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北海道神宮|由緒ある神宮の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

北海道神宮|由緒ある神宮の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

北海道神宮は、北海道札幌市中央区にある神社で、1964年(昭和39年)までは札幌神社と呼ばれていました。明治2年に明治天皇の詔により開拓三神を祀ったことを創祀とし、現在は四柱の神を祀る北海道の総鎮守として、道内外から多くの参拝者が訪れています。緑豊かな6万坪の境内には桜の名所としても知られ、春には約1,400本の桜と約250本の梅が同時に開花する美しい光景を楽しむことができます。

北海道神宮の概要・基本情報

北海道神宮の概要・基本情報

北海道神宮は、明治初期の北海道開拓とともに歩んできた歴史ある神宮です。円山公園に隣接する緑豊かな境内は、北海道の発展を見守り続けてきた神々が鎮座する神聖な場所として、多くの人々に親しまれています。

歴史と由来

明治2年(1869年)、当時「蝦夷地」と呼ばれていた北海道が正式に「北海道」と改称されたのと同年の9月1日、明治天皇の詔により東京の神祇官において、北海道の開拓・発展の守護神として開拓三神を祀る「北海道鎮座神祭」が斎行されました。これが北海道神宮の創祀とされています。

御霊代(神様が宿った依代)は開拓長官東久世通禧に奉じられ、東京から函館へ、そこから開拓判官島義勇がこれを奉じて札幌の地に入りました。明治3年5月には現在の北二条東1丁目の仮社殿に遷座し、翌明治4年5月には社名が「札幌神社」と定められました。

同年9月、現在の鎮座地である円山の地に社殿が完成し遷座祭が行われました。その後、昭和39年(1964年)に明治天皇を御増祀し、社名も「北海道神宮」と改称され、今日に至っています。

昭和49年(1974年)11月10日に何者かによる放火で本殿・祝詞殿・内拝殿などが全焼しましたが、4年後の昭和53年(1978年)に再建され、現在の社殿となっています。

祭神とご利益

北海道神宮には四柱の神様が祀られています。開拓三神と呼ばれる大国魂神(おおくにたまのかみ)、大那牟遅神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)に加え、明治天皇が御増祀されています。

開拓三神はそれぞれ異なる神徳を持ちます。大国魂神は国土の守護神として、大那牟遅神(大国主命の別名)は国造りの神として、少彦名神は医薬や農業の神として信仰されています。これらの神々は北海道の開拓・発展を守護する役割を担っており、現在でも多くの人々が様々な願いを込めて参拝に訪れます。

御利益としては、開拓・発展にちなんで事業成功や商売繁盛、金運上昇をはじめ、縁結び、家内安全、厄除け、学業成就、交通安全など多岐にわたります。特に北海道の発展を見守り続けてきた神々として、新しい挑戦や人生の転機を迎える方々からの信仰を集めています。

北海道神宮の見どころ・特徴

北海道神宮の見どころ・特徴

北海道神宮の魅力は、その歴史的価値だけでなく、四季折々の美しい自然と調和した境内の景観にもあります。約6万坪という広大な敷地には、本殿をはじめとする荘厳な建造物と、豊かな自然が織りなす神聖な空間が広がっています。

建造物・境内の魅力

現在の社殿は昭和53年に再建されたもので、神明造の美しい建築様式を採用しています。朱塗りの鮮やかな色彩と、周囲の緑とのコントラストが印象的で、神々しい雰囲気を醸し出しています。

境内には大小5つの鳥居があり、それぞれ異なる意味とご利益があるとされています。参道入口から700m以上離れた場所にある第一鳥居は約19mもの高さがあり、道路をまたぐように建てられた巨大な鳥居として圧倒的な存在感を誇ります。

北海道神宮の社務所前には、小さな石が長い年月をかけて岩石となった「さざれ石」があります。天然記念物に指定されている岐阜県春日村産と、北海道日高沙流川産ヒスイ系の2つの石を見ることができ、参拝者の関心を集めています。

自然・景観の美しさ

北海道神宮の境内は自然豊かで、野生のエゾリスが顔を出すこともある貴重な環境です。春になると約1,400本の桜と約250本の梅が同時に開花し、花見客で賑わいを見せます。

