
海南神社|相州三浦総鎮守の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
神奈川県三浦市三崎にある海南神社は、三崎港から少し山手に入った静かな森に囲まれた一角に鎮座する、相州三浦総鎮守として千年以上の歴史を誇る古社です。平安時代中期の創建以来、地域の人々に深く愛され続け、源頼朝ゆかりの御神木や、ユネスコ無形文化遺産に登録された「チャッキラコ」で知られる神奈川県屈指のパワースポットとして多くの参拝者が訪れています。
海南神社の概要・基本情報
海南神社は平安中期の982年に創建された古社で、この地を海賊から守ったと伝わる歴史上の人物のほか、全国でも珍しい料理の神様など計十数柱が祀られています。三崎港の商店街から歩いてすぐの場所にありながら、境内は静寂に包まれた神聖な空間を保っています。
歴史と由来
海南神社の主祭神である藤原資盈公は、清和天皇の治世に皇位継承争いに関係した伴大納言善男の謀挙に荷担しなかった為、讒訴で追討の罪を蒙って筑紫の配所に航する途中、暴風に遭遇して貞観6年(864年)11月1日父子3人、郎党53人とともに当地に着岸しました。
その後、資盈公は土地の長に推戴され、房総の海賊を平定し、郷民を教化して特に漁業の知識を開き、文化の礎を築くなどしたため、土地の人々に敬われ、没後に祠を作って祀られました。このことから海南神社は、海上安全や漁業の守り神として信仰を集めるようになりました。
最初に祠が建立されたのは、すぐ近くの花暮海岸と呼ばれる地で、海南神社の本宮として現在は本宮神社が鎮座しています。それから約100年後、現在の地に社殿が建立され、三浦郡の総社となりました。江戸時代の中期には、三浦半島の総鎮守としての地位を確立し、現在に至っています。
祭神とご利益
海南神社の御祭神は、藤原資盈公、盈渡姫、地主大神、天之日鷲命、筌龍弁財天で、相殿に菅原道真公、豊受気比売大神、速須佐之男大神を祀っています。
海上安全・大漁、商売繁盛、金運、子宝・安産・良縁、無病息災、学業成就などのご利益があるとされています。特に食の神様として知られる磐鹿六雁命も祀られており、運気上昇のご利益があるとされ、飲食店や芸能人の方も多く訪れる神社として親しまれています。
「海南(かいなん)」の言葉から頒布する”難を解く”お守りは、「大量(漁)得点」のご利益とされ、スポーツマンは多くの得点を、受験生は難問を解くことを願って身につけるという、地域の特色を活かしたユニークなご利益でも話題となっています。
海南神社の見どころ・特徴
海南神社の境内には、千年を超える歴史が育んだ数々の見どころが点在しています。神奈川県指定重要文化財に指定された建造物群から、源頼朝ゆかりの御神木まで、歴史と自然が織りなす魅力的な空間が広がっています。
建造物・構造の魅力
2011年(平成23年)3月22日、本殿・幣殿・拝殿が神奈川県指定重要文化財(建造物)に指定されました。朱塗りの美しい社殿は、長い年月を経てもなお鮮やかな色彩を保ち、参拝者を迎えています。
境内には神楽殿も設けられており、11月初めの未の日の翌日、翌々日の申、酉の両日に面神楽が神社境内の神楽殿で奉納されます。関東では一般的に里神楽・神代神楽などと称されますが、三崎では面を被ることから「面神楽」と呼ばれ、三浦市指定重要無形民俗文化財として保存されています。
源頼朝お手植えの御神木と龍神社
境内には源頼朝の手植えと伝えられる樹齢800年の大銀杏があり、三浦市指定天然記念物に指定されています。この御神木は雌雄一対となっており、それぞれに特別な意味が込められています。
雌株の方は枝が垂れ下がっており、まるで女性の乳房のようになっており、母乳が出にくい方にご利益があると慕われており、古来より女性が願掛けに触りに来る風習が続いています。一方、雄株は龍神様の形になっており、真冬でも龍神様のたてがみと髭の部分の草は、鮮やかな緑色をしています。
龍神そっくりの枝の下には龍神社が祀られており、紙垂の撒かれているところが首、その先に目のような穴、先端は開いた口と髭に見える自然が生み出した奇跡的な造形として、多くの参拝者が感動を覚える人気のパワースポットとなっています。
境内社と文化財
源為朝をご祭神とする疱瘡神社、三浦七福神の一つである筌龍弁財天、天皇の食膳を司り、日本料理の祖神とされる磐鹿六雁命をご祭神とする相州海南高家神社など、多くの境内社も祀られています。
三浦七福神の筌龍弁財天は、八臂で八本の手を持ち、左手に弓、刀、斧、羂索を、右手に箭、三鈷戟、独鈷杵、輪を持ち、また琵琶を引く、大漁満足、福徳財宝、容色端正、弁智増上、芸能上達等の御神徳を叶える弁財天の女神様として信仰を集めています。
御神木の雌株の近くには子産石があり、良縁、子宝、安産の石として、願いを込めながら子産石に触れると御利益があるとされ、多くの女性が参拝に訪れています。
