桐生織~1300年の時を超え今へと受け継がれる伝統工芸品~

桐生織~1300年の時を超え今へと受け継がれる伝統工芸品~

日本を代表する織物として「西の西陣、東の桐生」とも言われ古くから人々に愛されてきた桐生織。

その歴史は古く、職人の織物にかける情熱と丁寧な手仕事が脈々と受け継がれ、今へと繋がっています。

本記事では、やわらかな肌ざわりと光沢が特徴の桐生織の魅力をご紹介します。

【桐生織の特徴】7つの技法にから生み出される豊かな質感

【桐生織の特徴】7つの技法にから生み出される豊かな質感

桐生織は、群馬県桐生市周辺で作られている織物で、主に先染めという方法で作られています。

先染めとは、あらかじめ染色しておいた糸を使用し、織物技術により柄を表現する技術です。

絹や朝などの高品質な素材を使用し織り上げられる桐生織の生地は、やわらかな手触りと光沢感があるのが特徴です。

さらにそれぞれ製法の異なる7つの技法により、表情豊かな美しい柄と色合いを生み出します。

お召織
(おめしおり)
お召織 桐生発祥の最高級織物。徳川家斉が好んだことから「お召し」の名がつきました。独特の細かい凹凸が特徴です。
緯錦織
(よこにしきおり)
緯錦織 単色の経糸に、八色以上の緯糸で文様を描き出します。
経錦織
(たてにしきおり)
経錦織 三色以上の経糸と二色以上の緯糸で文様を表す織物です。
風通織
(ふうつうおり)
風通織 二重の生地を裏表に現すことで柄を表現する複雑な織物です。
浮経織
(うきたており)
浮経織 二色以上の経糸を密に使い、刺繍のような滑らかな紋を織りだす方法です。
経絣紋織り
(たてかすりもんおり)
経絣紋織り 経糸でかすり模様を表現し、さらに複数の緯糸で文様を織り出す、非常に手間のかかる織り方です。
綟り織
(もじりおり)
綟り織 経糸が絡みながら緯糸と組み合うことで、折り目に隙間ができる一風変わった織物です。

丁寧に織り上げられた桐生織は、耐久性も高く長い間使い続けることができます。

【桐生織の魅力】伝統と現代のデザインとの融合

 

桐生織独自の技術によって生み出される独特の模様や風合いは、他の織物にはない魅力を持っています。

独特の光沢感としなやかな質感を持つ桐生織は、着物や帯はもちろん、洋装、そしてネクタイやスカーフ、バッグや財布などの日常的なファッションアイテムにも加工され今なお人々に愛されています

PRIRET 山ストール

 

桐生織の技術「風通織(ふうつうおり)」の技術を使い作られたアウトドア専用のタオル兼用のストールです。

生地が二重構造になっているため、通気性が高く乾きやすく、保温性にも優れています。

夏はタオル、冬は防寒用としてアウトドアシーンで活躍するアイテムです。

アルファテックス ネクタイ

 

アルファテックスは、創業1954年、ネクタイ、ストール、スカーフなどのネックウェアを扱うトップメーカーです。

ジャカード織りという製法で緻密な柄を表現します。

プリントでは表現できない立体感と光沢感のある桐生織のネクタイは、結びやすさにも定評があります。

朝倉染布(あさくらせんぷ) 超撥水風呂敷「ながれ」

 

桐生織の技術と朝倉染布の超撥水加工技術の融合により生まれた風呂敷です。

「ながれ」という名の文字通り、風呂敷の表面に水がかかると、水玉が布の表面を転がります。

エコバックや傘代わりとして、さらに緊急時には10ℓの水を溜めることもできます。

水はもちろん、お茶やジュースなどの液体も弾くため、ランチョンマットやひざかけとしても使用可能です。

機能性と合わせて鮮やかな色合いと豊富なデザインが人気の商品です。

【桐生織の歴史】古くから受け継がれる伝統的な技術

 

桐生織は、日本を代表する伝統的な織物の一つであり、1300年の歴史があります。

自然豊かな土地でありながら、耕地面積が少なかった桐生市周辺では、昔から養蚕が盛んで、そこから取れた絹糸を使って桐生織が発展してきました。

戦国時代には、関ケ原の戦いの際、徳川家康に桐生の職人たちがわずか1日ほどで作った旗絹を献上したことからその名を高めました。

明治時代以降は、海外の染色技術や機織り機など当時の最先端技術をいち早く導入し、工業化を進めることにより生産量を飛躍的に増加させ、本屈指の繊維産業へと大きく発展を遂げてきました。

1977年には、桐生織の7つの技法が、古くから伝わる工芸品のうち、特にすぐれたものとして経済産業大臣により指定される伝統的工芸品に選ばれています。

古くから大切に受け継がれてきた桐生織の伝統的な手法や技術は、日本はもとより世界中で高い評価を受け、日本の織物文化の貴重な一部として、今もなお多くの人々に愛されています。

現在では、市、桐生織物共同組合などが中心となり、後継者の育成や産業の更なる活性化に力を入れています。

桐生織の魅力を一人でも多くの人へ

桐生織は、日本の伝統と職人技が息づく素晴らしい織物です。

その美しさと独自の技術に触れる事で、さらに日本文化の奥深さを感じることができます。

桐生織の伝統が今後も人々に伝えられるように、ぜひ実物を手に取り、長い歴史を経て職人たちに守り伝えられてきた桐生織の世界をぜひ堪能してみてください。

参照元:桐生織 | 桐生織物記念館公式ウェブサイト

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