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森戸神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

森戸神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

神奈川県葉山町の森戸海岸に佇む森戸神社は、約850年前に源頼朝によって創建された由緒ある神社です。海に面した境内からは富士山や江の島を一望でき、「森戸の夕照」として「かながわの景勝50選」にも選ばれています。縁結びや子宝安産のご利益で知られ、樹齢800年の飛柏槇など貴重な文化財も見どころです。

森戸神社の概要・基本情報

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森戸神社は神奈川県三浦郡葉山町にある神社で、森戸大明神の名でも親しまれています。治承4年(1180年)に源頼朝によって創建され、葉山の総鎮守として地域の人々から深く信仰されてきました。

歴史と由来

森戸神社の創建には源頼朝の深い信仰心が関わっています。永暦元年(1160年)、平治の乱に敗れて伊豆に流された頼朝は、三嶋明神(現在の静岡県三嶋大社)を深く信仰し、源氏再興を祈願していました。治承4年(1180年)にその願いが叶い天下を治めることができた頼朝は、感謝の気持ちを込めて三嶋明神の御分霊を鎌倉に近いこの葉山の聖地に勧請したのが森戸神社の始まりです。

「吾妻鏡」によると、歴代将軍が自らこの地を訪れ、流鏑馬や笠懸、相撲などの武事を行ったと記録されています。災厄が生じた際には加持祈祷が行われ、七瀬祓の霊所としても重要な地でした。源氏をはじめ鎌倉の要人からも篤い信仰を集め、特に三浦党の祈願所としても機能していました。

その後も北条氏、足利氏の崇敬を受け、天正19年(1591年)には徳川家康から社領七石が寄進されました。延宝2年(1674年)には徳川光圀、明治25年(1892年)には英照皇太后陛下の参拝を仰ぐなど、長い歴史の中で多くの著名人に親しまれてきました。

祭神とご利益

森戸神社には二柱の神様がお祀りされています。主祭神は大山祗命(おおやまつみのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)です。

大山祗命は山の神、海の神として知られ、産業の発展や家内安全のご利益があるとされています。事代主命は商売繁昌や恵比寿様としても親しまれ、漁業や商業の守護神として信仰されています。

森戸神社は古来より開運厄除、安産、子授、良縁、家内安全、商売繁昌、交通安全、恋愛成就、技芸上達など幅広いご利益で知られています。特に縁結びや子宝安産の神様として有名で、「まいられよ 子宝の福 さづかりに」と俳句に詠まれるほど古くから篤い信仰を集めています。現在でも安産や子宝を願って日本全国から多くの参拝者が訪れています。

森戸神社の見どころ・特徴

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森戸神社は海に面した立地を活かした独特の魅力を持つ神社です。境内には貴重な文化財や自然の見どころが数多く点在しています。

建造物・構造の魅力

森戸神社の本殿は鎌倉時代に創建され、現在の建物は安土桃山時代に造営されたもので、400年以上の歴史を誇ります。この本殿は葉山町の重要文化財に指定されており、歴史的価値の高い建造物です。晴れた日には本殿から青く澄んだ美しい海を一望することができ、参拝者に清々しい気持ちを与えてくれます。

境内の構造も特徴的で、本殿前までスロープが設置されており、駐車場から直結のため、赤ちゃんからご年配の方まで安心して参拝できるバリアフリー設計となっています。急な階段がなく、設置されている階段には手すりが完備されているため、妊娠中の方や小さなお子様連れの方も安全に参拝できます。

境内から森戸海岸へと続く「みそぎ橋」は「かながわの橋100選」に選ばれており、神社と海を結ぶ象徴的な存在となっています。このみそぎ橋を渡ると、すぐに森戸海岸の砂浜に出ることができます。

自然・景観の美しさ

森戸神社最大の魅力は、海に面した絶好のロケーションです。境内から望む相模湾の景色は圧巻で、天気の良い日には富士山、江の島、伊豆箱根の山並みまで一望できます。特に夕暮れ時の美しさは格別で、「森戸の夕照」として「かながわの景勝50選」に選ばれています。