参拝・拝観案内
海南神社では、古くから伝わる参拝の作法を大切にしながら、現代の参拝者にも親しみやすい環境を整えています。ユネスコ無形文化遺産に登録された伝統行事から、日常的な参拝まで、様々な形で信仰を深めることができます。
参拝作法とマナー
海南神社での参拝は、一般的な神社の作法に従って行います。鳥居をくぐる際は一礼し、参道の中央を避けて歩きます。手水舎で心身を清めた後、拝殿前で二拝二拍手一拝の作法でお参りします。
海の神様、食の神様として知られる海南神社では、海上安全や商売繁盛、学業成就などの祈願が多く寄せられています。特に漁業関係者や飲食業に従事する方々の参拝が多く、それぞれの願いを込めた真摯な祈りが捧げられています。
年中行事・季節のイベント
海南神社で最も有名な行事は、毎年1月15日に行われる「チャッキラコ」です。1976年に国指定重要無形民俗文化財に指定され、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。5歳程~12歳までの少女20人程が踊り、大人の女性10人程が唄う、女性だけで行われてきた民俗芸能として貴重な文化的価値を持っています。
チャッキラコには「ハツイセ」、「チャッキラコ」、「二本踊り」、「よささ節」、「鎌倉節」、「お伊勢参り」の6種類の踊りがあり、当日は午前10時頃本宮の祠前で踊りを奉納、午前10時30分頃海南神社境内の社殿前で踊りを奉納します。
7月の海の記念日の前の土曜、日曜日の2日間には夏例大祭が行われ、江戸時代より挙行されてきた祭礼で、三崎下町一帯で繰り広げられる神輿渡御は、港町らしく江戸時代の伝統を引き継ぎ、行道獅子に続く神輿、山車、木遣りにお囃子と見どころが多く勇壮かつ優雅に行われます。
春には「食の神フェスティバル」も開催され、食の神様を祀る神社らしい賑やかな行事として地域の人々に愛されています。11月初めには面神楽も奉納され、「国固め」で始まり、最後は「岩戸開き」で終わる多くの演目が伝承されています。
御朱印・お守り情報
海南神社では、なんと御朱印が七つもあり、一つの神社で御朱印が七つというのは珍しく、多くの参拝者が驚きながらも喜んで複数の御朱印を受けています。これは境内に祀られている多くの神様それぞれの御朱印を頂けるためです。
海南神社では、神社のご由緒に因んだ海上安全のお守りをはじめ、学業成就、厄災除・開運、健康・病気平癒、子宝・安産、良縁など、さまざまな願意の授与品をご用意しています。
特に人気なのは、「海南(かいなん)」の言葉から頒布する”難を解く”お守りで、「大量(漁)得点」のご利益とされ、スポーツマンは多くの得点を、受験生は難問を解くことを願って身につけるというユニークなお守りです。
境内には地元の名物「三崎のマグロ」をモチーフとした像や鮪みくじなどユーモアあふれる仕掛けもあり、参拝の記念として多くの方に愛されています。
アクセス・利用情報
海南神社は三崎港からほど近い立地にあり、公共交通機関でも自家用車でもアクセスしやすい場所に位置しています。三浦半島観光の拠点としても最適な立地です。
交通アクセス
京浜急行「三崎口駅」からバスで約20分、2番乗り場より「城ヶ島行き」or「通り矢行き」or「浜諸磯行き」に乗り20分ほど、「三崎港」バス停で下車し、徒歩3分です。
三崎港バス停から海南神社までは、三崎銀座商店街を通る約3分の道のりで、商店街散策も楽しめます。城ヶ島や三崎漁港の観光と合わせて参拝される方も多く、三浦半島観光の重要なスポットとなっています。
電車とバスを利用する場合、京急線の終点近くまで行くため、都心からは少し時間がかかりますが、三浦半島の美しい景色を楽しみながらの移動となります。
<住所> 〒238-0243 神奈川県三浦市三崎4-12-11
拝観時間・料金・駐車場情報
海南神社の参拝は基本的に24時間可能ですが、御朱印や授与品については社務所の開いている時間内での対応となります。詳細な受付時間については事前に確認することをおすすめします。
参拝料は無料で、どなたでも自由にお参りいただけます。御祈祷を希望される場合は、事前に社務所までお問い合わせください。
境内に10台ほど停められる駐車場があります。特別な日でなければ、問題なく駐車できるかと思います。ただし、チャッキラコや夏例大祭などの大きな行事の際は、多くの参拝者や見学者が訪れるため、公共交通機関の利用をおすすめします。
境内の手前には「海南テラス」というカフェがあり、神主さんの奥様が参拝客の方が足を休める場所を作りたいという思いで始めたもので、ご神水コーヒーやご神水甘酒など神社ならではのメニューも楽しめます。参拝の前後にゆっくりと過ごすことができる憩いの場として親しまれています。
参照サイト
・相州三浦総鎮守 海南神社 公式ホームページ:https://kainan.sakura.ne.jp/