伝統の火を日常に灯す!大森和蝋燭屋
入浴や瞑想、ストレッチなど、セルフケアの時間にキャンドルを活用する方が増えています。
キャンドルに興味はあるけれど、何を選ぶべきかわからない方も多いのではないでしょうか。
火を灯すライフスタイルを取り入れたい方におすすめなのが、日本の伝統技術と自然の恵みが織りなす和蝋燭です。
今回は、愛媛県の内子にある和蝋燭屋「大森和蝋燭屋」についてご紹介します。200年受け継がれた和蝋燭の灯りを添えて、心を整えてみませんか。
和蝋燭と一般的な西洋ろうそくとの違い
和蝋燭(わろうそく)は、よく見かける西洋ろうそくと何が違うのかと疑問に思う方もいるかもしれません。明かりを灯す目的は同じですが、原料や生産方法が異なります。
和蝋燭は、ハゼの実から採れる木蝋(もくろう)など、自然由来のものからできています。一方の西洋ろうそくの原料は、石油から採れるパラフィンです。
機械で大量生産できる西洋ろうそくの方が安価で手に入れやすいかもしれません。けれど、和蝋燭の方が環境にやさしく、消えにくいのが特徴です。そして職人の思いが一本一本に込められています。
和蝋燭から生まれる灯りは、心にじんわりと染み渡るほど美しいのです。
伝統の火を灯し続ける!大森和蝋燭屋
大森和蝋燭屋は、江戸時代から6代に渡ってつづく愛媛県内子にある和蝋燭屋です。
「ここから生まれる和蝋燭が使うひとの日常をほんのり照らす存在になれるよう、和蝋燭の伝統と風景を大事に守っていきたいです」
そう願いながら、6代目の店主である太郎さんと息子の亮太郎さんは、心を込めて和蝋燭をつくり続けています。
手しごとと自然由来の素材が織りなすものだから、一期一会の灯りに癒されるゆたかな時間が生まれるのです。
内子でたった一つ!伝統の火を守り続ける
和蝋燭は、蝋の精製の途中でできる生蝋(きろう)をつかってつくられます。
内子町は江戸時代から明治時代に渡り、木蝋の一大生産地として知られていました。品質の高さから、日本各地で使用されていたのです。
しかし、木蝋産業は時代の変化とともに、徐々に廃れていきました。現在の内子は、木蝋や和紙で栄えた歴史と美しきノスタルジックな街並みが残っています。しかし、大森和蝋燭屋が、たった一つの和蝋燭屋となりました。
「和蝋燭の伝統の火は、ここに暮らす人たちに見守られながら、絶やすことなく灯し続けていきます」
伝統を守り続けると誓う大森和蝋燭屋は、内子が誇る未来への希望といえるでしょう。
自然の恵みと職人の技が詰まった和蝋燭
炭火でゆっくりと蝋を溶かすことから、大森和蝋燭屋の1日が始まります。
地元の木炭やハゼの実の蝋など、自然由来の素材を使いながら、手間と時間をかけて一本一本手しごとでつくっています。
自然の恩恵と職人の技が詰まった和蝋燭を灯すと生まれる、オレンジ色のほのかな灯り。それとひきかえにだんだんと溶けていく蝋のはかなさも、ゆたかな時間や空間を演出してくれます。
日常を灯すライフスタイル!和蝋燭の使い方
電気で明かりをつけるのが当たり前の時代に、和蝋燭のある日常を楽しんでみませんか。
がんばった自分を労るように、マッチをすって和蝋燭に火を灯す。温かみのある火が揺らぐ姿を眺めるだけで、心が休まることでしょう。
和蝋燭のやさしい灯りとともに過ごす読書。心と身体が火の揺らぎとともにほぐれるヨガやストレッチ。
日常に和蝋燭を灯すことで、じんわりと心が豊かになる時間が生まれるのです。
また玄関や食卓などの空間に和蝋燭を置くのも、とても素敵なライフスタイル。
みんなで笑い合う日も一人で涙する日も和蝋燭が、あなたの心を照らし続けてくれます。
火を整えるのも魅力!和蝋燭のお手入れ方法
「火を整える」
これは和蝋燭において受け継がれた所作の一つ。燃えた芯が炭化して残る和蝋燭にはお手入れが欠かせません。そうすることで長く美しい灯りを楽しめます。
【用意するもの】
・専用の「芯切り」またはピンセット
【方法】
①燃えた部分が長くなったら、芯切りのサイン
②芯の根元から1〜2cmほど残して、芯を取りのぞく
③専用の芯切りを使って、芯をつぶさない程度に軽くつまんで横に傾ける
④取り除いた部分は水につけて完全に火を消す
また、火を消すことは「芯打ち」といわれます。専用の芯切りまたはピンセットで、残り芯の根元部分をぎゅっとつまんでください。芯をつまみ消すことで、煙を立てることなく消火できます。
和蝋燭を使用する場合は、「燭台」に立てて使うようにしましょう。
日常にやさしく寄り添う和蝋燭
江戸時代から受け継がれた和蝋燭。自然由来の素材と手しごとが紡ぐことで生まれる灯りは、表情豊かで日々の空間や時間にやさしく寄り添ってくれます。
大森和蝋燭屋の和蝋燭は法要だけでなく、癒しや瞑想、食卓演出やインテリアなど、さまざまな場面で活躍します。
愛媛県の内子町で日本古来の伝統技法を守り続ける大森和蝋燭屋。そこから生まれる一期一会の灯りを、あなたの日常に灯してみませんか。