境内裏の海岸からは、沖合約700メートルに浮かぶ名島(菜島)に建つ赤い鳥居と葉山灯台(裕次郎灯台)を眺めることができます。この名島には竜宮様が祀られており、航海の安全と豊漁を祈る海の神様として古くから漁師をはじめとした地域の人々から信仰を集めています。夕陽に照らされて茜色に輝く景色は時間を忘れるほどの美しさです。

御神木である飛柏槇(ひびゃくしん)は樹齢約800年といわれ、頼朝が参拝した際に三嶋明神から飛来して発芽したものと伝えられています。この古木が海上に乗り出した姿は非常に珍しく、「かながわの名木100選」と葉山町指定天然記念物に指定されています。森戸川河口の森戸海岸側やみそぎ橋からその独特な姿を見ることができます。

境内裏の海にそびえる岩の上に立つ松は「千貫松」と呼ばれています。頼朝が三浦氏の本拠地である衣笠城に向かう途中に立ち寄った際、「如何にも珍しき松」と褒めたところ、出迎えた三浦一族の和田義盛が「我等はこれを千貫の値ありとて千貫松と呼びて候」と答えたという言い伝えに由来しています。

文化財・重要な所蔵品

森戸神社には多くの貴重な文化財が保存されています。境内にある庚申塔は葉山町指定重要文化財に指定されており、猿田彦大神を祀った葉山町唯一の庚申塔で、三浦半島では珍しい流れ造りの石祠となっています。

境内の海沿いには数多くの記念碑が建てられており、その中でもベルツ博士・マルチーノ公使顕彰碑は葉山町指定重要文化財となっています。ベルツ博士とマルチーノ公使は明治初期に葉山を訪れ、保養地として適地であることを紹介し、皇室や政府高官の別荘が多く建てられるきっかけを作った人物です。葉山御用邸もその一つで、大正天皇は度々葉山御用邸で療養生活を送り、終焉の地ともなりました。

その他にも源頼朝公別墅跡の碑や石原裕次郎記念碑など、鎌倉時代から昭和まで、幅広い時代の葉山とゆかりのある著名人たちの記念碑が海岸沿いに並んでおり、葉山の歴史を物語る貴重な資料となっています。

参拝・拝観案内

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森戸神社は24時間いつでも参拝可能で、年中無休で多くの参拝者を迎えています。海に面した神聖な空間で、心静かに参拝することができます。

参拝作法とマナー

森戸神社での参拝は一般的な神社参拝の作法に従います。まず鳥居をくぐる前に一礼し、参道の中央を避けて歩きます。手水舎で両手と口を清めてから本殿へ向かいます。

本殿では二拝二拍手一拝の作法で参拝します。賽銭箱にお賽銭を入れ、鈴を鳴らしてから深く二回お辞儀をし、胸の前で二回柏手を打ち、最後にもう一度深くお辞儀をします。参拝の際は心を込めて感謝の気持ちと願いを込めましょう。

森戸神社では境内は全面禁煙となっており、持ち込んだゴミは必ず持ち帰るようお願いしています。また、騒音等周りへの迷惑となる行為は慎み、神聖な場所にふさわしい振る舞いを心がけましょう。

年中行事・季節のイベント

森戸神社では年間を通じて様々な神事や行事が行われています。毎月1日には月首祭、15日には月次祭が午前9時から執り行われ、地域の安全と繁栄を祈願しています。

6月には「潮神楽」という特別な神事が行われます。これは海の神様に感謝を捧げる重要な祭りで、5年に一度の大祭の際には「乙姫様竜宮参り」として名島に渡って竜宮様にお参りする神事も執り行われます。

秋には七五三の季節を迎え、10月から11月にかけて多くの家族が子どもの健やかな成長を祈って参拝に訪れます。森戸神社では七五三衣装の展示予約会も開催され、記念撮影のサービスも提供しています。

