
前鳥神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
神奈川県平塚市に鎮座する前鳥神社は、延長5年(927年)の『延喜式神名帳』に記載されている相模国の延喜式内社十三社の内の一社として、1000年以上の歴史を誇る由緒ある古社です。学問の神様として広く知られ、近年では就職成就のご利益でも注目を集めています。
前鳥神社の概要・基本情報
前鳥神社(さきとりじんじゃ)は、相模国四宮に当たる格式高い神社で、毎年5月5日に大磯町国府本郷の神揃山で行われる旧相模国の伝統的な祭事、国府祭に参加する相模五社の一つです。所在地名の「四之宮」は当社にちなむとされ、地域の中心的な存在として親しまれてきました。
歴史と由来
当社の正確な創建年代は不明であるものの、天平7年(735年)の相模國封戸租交易帳に「大住郡埼取郷」の記載があります。この「さきとり」の地に奈良時代以前、畿内から御祭神を「氏の上」とする氏人が移り住み、遺徳を偲び、清浄な地にお祀りしたのが「さきとり」神社と考えられます。
神社名の「さきとり」について、「さきとり」は相模川に突出した地形、岬などと同義の崎・埼から起こった地名であり、これをとって社名としたものであろうとする説があります。江戸時代まで社号を「左喜登利」「埼取」「前取」など色々用いてきたが、現在は『延喜式神名帳』に基づき「前鳥」の社名を用いているとされています。
鎌倉時代には幕府の崇敬を受け、建久3年(1192年)8月、源頼朝公夫人政子の安産祈願にあたり神馬の奉献があり、建暦2年(1212年)に幕府は当社を将軍家祈祷所と定めました。また、関東八カ国の領主となった徳川家康公は天正19年(1591年)11月、当社に武運長久祈願のために朱印地十石を寄進するなど、歴代の権力者からも篤い信仰を受けてきました。
祭神とご利益
前鳥神社には三柱の神様が祀られています。菟道稚郎子命(うぢのわきいらつこのみこと)・学徳の神様です。大山咋命(おおやまくいのみこと)・活動と福禄の神様です。日本武尊(やまとたけるのみこと)・安全守護の神様です。
主祭神である菟道稚郎子命は、皇太子時代の菟道稚郎子命の学問の先生であった人物である百済の王子阿直岐と博士王仁から学問を学ばれ、幼い頃より聡明で、百済から来朝した阿直岐・王仁博士のもとで典籍を学び、学問の道を極めるとともに、儒教の思想に大きな影響を受けました。このことから学問の神様として崇敬されています。
特に注目すべきは、学問の神様だけでなく就職の神様としても扱われています点です。産業が発展したことで、人々の仕事増えたことを理由として、学問の神様だけでなく就職の神様としても扱われています。神社名の「さきとり」が「先取り」に通じることから、前鳥神社はさきとり、つまり先に取る、内定が先にもらえるという語呂合わせで就活生に人気があります。
前鳥神社の見どころ・特徴
前鳥神社の境内は、古社にふさわしい荘厳な雰囲気に包まれています。境内には、桜やけやきの大樹、杉の古木が茂っています。四之宮の前鳥神社の境内には、桜やけやきの大樹、杉の古木が多く、平塚市保全樹林に指定されており、古社らしき趣きのある一画となっています。
建造物・構造の魅力
前鳥神社の社殿は、長い歴史を感じさせる落ち着いた佇まいを見せています。現在も拝殿内の扁額には「左喜登利神社」、西鳥居前の社号石碑では「前取神社」の表記が使用されていることからも、神社の歴史的変遷を感じることができます。
