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鶴岡八幡宮|由緒ある鎌倉の守護神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

鶴岡八幡宮|由緒ある鎌倉の守護神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

神奈川県鎌倉市に鎮座する鶴岡八幡宮は、源頼朝公ゆかりの歴史ある神社として、全国から多くの参拝者が訪れる鎌倉のシンボル的存在です。武運の神として親しまれ、勝運向上や安産祈願など様々なご利益があることで知られています。境内には国指定重要文化財の美しい社殿をはじめ、歴史を物語る数々の見どころが点在し、古都鎌倉の魅力を存分に感じることができます。

鶴岡八幡宮の概要・基本情報

鶴岡八幡宮|由緒ある鎌倉の守護神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

鶴岡八幡宮は、神奈川県鎌倉市雪ノ下にある八幡宮で、11世紀後半に源氏の守り神として創建されました。現在は鎌倉幕府の初代将軍源頼朝ゆかりの神社として関東方面で高い知名度を誇り、境内は国の史跡に指定されています。また、全国一の宮会に加盟しており、相模国の一宮と扱われることもあります。

歴史と由来

鶴岡八幡宮の歴史は、1063年(康平6年)に源頼義が平忠常を打ち取ったことを喜び、京都の石清水八幡宮の分霊をひそかに勧請し、由比ガ浜辺り(現在の由比若宮のある場所)にお祀りした鶴岡宮に始まります。

それから約120年後の1180年(治承4年)、頼義の5代後にあたる源頼朝が鎌倉に入った時、祖宗を崇めるために鶴岡宮を小林郷の北の山(現在の下拝殿付近)に社をかまえて遷座しました。1191年(建久2年)に火災にあいましたが、頼朝は後ろの山の中腹を切開し、あらためて石清水八幡宮の分霊を勧請して装いを新たに鶴岡八幡宮を創建し、現在の上下両宮の姿となりました。

鶴岡八幡宮は鎌倉武士の精神的団結の拠点であり、幕府の重要な政策はそこで神意を問う形で実施されました。その後も時代を超えて武家政権から篤い崇敬を受け、江戸時代には徳川家康も復興・保護に力を注ぎました。

祭神とご利益

鶴岡八幡宮の祭神は応神天皇(第15代天皇)、比売神(宗像三女神)、神功皇后(第14代仲哀天皇の皇后)の3柱で、「八幡神」と総称されます。

ご利益としては勝運向上・出世開運・安産祈願・家内安全・交通安全・学業成就などがあります。特に八幡神は武運の神として武家に篤く信仰されてきたことから、勝利祈願や必勝祈願に強いご利益があるとされています。また、神功皇后が身籠っている時に戦に遠征し、その後無事に出産したことから安産、子育てにもご利益があるとされています。

鶴岡八幡宮の見どころ・特徴

鶴岡八幡宮|由緒ある鎌倉の守護神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

鶴岡八幡宮の境内には歴史と文化を感じさせる数々の見どころが点在しており、参拝者を魅了し続けています。美しい建造物から自然豊かな庭園まで、古都鎌倉の魅力を存分に味わうことができます。

本宮(上宮)と若宮(下宮)の美しい建造物

鶴岡八幡宮は、大臣山の中腹に位置する本宮(上宮)と大石段の下に位置する若宮(下宮)があり、上下両宮の形態をとっています。現在の本殿は文政11年(1828年)江戸幕府11代将軍徳川家斉により再建されたもので、摂社若宮と共に国の重要文化財に指定されています。

舞殿(下拝殿)は、源義経の愛妾であった静御前が義経を想う舞を納めたとされる廻廊跡に建っており、現在も「鎌倉まつり」ではそれにちなんだ「静の舞」が行われます。舞殿の向こう側には61段の大石段があり、石段から鎌倉市街の方を見渡すと、天気次第ではその先の太平洋や伊豆大島まで見えるそうです。

鶴岡八幡宮は両宮ともに流権現造で、朱塗りに極彩色の装飾が山の緑に映え、非常に美しいものです。楼門には八幡様の使いである鳩をかたどった扁額があり、よく見ると「八」の文字が鳩の形になっているのが分かります。

源平池と自然豊かな境内の魅力

源平池は、鶴岡八幡宮の境内入り口近くにあるふたつの大きな池で、三の鳥居から本宮の方向を向いて右手にあるのが「源氏池」、左手にあるのが「平家池」です。源氏池には3つの島がありますが、これは「産」にかけて源氏の繁栄を願う意味があり、一方の平家池には4つの島があり、これは「死」の象徴として平家の滅亡を願う意味があるといわれています。

大石段を登る前に注目してほしいのが、大石段に向かって左手にある切り株で、「親銀杏」と呼ばれるこの切り株は、鶴岡八幡宮のご神木だった大銀杏の名残です。かつては神奈川県の天然記念物に指定されていた貴重な木で、樹齢は1,000年ともいわれていました。残念ながら大銀杏は2010年3月に強風のため倒れしまいましたが、残った幹の部分は親銀杏として元の木のすぐ脇に移植されており、根の部分から生えてきたひこばえは「子銀杏」として育てられています。

文化財・重要な所蔵品

鶴岡八幡宮には太刀3口(各銘相州住綱広、綱家作、康国作)・桐鳳凰蒔絵糸巻太刀拵3口をはじめとする国宝・重要文化財があり、建造物以外の大部分は鎌倉国宝館に寄託されています。

境内には全部で8つの摂社・末社があり、そのうち7つが境内にあります。特に注目すべきは白旗神社で、源頼朝公と実朝公をお祀りしており、源氏の家紋である笹竜胆が配されています。鶴岡八幡宮で最も古い室町期の建物である丸山稲荷社は、社殿が商売繁昌を祈願する方から奉納された赤い旗で囲まれており、本殿は重要文化財に指定されています。