境内の桜は、北海道開拓の祖と言われる島義勇の鎮魂のため1875年に献植されたことが始まりで、1900年頃からは札幌市民の花見スポットとして定着しました。ゴールデンウィーク中は屋台も並び、たくさんの人で賑わい、ほぼ同時に開花する桜と梅の競演を楽しむことができます。

円山の麓という立地も魅力の一つで、境内からは札幌市街を見下ろすことができ、特に秋の紅葉時期や雪化粧した冬の景観は格別の美しさです。四季を通じて異なる表情を見せる境内は、参拝だけでなく散策や写真撮影の場としても人気を集めています。

境内社とその特徴

北海道神宮の境内には、本殿のほか3つの境内社があります。開拓神社、鉱霊神社、穂多木神社がそれぞれ異なるご利益で参拝者を迎えています。

特に注目すべきは開拓神社で、北海道を命名した松浦武四郎をはじめ、開拓に尽力した37柱の神々が祀られています。1938年(昭和13年)に開道70周年を機に北海道庁長官石黒英彦によって創建され、1988年(昭和63年)には鎮座50周年に新たな拝殿が造営されました。

開拓神社は特に強力なパワースポットとして人気で、心血を注いで北海道開拓に尽力した先人の苦労を偲び、功績を永く伝えるために建立されました。仕事運や勝負運が上がるとされ、数多くの経営者などが参拝に訪れています。

鉱霊神社は北海道鉱業界の殉職者を祀り、穂多木神社は北海道拓殖銀行物故者御霊を祀っています。これらの境内社は、北海道の発展に尽くされた方々への感謝の意を込めて建立されており、それぞれの歴史と意義を持って参拝者を迎えています。

参拝・拝観案内

参拝・拝観案内

北海道神宮は北海道を代表する神社であり、道内屈指のパワースポットといわれています。地元の住民から観光客まで、年間を通して参拝客が訪れることはもとより、広い境内を散策して四季の風景を楽しんだり、茶屋で甘味をいただきながら一休みしたりと、さまざまな楽しみ方があります。

参拝作法とマナー

神社への参拝には基本的な作法があります。まず鳥居をくぐる際は一礼し、参道は中央を避けて歩きます。手水舎で手と口を清めてから本殿へ向かいましょう。

本殿での参拝は「二拝二拍手一拝」が基本です。賽銭箱にお賽銭を入れた後、深く二回お辞儀をし、胸の前で手を合わせて二回拍手を打ちます。その後、心を込めて祈願し、最後に深く一礼して終了です。

境内は神聖な場所ですので、大きな声での会話や携帯電話での通話は控えめにしましょう。写真撮影は可能ですが、本殿内部や他の参拝者への配慮を忘れずに行ってください。また、自然豊かな境内では野生動物との遭遇もありますが、餌を与えたり追いかけたりせず、静かに見守るようにしましょう。

年中行事・季節のイベント

毎年6月14日から16日にかけて行われる「北海道神宮例祭」は、通称「札幌まつり」とも呼ばれ、札幌の初夏を告げる風物詩として市民に親しまれています。明治5年(1872年)から始まり、神輿渡御は明治11年(1878年)から開始され、戦時中の二度の中止以外は脈々と続く北海道で最も歴史ある祭りの一つです。

神輿の渡御は、時代装束に身を包んだ約1600名による盛大な行列となり、四基の鳳輦と九台の山車が市民の安寧を祈願しながら市中を練り歩きます。この期間中は多くの露店も出店し、祭りの雰囲気を盛り上げます。

春の桜まつりは4月下旬から5月上旬にかけて開催され、桜と梅が同時に咲く珍しい光景を楽しむことができます。ゴールデンウィーク期間中は花見客で大変賑わい、露店も多数出店します。

年末年始には初詣客で境内が埋め尽くされ、正月三が日で約70万人の参拝者が訪れます。古神札焼納祭(どんと焼き)も1月14日に行われ、一年間お守りいただいたお札やお守りをお焚き上げします。

開拓神社では8月15日に例祭が執り行われ、開拓神社大神輿は2年に一度、市内中心部を渡御します。また、七五三は北海道の気候に合わせて10月に実施する地域が多く、境内では多くの家族連れの姿を見ることができます。

