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岩木山神社|由緒ある津軽一宮の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

岩木山神社|由緒ある津軽一宮の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

津軽富士と呼ばれる美しい岩木山のふもとに鎮座する岩木山神社は、約1200年の歴史を誇る津軽地方最古の神社です。「お岩木さま」として地元の人々に親しまれるこの神社は、豪華絢爛な社殿群と霊峰への信仰が織りなす独特の魅力を持ちます。

岩木山神社の概要・基本情報

岩木山神社|由緒ある津軽一宮の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

岩木山神社は青森県弘前市百沢字寺沢に位置し、津軽国一宮として古くから厚い信仰を集めてきました。津軽藩主の庇護のもとで造営された社殿群は、その美しさから「奥の日光」とも称されています。現在も農業・漁業・商工業の守護神として、また開運招福の神として多くの参拝者が訪れる青森県を代表する神社の一つです。

歴史と由来

岩木山大神は太古より神霊岩木嶺にお鎮まりになられ、今から約1200年前、宝亀11年(780)に社殿を山頂に創建したのが当社の起りであります。この岩木山神社の歴史は、霊峰岩木山への山岳信仰から始まりました。

延暦19年(800)に、征夷大将軍 坂上田村麿がこれを再建し、別に山麓である十腰内の里に下居宮を建立して、山頂を奥宮と称し、寛治5年(1091)神宣により、下居宮を現在地に奉遷いたしました。この遷宮により、現在の場所に岩木山神社が鎮座することとなりました。

江戸時代には津軽藩主の篤い信仰により大規模な造営が行われました。江戸時代初期から元禄時代にかけて代々の弘前藩主が造営・寄進したもので、楼門、拝殿、岩木山神社1括4棟(本殿、奥殿、瑞垣、中門)が重要文化財に指定されている状況です。特に津軽藩主為信、信牧、信義、信政による造営により、現在見ることができる荘厳な社殿群が完成しました。

明治時代の神仏分離令により寺院部分は廃止され、津軽総鎮守として岩木山神社が確立しました。明治6年(1873年)、国幣小社に列格されたことで、その格式の高さが公に認められることとなりました。

祭神とご利益

岩木山神社には5柱の神様が祀られており、これらを総称して「岩木山大神」と呼ばれています。顕國魂神(うつしくにたまのかみ)、多都比姫神(たつひひめのかみ)、宇賀能賣神(うがのめのかみ)、大山祇神(おおやまづみのかみ)、坂上刈田麿命(さかのうえのかりたまろのみこと)の5柱です。

顕國魂神は大己貴命の別名で、出雲大社の主祭神としても知られる縁結びの神様です。多都比姫神は宗像三女神の一柱で、財宝神として信仰されています。宇賀能賣神は稲荷神として広く知られる五穀豊穣の神、大山祇神は山の神として崇敬され、坂上刈田麿命は征夷大将軍坂上田村麻呂を神格化した神様です。

これらの神様により、岩木山神社は開運招福、縁結び、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全など幅広いご利益があるとされています。農業・漁業・商工業・医薬・交通関係、とりわけ開運福の神として、色々の宗派を超え、深い信仰の源として厚く崇敬されております。

岩木山神社の見どころ・特徴

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岩木山神社の最大の特徴は、一の鳥居から岩木山山頂の奥宮まで一直線に配置された境内の構造です。この配置により、参拝者は岩木山のパワーを直接受けることができるとされています。社殿群の豪華さと自然の美しさが調和した境内は、訪れる人々に深い感動を与えます。

建造物・構造の魅力

岩木山神社の社殿群は、その豪華絢爛さから「奥の日光」と称されています。社殿は、神仏習合の時代の名残りをとどめ、鎌倉時代以後の密教寺院の構造がみられる中に、桃山時代の様式を思わせる色とりどりの絵様彫刻がみられ、そうした外観が日光の東照宮を思わせるとして、「奥日光」と呼ばれるに至たものです。

特に本殿は圧巻の美しさを誇ります。元禄7年(1694年)四代藩主・信政により建立三間社流造銅瓦葺。全面黒漆塗、随所に金箔押し、彫刻類は全て極彩色が施され飾金具が多用されている。屋根は正面に軒唐破風、千鳥破風で、正面庇柱には昇り龍・降り龍が付けられた豪華絢爛な建物であるとの記録が残されています。

