赤津焼の魅力を特徴と歴史からひも解いて解説!

赤津焼の魅力を特徴と歴史からひも解いて解説!

伝統工芸品に指定されている赤津焼(あかづやき)は茶道具や華道具、家庭用品として発展した焼き物です。

赤津焼には1,300年の歴史があり、多彩な風合いや装飾で人々の心をとらえて離しません。そのため、国内外を問わず人気です。

今回は、赤津焼の魅力について、その特徴と歴史から解説します。

赤津焼の特徴

赤津焼とは愛知県瀬戸市の赤津町周辺で作られる陶器です。釉薬と装飾などの技法による多彩さが赤津焼の特徴であり、日本六古窯(にほんろっこよう)の1つにも数えられます。

7種類の釉薬(ゆうやく)を用いる技法

「灰釉(かいゆう)」「鉄釉(てつゆう)」「古瀬戸(こぜと)」「黄瀬戸(きぜと)」「志野(しの)」「織部(おりべ)」「御深井(おふけ)」の釉薬を用いることで、様々な風合いが生まれます。

12種類の多彩な装飾技法

「へら目」「たたき」「削り目」「へら彫り」「そぎ」「布目(ぬのめ)」「透彫り(すかしぼり)」「三島手(みしまで)」「印花(いんか)」「櫛目(くしめ)」「浮かし彫り」「張り付け」の装飾技法により、圧倒的な表現力が現れます。

赤津焼の歴史

赤津焼の歴史

赤津焼は奈良時代の須恵器(すえき)に起源を持ち、鎌倉時代から江戸時代にかけて技法が確立されました。

安土桃山時代には、茶華道の発展とともに「黄瀬戸(きぜと)」「志野(しの)」「織部(おりべ)」といった優雅な釉薬も誕生し、現在も赤津焼の代表的な「うわぐすり」として使用されています。釉薬の開発とともに装飾の技法も開発され、赤津焼の魅力が大きく花開いたのです。

赤津焼の魅力

赤津焼は釉薬と装飾技法の組み合わせが多彩なため、形や色などの表現が非常に豊富です。もともと茶陶として生まれたため、高い芸術性と美しさが最大の魅力といえるでしょう。

上品かつ飽きがこないデザインは、茶道具や華道具だけでなく、家庭用品としても愛されています。また、実用的であることも人気の秘密です。

赤津焼の使い方

茶道や華道をされている人は、赤津焼を湯呑や器として使います。赤津焼は重厚で耐久性もあるため、家庭では、食器や酒器として普段使いができます。

使う器を赤津焼に変えるだけで料理の見栄えがよくなり、おいしく感じることでしょう。

赤津焼の製造方法

赤津焼の作り方は、菊練り→成形→素地加飾→下絵付け→施釉→焼成の順で行います。なお、織部の場合は、最後に「栃渋入れ」が入りますが、これは表面の膜を除去する工程です。

菊練り

調合した陶土に含まれる空気を押し出し、捻るようにして土を練りこみます。

成形

ろくろ成形やたたら成形、手びねり成形で器の成形を行ないます。

成形

素地加飾(しらじかしょく)

茶碗の高台や急須の注ぎ口などを付けて形を仕上げます。その後、櫛やへらなどの道具を用いて「櫛目」「へら彫り」などの装飾を施します。

下絵付け

筆を使って、顔料で直接素地に下絵を施します。

下絵付け

施釉(せゆう)

釉薬をかけます。

焼成

ゆっくりと温度を上げて1200℃前後で24~30時間ほど焼き上げます。

焼成

赤津焼の種類

赤津焼は釉薬が醸し出す色味や風合いが大きな特徴です。装飾や器ではなく、用いた釉薬による種類分けが妥当でしょう。

つまり、基本的には「灰釉」「鉄釉」「古瀬戸」「黄瀬戸」「志野」「織部」「御深井」の7種類となります。

最近は「織部」と「志野」などの複数の釉薬を使った作品もあり、バリエーションは豊富です。

赤津焼の代表的な製品

赤津焼で人気が高いのは「織部」です。織部では焼成後に「栃渋入れ」をすることで、鮮やかな緑の発色と貫入によるひび模様が生まれます。この独特な風合いが日本人の心をつかみます。

栃渋

「黄瀬戸」は色あせたように見る淡い黄色が特徴で、根強いファンがいます。「志野」は不透明な乳白色が特徴です。技法によりいくつかの種類があり、どれもわびさびを感じさせる色味や風合いが人気になっています。

赤津焼を購入するには?

赤津焼を購入するのであれば、ぜひ窯元へ足を運びましょう。自分の好みに合う焼き物が見つかります。

遠方に住んでいる場合や旅行に行けない場合は、正規取扱店での通販も可能です。

なお、伝統工芸品であり高級な陶器でもある赤津焼は窯元や信用がおけるお店で購入することをおすすめします。

窯元から購入する場合

自分で足を運ぶことで、好みや用途に合う赤津焼を発見できます。通販では限られた作品しか見られないため、おすすめです。

窯元町にある有限会社錦山八木製陶では、世界に1つだけのオリジナル作品をオーダーメイドできます。

また、赤津町周辺には問屋もあり、こちらでも購入可能です。

イベントで購入する場合

毎年、5月に赤津町周辺で「赤津窯の里めぐり」というイベントが開催されます。2024(令和6)年は40の窯元が参加して開催される予定です(5月11~12日)。

また、窯元によっては、有名百貨店などでの展示即売会も行なっているため、遠方の人も職人と会話をして購入できます。

通販で購入する場合

窯元の公式サイトなどからインターネット通販や電話注文での通販が可能です。なお、窯元によっては、セミオーダーメイドで名入れなどもできます。

また、問屋では複数の窯元の作品をまとめて購入できるため、便利です。「雅陶 山佳」や「株式会社山長陶苑」がおすすめです。

まとめ

1,300年の歴史を誇る赤津焼は、国内のみならず海外でも人気があります。複数の釉薬を用いた作品もあり、常に人々を魅了しつづけています。

もし、瀬戸市近郊を訪れる機会があれば、ぜひ窯元へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

自分が見つけたお気に入りの赤津焼を飾ったり、普段使いしたりすれば、人生が楽しく豊かになることでしょう。

参照元:
あいちの地場産業 AICHI Local industry
赤津焼|愛知県ホームページ

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