御朱印・お守り情報

北海道神宮では多種多様な御朱印とお守りを授与しています。御朱印は参拝した証として祈祷受付所でいただくことができ、初穂料は300円です。北海道神宮オリジナルの御朱印帳も用意されており、社殿がデザインされた美しい御朱印帳は初穂料1300円で、印も一緒にいただくことができます。

お守りの種類も豊富で、交通安全や病気平癒、安産守や学業守などさまざまなご利益のあるものが揃っています。身に付けやすいストラップや根付、キーホルダー型のお守りも人気です。特に開拓神社では仕事運や勝負運にご利益があるとされるお守りが人気を集めています。

絵馬も干支を描いたものからキャラクターものまで豊富に用意されており、お願い事を書いて境内に結び付けることができます。祈願札は「御礼」「恋愛成就」「心願成就」「受験合格」「家内安全」「商売繁昌」「厄除開運」「身体健全」「病気平癒」の9種類があり、初穂料300円でお札をいただき、名前と年齢を書いて納めれば、年1回の例祭の時にお焚き上げをしていただけます。

12月1日からは破魔矢、鏑矢、熊手、絵馬などの初詣ならではの授与品も扱っており、1月1日からはよりそい土鈴、えと鈴、すかし彫り、刀彫の授与もスタートします。

アクセス・利用情報

アクセス・利用情報

北海道神宮へのアクセスは公共交通機関と自家用車の両方で便利です。札幌市内中心部から比較的近い立地にありながら、豊かな自然に囲まれた静寂な環境を保っています。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、最寄り駅は札幌市営地下鉄東西線の円山公園駅です。駅から徒歩約15分で境内に到着します。円山公園を経由するルートは自然を楽しみながら歩くことができ、特に春の桜シーズンや秋の紅葉時期には美しい景色を堪能できます。

円山公園駅からはJRバスも利用できます。円15・円16・循環西20・21系統の「北海道神宮」バス停で下車すれば、徒歩約4分で境内に到着します。バスは本数も多く、天候の悪い日や歩行に不安のある方には便利です。

JR札幌駅からのアクセスは、まず札幌地下鉄南北線「さっぽろ駅」へ徒歩で移動し、「大通駅」で地下鉄東西線に乗り換えて「円山公園駅」で下車するのが一般的なルートです。所要時間は乗り換え時間を含めて約20分程度です。

新千歳空港からは、快速エアポートでJR札幌駅まで約40分、そこから地下鉄を利用して約20分で到着できます。

タクシーを利用する場合、JR札幌駅から約15分、料金は交通状況によりますが1500円から2000円程度が目安です。

拝観時間・料金・駐車場情報

北海道神宮の拝観料は無料です。開閉時間は季節によって異なりますので、訪問前に確認することをおすすめします。

開門時間は以下の通りです。4月から10月までは朝6時から夕方17時まで、11月から12月は朝7時から夕方16時まで、1月8日から2月は朝7時から夕方16時まで、3月は朝7時から夕方17時までとなっています。

年末年始の12月31日から1月7日は開門時間が変更されるため、公式サイトで詳細を確認してください。また、閉門時間は変動する場合があります。

授与品の受付時間は通年で朝9時から閉門まで行っています。御朱印や お守り、祈願などを希望される方はこの時間内に社務所を訪れてください。

駐車場は西駐車場と南1条駐車場の2つがあり、合計約130台駐車可能です。通常期間は最初の1時間無料、それ以降は1時間毎に500円の料金がかかります。

12月31日の閉門後から1月7日の期間は、整理料として一台につき500円(2時間まで、以降1時間ごとに500円)が必要です。駐車場利用可能時間は、1月2日から3日は朝6時30分から閉門まで、1月4日から7日は朝7時から閉門まで、通常日は朝9時から閉門までとなっています。

年末年始や例祭期間、桜の開花時期などは駐車場が混雑しますので、公共交通機関の利用をおすすめします。身体に障害のある方や高齢者の方のための障害者用駐車スペースも設けられています。

<住所> 〒064-0959 北海道札幌市中央区宮ケ丘474

参照サイト

・北海道神宮 公式ホームページ:http://www.hokkaidojingu.or.jp/
・北海道神宮頓宮 公式サイト:https://tongusan.jp/

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