楼門も見どころの一つで、津軽藩二代藩主信枚により寛永5年(1628年)に建立されました。参道の石段下から仰ぎ見る楼門の姿は圧倒的な存在感を放ち、訪れる人々に深い印象を与えます。

境内には特徴的な狛犬も配置されています。参道を進み、階段を上ったところにある「2体の狛犬」が有名で、上向きの狛犬は金運アップ、下向きの狛犬は恋愛運アップの御利益があるとされいます。この狛犬は1694年の建立で300年以上の歴史を持ち、パワースポットとして親しまれています。

自然・景観の美しさ

岩木山神社の魅力は建造物だけではありません。岩木山を望む鳥居から本殿までの長い参道は、杉木立に囲まれています。この参道は季節ごとに異なる表情を見せ、春には新緑、秋には紅葉が美しく、冬には雪景色が厳かな雰囲気を演出します。

境内には三つ首の龍の形をした手水舎があり、この龍神様の口から湧き出る水は岩木山からの湧き水です。手を清めるだけでなく、飲むこともできますので、ぜひ水のパワーを体中に取り込んでみてください。子宝のご利益があるそうとされており、多くの参拝者が訪れます。

また、入ってすぐの白い鳥居(二の鳥居)をくぐったら、右側に注目してください。そこには「五本杉」といわれる大きな神木があるはずです。この五本杉は1つの木から幹が5本に分かれて伸びており、岩木山神社に祀られている5柱の神様を表しているとも言い伝えられています。

重要文化財・県重要文化財

岩木山神社には数多くの文化財が保存されています。国の重要文化財として指定されているのは、本殿、奥門、瑞垣、拝殿、中門、楼門の6棟です。これらはすべて江戸時代初期から元禄時代にかけて津軽藩主により造営されたもので、当時の技術の粋を集めた建造物群として高く評価されています。

県の重要文化財として指定されているものには、釣燈籠、日本刀、木造舞楽面、社務所などがあります。特に釣燈籠は六角の釣燈龍で、銅板に金を鍍金した金銅に花紋が透彫されている。稜と呼ばれる6本の柱部分に銘文が刻まれ、三上盛介が施主で、鼻和郡大浦郷の西勝院・弘信法師が願を立て永正14年(1517年)8月に奉納したとあるもので、500年以上前の貴重な工芸品です。

社務所は弘化2年(1845年)建立の入母屋造、茅葺屋根の建物で、藩主の参詣を想定して建てられました。御座の間を中心とした格式ある造りで、当時の建築技術の高さを物語っています。

参拝案内

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岩木山神社への参拝は、霊峰岩木山への信仰と深く結びついています。一般的な神社参拝とは異なる独特の雰囲気を持つこの神社では、自然のパワーと神々への敬意を込めて参拝することが大切です。境内は右側通行を推奨しており、手水舎での清めを経て参拝することができます。

参拝作法とマナー

岩木山神社における参拝方法は他の多くの神社でも基本となっている「二拝二拍手一拝」です。まず一の鳥居をくぐる際には一礼し、参道は中央を避けて歩きます。岩木山神社では右側通行を推奨しているため、右手にある手水舎で手と口を清めてから参拝するとスムーズです。

手水舎では三つ首の龍神様からの湧き水で身を清めます。この水は岩木山からの恵みであり、子宝のご利益があるとされています。手を清めるだけでなく、飲むこともできるため、神々のパワーを体に取り込むことができます。

拝殿前では、賽銭を納めてから二拝二拍手一拝の作法で参拝します。岩木山神社は開運招福、縁結び、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全など様々なご利益があるとされているため、心を込めて祈願しましょう。

参拝の際は、狛犬にも注目してください。上向きの狛犬は金運アップ、下向きの狛犬は恋愛運アップのご利益があるとされており、それぞれに手を合わせる参拝者も多くいます。

お山参詣(重要無形民俗文化財)