参拝・拝観案内

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鶴岡八幡宮での参拝は、古来より伝わる作法に従って行うことで、より深い精神的な体験を得ることができます。800年余りにわたって継承されてきた伝統祭事や現代的な授与品まで、参拝者のさまざまな願いに応える体制が整っています。

参拝作法とマナー

鶴岡八幡宮での参拝は、一般的な神社参拝の作法に従って行います。まず手水舎で心身を清め、参道の中央を避けて歩くことが基本的なマナーです。二礼二拍手一礼の作法で参拝し、願い事は心の中で静かにお祈りします。

開門時間は6:00~20:00で、神符守札授与所は8:30~17:00、ご祈祷と御朱印受付は8:30~16:30となっています。拝観料は無料ですが、宝物殿の見学は200円が必要です。境内は車椅子の無料貸し出しや多目的トイレ、授乳室・おむつ替えシートも完備されており、バリアフリーに配慮されています。なお、ペット(犬、猫など)の同伴はできませんのでご注意ください。

参拝の際は、特に早朝の時間帯がおすすめです。朝の凛とした空気の中、すがすがしい気持ちで参拝できる時間帯として多くの参拝者に親しまれています。

年中行事・季節のイベント

鶴岡八幡宮では1年を通じて多くの祭りをとり行い、800年余り継承されてきた伝統祭事が営まれています。最も有名なのは9月に行われる例大祭で、例祭日は9月15日となっています。

特に注目すべきは流鏑馬神事で、これは源頼朝が鎌倉武士の鍛錬のために始めたとされる伝統行事です。馬で駆けながら的を射抜く勇壮な神事は現在でも行われており、多くの見物客が訪れます。

春には桜、秋には紅葉と四季折々の自然美も楽しめ、特に春分と秋分には祖霊社において氏子崇敬者の祖霊と護国の英霊を偲ぶ例祭が営まれます。初詣の期間(大晦日及び正月三が日)は24時間参拝可能となり、全国有数の人出で賑わいます。

御朱印・お守り情報

鶴岡八幡宮では、参拝の証である御朱印をいただくことができ、鶴岡八幡宮と境内にある旗上弁財天社の2種類があります。御本殿の前、大石段下の受付、旗上弁財天社の授与所で頒布されており、直書きと書き置きが選べます。初穂料はそれぞれ500円で、オリジナルの御朱印帳も用意されています。

お守りについては、鶴岡八幡宮の名に因んだ鶴に八幡様のおちからを折り込めた御守りや、親銀杏の木の枝を入れた再生と生命力のパワーを込めた御守りが人気です。八幡神の使いとして崇められてきた鳩をモチーフにした、可愛らしい愛嬌のあるお守りもあり、金・銀・白の3カラーがあります。

流鏑馬のイラストが入ったお守りは「流鏑馬で的を射るが如く、願いのど真ん中を射抜けるように」という意味が込められており、就職や仕事運の向上祈願のご利益があるとされています。境内ではおみくじも引くことができ、鳩みくじ、開運・招福お守り入りおみくじ、えんむすびおみくじなど複数の種類が用意されています。

アクセス・利用情報

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鶴岡八幡宮は鎌倉の中心部に位置し、電車でも車でもアクセスしやすい立地にあります。周辺には小町通りなどの観光スポットも多く、鎌倉観光の起点としても最適な場所です。

交通アクセス

最寄り駅はJR横須賀線・JR湘南新宿ラインの「JR鎌倉駅」東口から徒歩10分、江ノ島電鉄「江ノ電鎌倉駅」からも徒歩10分です。また、鎌倉駅、本郷台駅、大船駅、上大岡駅などから路線バスも出ており、八幡宮か鎌倉八幡宮前、もしくは八幡宮裏のバス停で下車します。

車でお越しの場合は、横浜横須賀道路(旭横須賀道路)の朝日奈ICから、県道204号線を鎌倉方面から約5kmです。

鶴岡八幡宮の参道である若宮大路は、由比ヶ浜から八幡宮まで鎌倉の中心をほぼ南北に貫いており、京の朱雀大路を模して源頼朝が自らも加わり築いたものです。二の鳥居からは段葛と呼ばれる車道より一段高い歩道があり、お時間があれば由比ヶ浜の一ノ鳥居から歩いてみるのもおすすめです。由比ヶ浜から鶴岡八幡宮までは約2kmほどの距離となります。

拝観時間・料金・駐車場情報

拝観時間は通年で6:00~20:30となっており、朝早くから夜まで参拝が可能です。拝観料は無料ですが、宝物殿の見学には200円が必要です。年中無休で開門しており、初詣の期間(大晦日及び正月三が日)は24時間参拝可能となります。

駐車場については、境内に専用駐車場(有料・普通車40台)が用意されています。大型バスのご利用に限り、ホームページからのご予約を受け付けており、ご予約が可能な期間は当月および向こう3ヶ月先までとなります。専用駐車場が満車の場合は、周辺にタイムズなどの時間貸し駐車場も複数あります。

混雑する時期としては、正月の初詣期間、春の桜の季節、秋の紅葉の季節、ゴールデンウィークなどが挙げられます。これらの時期は特に多くの参拝者で賑わうため、時間に余裕を持った参拝をおすすめします。所要時間は境内をじっくり巡る場合で1~2時間程度を見込んでおくとよいでしょう。

<住所> 〒248-8588 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31

参照サイト

・鶴岡八幡宮 公式ホームページ:https://www.hachimangu.or.jp/

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