
金蛇水神社|由緒ある水神信仰の霊場の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
宮城県岩沼市に鎮座する金蛇水神社は、千年以上の歴史を誇る水神信仰の霊場として、商売繁盛・金運円満のご利益で全国から多くの参拝者が訪れます。金蛇沢と呼ばれる深い谷の出口に位置し、雌雄一対の金蛇をご神体とする珍しい神社で、境内には樹齢300年の九竜の藤や東北屈指の牡丹園があり、花の名所としても親しまれています。
金蛇水神社の概要・基本情報
金蛇水神社は宮城県岩沼市三色吉に鎮座する神社で、主祭神として金蛇大神(水速女命)を祀るほか、大己貴命と少彦名命を相殿神として祀っている水神信仰の霊場です。一千年余の歴史を持つ大衆信仰の神社として、古くから東北一円の人々に愛され続けています。
歴史と由来
この神社の創建年代等については不詳であるが、古くから水に関わる神として信仰されてきたとされています。人々が農耕をはじめた時に、山より平野へ水の流れ出る場所に、水神をおまつりしたものと考えられています。
神社名の由来について、興味深い縁起が伝えられています。平安時代中頃、一条天皇の御代、京都三条の小鍛冶宗近は、天皇の御佩刀を鍛えよとの勅命を受け名水を求めて諸国を遍歴してこの地に至り、水神宮のほとりを流れる水の清らかさに心をうたれたのです。
早速、水神宮に祈願をし、炉を構えて刀を鍛え始めたが、カエルの鳴き声で精神統一ができず、よい刀が打てずにいた。そこで宗近は巳のお姿をつくり、田に放ったところカエルはピタリと鳴き止んだ。無事素晴らしい刀を鍛え上げることができた宗近は神への感謝のために巳のお姿を献納し都に帰ったとされています。以来、水神宮ではこれを御神体と崇め、社名も金蛇水神社と称するようになったと言うのです。
祭神とご利益
金蛇水神社の主祭神は水速女命で、金蛇大神として崇敬されています。巳の姿をご神体としていることから、商売繁昌・金運円満や厄除開運・病気平癒、さらには海上安全・大漁満足にご利益がある神様として、広く信仰されています。
特に金運や商売繁盛のご利益で知られ、「商売繁盛・金運円満・厄除開運」などのご神徳を有する蛇神様として、宮城県内をはじめ東北一円より広く信仰されているのです。蛇は古来より水神の化身とされ、脱皮を繰り返すことから再生や金運向上の象徴として親しまれています。
境内社として金蛇弁財天社があり、祭神は川の神や水神とされる弁財天で、等身大の八臂弁才天像を祀るほか、福徳円満や芸能の神として信仰されているのです。
金蛇水神社の見どころ・特徴
金蛇水神社は、神聖な雰囲気漂う境内と美しい自然景観が調和した魅力あふれる神社です。特に花の名所としても知られ、「花のやしろ」としても知られ、5月に行われる牡丹・藤・ツツジの「花まつり」は仙台圏の季節の風物詩となっているほどの美しさを誇ります。
建造物・構造の魅力
境内には歴史を感じさせる社殿が鎮座し、経年の劣化により色あせてきた、社殿・回廊・講堂の朱色の屋根を塗装修繕いたしますとして、令和理想郷創生事業の一環で美しく整備が進められています。
近年、境内外苑には現代的な施設も整備されています。金蛇水神社外苑の、参道~庭園~広場~山~神社をむすび、世俗と神域・人と自然をつなぐ建物として、Sando Terraceという参拝者休憩所が建設されました。平成元年に建てた旧休憩所を、「令和奉祝記念事業」にて建て替え、新たな時代に神社の新たな可能性を求めて、悠久の歴史を持つ神社の精神を、シンプルかつモダンに令和の御代に顕現させたもので、伝統と現代性が調和した美しい建物です。
また、2022年には神楽舞台が完成し、神楽舞台が ウッドデザイン賞 2022 受賞しましたという評価を受けています。この舞台では様々な技芸奉納が行われ、神社の新たな魅力となっています。
自然・景観の美しさ
金蛇水神社の最大の魅力の一つが、四季折々の美しい花々です。特に樹齢300年の藤棚「九竜の藤」は見事で、1本の株から9本に枝分かれしていることから「九竜の藤」と名付けられています。この藤は境内のシンボル的存在として多くの参拝者を魅了しています。
境内東側には約100種1000株のボタンをはじめとする牡丹園が広がり、周囲を数百株の巨大なつつじに覆われた、約1,000坪の牡丹園。1,300株、百余種の牡丹が高雅に咲き誇りますという壮観な光景を楽しむことができます。
2025年には新たに芍薬苑も開苑予定で、温暖化の影響による開花時期のズレを見越して設けられたもので、春の花風景がより長く楽しめますことが期待されています。
蛇紋石と金運スポット
金蛇水神社の特徴的な見どころとして、蛇紋石があります。社殿の南側には石に蛇の模様がある「蛇紋石」が並んで置かれており、石に財布をこすりつけると金運がつくという信仰があるのです。この数ある蛇紋石のなかから直感で一つだけ選び、お財布や手でその模様を撫でると金運が上がると言われています。
また、2024年には新たに銭洗い場が設置され、境内には、令和6年4月に新しく銭洗い場ができましたので、お手持ちのお金を御神水で清めることができますようになりました。この銭洗い場は参拝者が「禊(みそぎ)」や「銭洗い」を体験できるようになりましたという新たな金運スポットとして注目を集めています。
参拝・拝観案内