年末年始には初詣の参拝者で賑わい、新年の開運厄除や家内安全を願う多くの人々が訪れます。境内から望む初日の出は特に美しく、新年を迎えるのにふさわしい神聖な雰囲気に包まれます。

御朱印・お守り情報

森戸神社では午前9時頃から午後4時頃まで、授与所にて御朱印やお守り、おみくじを受けることができます。受付時間は予告なく変更される場合があるため、事前に確認することをおすすめします。

人気のお守りには、ピンクの二枚貝をモチーフにした恋愛成就のお守り「おねがい貝守り」があります。これは森戸神社が縁結びの神様として有名であることにちなんだもので、多くの参拝者に愛されています。

森戸神社の名物として「鯛みくじ」があります。魚釣りの小さな竿で可愛らしいおもちゃの鯛を釣り上げると、中におみくじが入っているという変わったスタイルのおみくじです。1回500円で楽しむことができ、参拝の記念として人気があります。

安産や子宝を願う方には専用のお守りも用意されており、古来より「子宝の福」で知られる森戸神社ならではのご利益を求める方々に重宝されています。また、交通安全や学業成就、商売繁昌など様々な願いに応じたお守りも豊富に取り揃えられています。

アクセス・利用情報

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森戸神社は神奈川県葉山町の海岸沿いに位置し、公共交通機関でも自家用車でもアクセスしやすい立地にあります。

交通アクセス

電車とバスでのアクセスが便利です。JR東海道線・横須賀線「逗子駅」東口3番バス停留所、または京急逗子線「逗子・葉山駅」南口2番バス停留所から京浜急行バス「逗12:葉山一色行き(海岸回り)」に乗車し、約15分で「森戸神社」バス停に到着します。バス停から神社まではわずか徒歩1分の距離です。

自家用車でのアクセスの場合は、横浜横須賀道路「逗子IC」から約15分です。逗子ICを出て長柄交差点を直進し、トンネルを潜って渚橋交差点を左折(洋麺屋五右衛門側)します。葉山元町交差点を直進し(左手にローソン)、もりと橋を渡って約100メートル直進後右折すると、右側に鳥居が見えてきます。鳥居をくぐってすぐの参道をそのまま直進すると、参道左手に駐車場があります。

最寄りのバス停である「森戸神社」は神社の目の前にあるため、初めて訪れる方でも迷うことなく到着できます。周辺には森戸海岸やカフェ、レストランなども点在しており、参拝とあわせて葉山観光を楽しむことができます。

拝観時間・料金・駐車場情報

森戸神社は24時間参拝可能で、拝観料は無料です。ただし、お札やお守りの授与、御朱印の受付は午前9時頃から午後4時頃までとなっています。授与所の開所時間は予告なく変更される場合があるため、お守りや御朱印を希望される方は事前に電話で確認されることをおすすめします。

境内には参拝者専用の駐車場があり、普通車105台を収容できます。参拝の方は30分まで無料で利用でき、ご祈祷を受ける方や結婚式に参列する方は2時間まで無料となります。平日の駐車場開門時間は午前9時から午後4時までですが、土日祝日や夏季有料営業期間は時間が異なる場合があります。

タイムズ森戸大明神駐車場として運営されており、平日は当日24時まで最大1,100円、休日は最大1,700円の料金設定があります。30分220円の基本料金で、特定期間は料金が変更される場合があります。マイクロバス(定員29名様まで)の駐車も可能ですが、事前連絡が必要です。大型バス(定員30名様以上)の駐車場利用はできません。

祭事等により終日休業する場合があるため、新着情報を事前に確認することをおすすめします。駐車場内では参拝者や他の車両に十分注意し、騒音等周りへの迷惑となる行為は避けましょう。

<住所> 〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内1025

参照サイト

・森戸神社(森戸大明神)公式ホームページ:https://www.moritojinja.jp/

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