岩木山神社の最も重要な祭事が「お山参詣」です。旧暦8月1日を中心に行われるこの行事は、国の重要無形民俗文化財に指定されており、津軽地方最大の秋祭りとして親しまれています。

お山参詣は、五穀豊穣の感謝と祈願をこめ、山頂奥宮に村落毎に団体で登拝する古くからの行事です。登拝に先立ち、各村々の産土神の社に1週間精進潔斎し、新しい白装束に身を固め、登拝回数に応じ色とりどりの御幣を持ちます。

参加者は「サイギ、サイギ」の掛け声を響かせながら、登山囃子が響く中、岩木山神社を目指します。神域の禊所で再び身を清め、神前で修祓を受けて、夜半に至り朔日山の朝日を拝すべく元気に奥宮に向い登山します。

現在では登拝のためにスカイラインも開通しており、多くの参拝者が津軽の伝統的な信仰行事に参加することができます。お山参詣の期間中は、麓の岩木山神社でも数々のイベントが催され、屋台も並び賑やかな光景となります。

御朱印・お守り情報

岩木山神社では美しい御朱印をいただくことができます。御朱印は境内左側の授与所で受けることができ、神社巡りをする参拝者に人気があります。御朱印帳の持参をおすすめしますが、岩木山神社オリジナルの御朱印帳も販売されています。

お守りについては、家内安全、商売繁盛、縁結び、健康祈願など、様々な種類が用意されています。特に縁結びや商売繁盛のお守りは多くの参拝者に人気があります。また、開運招福のお守りは岩木山神社の代表的なご利益を表すものとして特におすすめです。

岩木山神社神札として、岩木山大神のお札も頒布されています。岩木山は「お岩木様」と呼ばれ、祖霊の鎮まる山と信じられて、津軽の人々の信仰を集めてきた霊山です。これらの授与品について詳細は公式サイトをご確認ください。

アクセス・利用情報

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岩木山神社は青森県弘前市の中心部から車で約30分の場所に位置しています。公共交通機関でのアクセスも可能ですが、自然豊かな環境にあるため、車でのアクセスが便利です。神社周辺には駐車場も完備されており、四季を通じて参拝することができます。

交通アクセス

電車とバスでのアクセスは、JR奥羽本線弘前駅が最寄り駅となります。弘前駅前6番のりばより弘南バス「岩木庁舎線・岩木山線(高岡経由)」で「岩木山神社前」下車となります。バスの所要時間は約40分で、バス停から神社までは徒歩約3分です。

車でのアクセスは、東北自動車道大鰐弘前ICより約50分、青森空港より約1時間10分、東北新幹線新青森駅より約1時間20分となっています。弘前市中心部からは約30分でアクセス可能です。

岩木山神社へのルートは比較的分かりやすく、岩木山方面への道路標識に従って進むことができます。神社周辺は自然豊かな環境が広がっており、ドライブを楽しみながら参拝することができます。

青森県内の他の観光スポットとのアクセスも良好で、弘前城や十和田湖、白神山地などとの周遊観光も可能です。観光の合間に訪れることも容易で、青森県観光の重要なスポットの一つとなっています。

参拝時間・料金・駐車場情報

岩木山神社の参拝時間は季節により異なります。4月から10月までは午前8時から午後5時まで、11月から3月までは午前8時30分から午後4時までとなっています。ただし、授与所の開放時間については変更になる場合があるため、公式サイトやSNS等で最新情報をご確認ください。

参拝料は無料です。境内への立ち入りに料金はかかりませんが、御朱印やお守りなどの授与品については別途料金が必要となります。

駐車場は神社正面に無料駐車場が完備されています。普通車であれば十分な台数を収容可能ですが、祭事の日は混雑するため、公共交通機関の利用をおすすめします。特にお山参詣の期間中は大変混雑するため、早めの到着を心がけてください。

初詣の時期も多くの参拝者で賑わいます。時間に余裕をもって参拝するようにし、防寒対策をしっかりと行って訪れることをおすすめします。

<住所> 〒036-1343 青森県弘前市百沢字寺沢27

参照サイト

・北門鎮護 岩木山神社 公式ホームページ:https://iwakiyamajinja.or.jp/

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