境内には複数の境内社も鎮座しており、前鳥神社の社殿に向かって右手側に建てられているのが、神戸神社。ここには、以前は別の境内社として扱われていた神明神社と八坂神社が合祀されています。また、神戸神社に隣接されている奨学神社は、百済の王子阿直岐と博士王仁に加え、菅原道真公を御祭神とする学問の神様を祀った神社です。
自然・景観の美しさ
前鳥神社の最大の魅力の一つは、豊かな自然環境です。御神木の大欅は樹齢約300年と言われています。手水舎の近くにある御神木のケヤキは驚くことに樹齢およそ300年と言われています。境内には他にもケヤキの木は多く見受けられるのですが、この木は特別に目につく巨木です。
また、境内には「幸せの松」と呼ばれる特別な松があります。「幸せの松」と言われ4本の葉をつけた松葉をみつけたらいいことあるかも?とされ、その「四合わせ」の松の葉を身につけると、幸運が訪れるとされているそうですよ。参拝者の間では、この珍しい4本葉の松葉を探すのも楽しみの一つとなっています。
春には参道が桜並木となり、参道は桜並木となっているので、春にはちょっとした花見の名所となっています。境内全体が季節の美しさを感じられる空間となっています。
文化財・重要な所蔵品
前鳥神社には貴重な文化財や宝物が数多く保存されています。前鳥神社には弥生式土器、金環・銀環、壷型土器、日本武尊の面、天文板論語、神号扁額、社号扁額 論語・千字文を主とした漢籍、百済時代の軒瓦など多くの御宝物が残されています。
特に注目すべきは、前鳥神社には、次の3つの古式神事が残っている点です。江戸時代に「松の市」という人物によって平塚に伝えられた祭囃子の系譜を引くと言われる。笛・鉦・大太鼓・締太鼓2張の五人囃子を基本編成とし、「屋台(囃子)」「宮昇殿」「昇殿」「神田丸」「唐楽」「鎌倉」「仕丁舞」「印場」「きざみ」の9曲が笛と鉦を欠かずに伝承されている点が貴重とされる。
例大祭は「神興宮入神事」と「前鳥囃子と里神楽」は平塚市指定重要文化財、「相模人形芝居前鳥座」は県指定無形民族文化財」になっています。これらの文化財は、前鳥神社が単なる信仰の場を超えて、地域の文化的中心地としての役割を果たしていることを物語っています。
参拝・拝観案内
前鳥神社への参拝は、神聖な場所への敬意を込めて、適切な作法とマナーを心がけることが大切です。境内は学問と就職の神様として多くの参拝者が訪れる場所であり、静寂で清浄な雰囲気が保たれています。
参拝作法とマナー
前鳥神社での参拝は、一般的な神社と同様の作法で行います。鳥居の前では一礼をしましょう。神域に入ったら静かに参道を進みます。参道の中央は神様の通り道とされていますので、端に寄って歩きましょう。
手水舎で心身を清めた後、賽銭箱の前に立ったら軽くお辞儀をし、賽銭箱にお賽銭を入れます。「二拝二拍手一拝」の作法で拝礼し、軽くお辞儀をしてから退きます。
この神社で推奨されているコースは、前鳥神社と神戸神社、奨学神社の2つ境内社を一緒に参拝する三社祭りと呼ばれるものです。より手厚いご利益を得たい場合は、これらの境内社も併せて参拝することをお勧めします。
年中行事・季節のイベント
前鳥神社では年間を通じて様々な祭事や行事が執り行われています。歳旦祭、国府祭、例大祭などの恒例な行事から、麦振舞神事や神輿宮入り神事などの当地に古くから伝わる伝統的行事、そして文房具感謝祭やランドセルお祓いなど、様々な行事があります。
最も重要な祭事の一つが、毎年5月5日に行われる国府祭です。平安時代、国司が毎年神揃山(大磯町国府)に、五社(一之宮 寒川神社、二之宮 川勾神社、三之宮 比々多神社、四之宮 前鳥神社、平塚八幡宮)の参集を求め、総社六所神社とともに国家安泰と五穀豊穣の祈願を行ったのが始まりとされています。
