限り予約不要)となっており、必ず事前にご予約をお済ませになったうえでお越しくださいますようお願いいたします。ご予約はご希望日の30日前~2日前までの受付ですとされています。
御朱印の授与については社務時間 午前9時〜16時の間に社務所で受けることができます。各種お守りや御札も同時間帯に授与されています。
厄除け、開運、学業成就、交通安全などのご利益に応じた様々なお守りが用意されており、特に受験期には市川市の主要駅「本八幡駅」から一番近い天満宮のため、受験期には多くの参拝客が訪れます学業成就のお守りが人気です。
アクセス・利用情報
葛飾八幡宮は市川市の中心部に位置し、複数の交通手段でアクセスすることができます。
交通アクセス
電車でのアクセスが最も便利で、本八幡駅 徒歩 5分となっています。詳しくはJR総武線「本八幡駅」より徒歩約8分、京成電鉄「京成八幡駅」より徒歩約4分の距離にあります。
JR総武線の本八幡駅は東京都内からのアクセスが良好で、新宿駅からは約30分、東京駅からは約25分程度で到着できます。京成電鉄を利用する場合は、上野駅から京成本線で約35分、日暮里駅からは約30分となっています。
車でのアクセスの場合は、国道14号線(京葉道路)や国道357号線からアクセス可能で、首都高速道路の市川インターチェンジからも比較的近い立地にあります。
<住所> 〒272-0021 千葉県市川市八幡4-2-1
参拝時間・料金・駐車場情報
境内拝観時間:9:00~16:00となっており、社務時間 午前9時〜16時に社務所での対応が可能です。年末年始等、日によって変更が生ずる場合がございますので、特別な日程での参拝を予定している場合は事前に確認することをお勧めします。
参拝料は無料ですが、御祈願を希望する場合はご祈願はWEBでの事前予約制ですとなっているため、公式サイトから予約が必要です。
駐車場については参拝者用駐車場・駐輪場ありとなっていますが、例祭時期や初詣期間中は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用が推奨されます。近隣の市川市役所駐車場・駐輪場の利用をおすすめしますという選択肢もあります。
地鎮祭・各種清祓などの出張祭典についてはお電話にて受け付けております。詳細は社務時間内(9時~16時)に当宮社務所(047-332-4488)までお問い合わせくださいとなっており、各種祈願や出張祭典についても対応しています。
参照サイト
・葛飾八幡宮 公式ホームページ:https://www.katsushikahachimangu.com/