金蛇水神社への参拝は、神聖な金蛇大神への敬意を込めて行うことが大切です。参拝は24時間可能となっており、いつでも心静かにお参りいただけます。境内では、蛇紋石での金運祈願や銭洗い体験など、この神社ならではの参拝方法も楽しむことができます。
参拝作法とマナー
金蛇水神社での参拝は、一般的な神社参拝の作法に従います。白い鳥居をくぐる際は一礼し、参道の中央を避けて歩きます。手水舎で手と口を清めた後、拝殿前で二拝二拍手一拝の作法でお参りします。
金蛇水神社特有の参拝方法として、蛇紋石での金運祈願があります。この数ある蛇紋石のなかから直感で一つだけ選び、お財布や手でその模様を撫でると金運が上がると言われています。ただし、「ひとつだけ」を選ぶことが重要とされていますので、直感を大切にして選択しましょう。
新設された銭洗い場では、お財布に入っているお金をざるにいれて、そこにお水をかけて、濡らしますという方法で銭洗いができます。濡れたお金はケースに入れて、持ち帰ります。乾かしたら、お財布に入れておいたり、普通に使って良いとされています。
境内にはペットの散歩は禁止となっており、カートに乗せての参拝は可能です。マナーを守って、神聖な雰囲気を大切にお参りしましょう。
年中行事・季節のイベント
金蛇水神社では、例祭日は5月15日となっており、春季例大祭が盛大に行われます。特に注目すべきは、4月25日~5月25日は「花まつり」、5月15日~21日は12年に1度の巳歳御縁年の例大祭「巳歳大祭」が開催されますという、2025年の特別な年の行事です。
花まつりは金蛇水神社の代表的な行事で、花まつりでは牡丹や藤・ツツジ咲き誇り、神社の境内を華麗に彩ります。期間中は神楽舞台では、様々な技芸奉納も行われる予定で、多彩な催しが楽しめます。
また、弁財天例祭では弁財天神像が御開帳される7月の行事や、10月には収穫に感謝する「秋季例祭」が開催されますなど、四季を通じて様々な行事が行われています。
夏には夏詣の行事があり、本年も神社での奉職体験「夏休みこども神社体験」、カブトムシと触れ合え世界のカブトムシ・クワガタと会える「世界のカブクワ展」など、家族で楽しめるイベントも開催されています。
御朱印・お守り情報
金蛇水神社では、季節や行事に合わせたカラフルな御朱印が頒布されています。毎月や各行事限定デザインの朱印紙を受けることができますので、御朱印集めをされている方には特におすすめです。
お問い合わせは社務時間内 8:00-16:00 にお願いしますとなっており、御朱印やお守りの授与もこの時間内に受けることができます。
神社オリジナルのお守りや縁起物も多数用意されており、金運向上や商売繁盛を願う参拝者に人気となっています。また、Sando Terraceの土産処では、神社オリジナルグッズや地元とコラボしたおしゃれなアイテムも購入できます。
アクセス・利用情報
金蛇水神社は宮城県岩沼市に位置し、仙台圏からのアクセスも良好で、公共交通機関と自家用車の両方でお越しいただけます。参拝者の利便性を考慮した駐車場も完備されており、花まつりなどの繁忙期には臨時駐車場も用意されます。
交通アクセス
電車でのアクセス
仙台駅からはJR東北本線で岩沼駅まで約20分、岩沼駅からは車で約10分の距離となっています。鉄道:JR岩沼駅(東北本線・常磐線)より車で10分という立地で、仙台圏からの日帰り参拝に最適です。
バスでのアクセス
岩沼市民バス 東西循環線②または 大師線に乗車し、「ハナトピア前」バス停下車、徒歩10分です。5月の花まつり・例大祭期間中は、岩沼駅西口より金蛇水神社直通の臨時バスが増便されるため、この期間は特にアクセスが便利になります。
車でのアクセス
仙台東部道路岩沼ICから車で約18分の距離にあります。国道4号線からもアクセスしやすく、カーナビでは神社名で検索していただけます。
<住所> 〒989-2464 宮城県岩沼市三色吉字水神7
拝観時間・料金・駐車場情報
参拝時間・料金
時間:境内自由(社務所は8~16時)、料金:境内自由となっており、参拝は無料で24時間可能です。ただし、社務時間内 8:00-16:00が御朱印やお守りの授与、祈祷の受付時間となります。
花まつり期間中は牡丹園の入園料が必要となる場合があります。詳細な料金や開催時間については、公式サイトやSNSで最新情報をご確認ください。
駐車場情報
神社には複数の駐車場が完備されており、通常時は無料でご利用いただけます。花まつりなどの繁忙期には臨時駐車場も設置され、多くの参拝者に対応できるよう配慮されています。
その他の施設
外苑には参拝者休憩所施設がありますので、参拝後にお土産品を購入したり、食事処で神社オリジナルのメニューを堪能することができます。Sando Terraceでは、参拝の前後にゆっくりと過ごすことができ、神社オリジナルの白蛇パンや白蛇ソフトなどのユニークなグルメも楽しめます。
境内にはバリアフリー設備も整備されており、車椅子での参拝も可能です。詳細については事前に神社までお問い合わせください。
参照サイト
・金蛇水神社 公式ホームページ:https://kanahebi.cdx.jp/
・Sando Terrace 金蛇水神社参道・休憩所:https://www.sandoterrace.jp/
・令和理想郷創生事業 奉賛サイト:https://kanahebisuijinja.jp/