9月には例大祭が行われ、9月28日夕刻、周辺地域を渡御した大神輿が当社境内に戻り、表参道入口から拝殿前に向かうまでの神輿渡御を指す。途中、白い手綱を放り投げて大神輿の蕨手に結ぶ「奠の綱」行事があり、見物の目玉となっている。
麦振舞神事は国府祭は5月5日、御例祭(宵宮)は9月27日開催。神輿発輿に先立って行われる。神輿を社殿正面に据え、仕丁(供奉の者)が左右に並んで座す。神官祝詞奏上後、氏子総代が神酒を分け、続いて馳走が折敷の里芋の葉に盛られる。仕丁はこれを食し、雄叫びを上げ立ち上がり神輿を担ぐ。
その他にも節分祭、文房具感謝祭、ランドセルお祓いなど、学問の神様らしい特色ある行事も行われており、一年を通じて多彩な祭事を楽しむことができます。
御朱印・お守り情報
前鳥神社では、前鳥神社、神戸神社、奨学神社がそれぞれの御朱印を持っているため、一度に3種類の御朱印を入手することが可能です。前鳥神社オリジナルの御朱印帳もあるので、万が一御朱印帳を忘れてしまっても安心です。御朱印は社殿に向かって左側にある境内授与所か社務所で手に入れることができます。
お守りについては、学問と就職に関するものが特に人気です。就職成就にご利益があるとされる前鳥神社のお守り「就勝守」は、全国から問い合わせがあるほど人気を集めています。「資格先取守」も資格を授けてくれるご利益があるとされ、国家資格や各種資格の取得を目指す方の心強い味方になりそうです。
天職守は、就職や転職の際に、自分に合った仕事が見つけられるようご利益をいただけるお守りです。御神前で6日間お供えして祈願をこめた、ダルマのお守りを大切な人へのお土産にいかがでしょうか。
遠くて神社まで行けないという方は、郵送でも送付をお願いできますよ。お守りや祈祷は郵送でも受け付け可能となっています。
アクセス・利用情報
前鳥神社は神奈川県平塚市に位置し、公共交通機関と自動車の両方でアクセス可能です。駅からは少し距離がありますが、バスを利用すれば容易に到達できます。
交通アクセス
電車とバスを利用する場合、JR東日本東海道本線の平塚駅から神奈川中央交通バス「本厚木駅南口」「リバーサイド前」「大神工業団地」「田村車庫」行きに乗車、「前鳥神社前」下車徒歩4分です。平塚駅北口からバスに乗車し、約15分程度で前鳥神社前バス停に到着します。
自動車でアクセスする場合は、東名高速道路厚木インターチェンジから車で約15分です。また、圏央道 寒川南IC〜県道44号経由、約1.8kmのルートもあります。
<住所> 〒254-0014 神奈川県平塚市四之宮4-14-26
拝観時間・料金・駐車場情報
前鳥神社の境内は基本的に自由に参拝できます。御朱印・お守り 受付時間・・・・8時〜17時、御祈祷 受付時間・・・・9時〜16時30分となっています。
拝観料は無料ですが、御祈祷を希望される場合は別途初穂料が必要です。詳細な料金については、事前に神社に問い合わせることをお勧めします。
駐車場については、神社境内に参拝者用の駐車スペースが用意されていますが、例大祭や国府祭などの大きな行事の際は混雑が予想されます。大型の行事がある日は、公共交通機関の利用をお勧めします。
前鳥神社では出張祭典を随時受け付けています。お問い合わせや詳細については、電話、メール、または直接社務所まで気軽に相談することができます。
参照サイト
・前鳥神社 公式ホームページ:https://sakitori.jp/
・神奈川県神社庁 前鳥神社:https://www.kanagawa-jinja.or.jp/shrine/1209203-000/
・湘南ひらつかナビ 前鳥神社:https://www.hiratsuka-kankou.com/spot/sakitorijinjya.html