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函館八幡宮|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

函館八幡宮|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

函館山の緑豊かな麓に佇む函館八幡宮は、室町時代から続く北海道屈指の歴史ある神社です。「八幡さん」の愛称で市民に親しまれ、聖帝八棟造りの威厳ある社殿と134段の石段で知られています。海上安全や商売繁盛のご利益を求めて多くの参拝者が訪れる、函館を代表するパワースポットをご紹介します。

函館八幡宮の概要・基本情報

函館八幡宮|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

函館八幡宮は、函館山の南東麓に位置する由緒正しい神社で、現在は神社本庁の別表神社として格式高い地位を占めています。函館総鎮守として函館市全体を見守る重要な役割を担い、北海道の開拓史とも深く関わってきました。境内からは函館市街や津軽海峡を一望でき、自然に囲まれた神聖な空間が参拝者の心を清めてくれます。

歴史と由来

函館八幡宮の創建は文安2年(1445年)にさかのぼり、当時の亀田郡の領主であった河野政通が函館・元町に城を築く際、城の鎮守として城域東南隅に八幡神を勧請したのが始まりとされています。この館は箱型の形状をしていたことから「箱館」と呼ばれ、函館という地名の由来にもなったと伝えられています。

その後の歴史は変遷に富んでいます。永正9年(1512年)、河野氏は蝦夷に攻められて城を追われ、一族は八幡神を奉じて亀田郡赤川村(現 函館市赤川町)に逃れました。慶安2年(1649年)、河野氏一族の巫女伊知女(伊知子とも)が霊告を受けて元町の河野館跡地に八幡宮を遷しました。

江戸時代には重要な転機を迎えます。寛政11年(1799年)東蝦夷を公議御料(幕府直轄領)とした江戸幕府が社地に箱館奉行所を置くことになったため、文化元年(1804年)、幕府の費用で会所町(現 函館市元町北東部)に社殿を造営して遷座、以後箱館奉行所は当宮を祈願所とし、蝦夷地総社として崇敬しました。

1880(明治13)年から現在地に移り、現在の社殿は1915(大正4)年に建てられました。明治神宮などの設計を手がけた安藤時蔵氏による設計で、大正時代の神社建築の傑作として高く評価されています。

祭神とご利益

函館八幡宮は、品陀和気命(ほんだわけのみこと)・住吉大神(すみよしのおおかみ)・金刀比羅大神(ことひらのおおかみ)を祭神として祀っている神社です。

主祭神である品陀和気命は、第15代応神天皇の御神霊で、八幡神として古くから武家の守護神として信仰されてきました。現在では日常生活全般にご利益をもたらす神様として親しまれています。

住吉大神は海の神様として知られ、航海安全や海上交通の守護を司ります。港町函館にふさわしい神様として、漁業関係者や船舶関係者から篤い信仰を集めています。

金刀比羅大神は商売繁盛や金運向上の神様として信仰され、函館の商工業の発展を見守ってきました。

ご利益は、海上安全・開運招福・商売繁盛などです。その他にも厄除け、家内安全、学業成就、縁結びなど、人生のあらゆる局面でのご加護をいただけるとされています。

函館八幡宮の見どころ・特徴

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函館八幡宮の魅力は、歴史的価値の高い建造物と函館山の豊かな自然が調和した荘厳な空間にあります。参拝者を迎える長い石段から始まり、境内の随所に見どころが点在しています。

建造物・構造の魅力

聖帝造り(藤原時代の寝殿造りの後方の一間を切り取った形)に、八棟造り(本殿と拝殿とを中殿で連結)を合わせた、「聖帝八棟造り(しょうていはちまんづくり)」の荘厳なたたずまい。この建築様式は、大正時代の神社建築の粋を集めた傑作として知られています。

正面から見ても、横から見ても、ゆるやかに曲線を描いて重なる堂々とした屋根の造りが見事です。本殿、幣殿、拝殿が一体となった構造は、威厳と美しさを兼ね備えており、参拝者に深い感動を与えます。

社殿(「聖帝八棟造り」大正4年) 大神輿「函館市文化財指定」(「八角造り」明治27年)も重要な文化財として保存されています。大神輿は金箔を施した豪華な造りで、例祭の際には134段の石段を駆け上がる「大神輿かけのぼり神事」で使用されます。

社殿の建材や装飾にも注目です。北海道産の木材を使用しながらも、本州の伝統的な神社建築の技法を巧みに取り入れており、北海道と本州の文化の融合を象徴する建造物となっています。

自然・景観の美しさ

函館山の緑を背景にして、神々しい「気」に満ちています。境内は函館山の樹林に囲まれ、四季折々の自然の美しさを楽しむことができます。

春には桜が咲き誇り、特に裏参道の桜並木は隠れた名所として知られています。この裏参道には桜が植えられており、毎年ゴールデンウィーク前後頃に開花します。桜の季節には、石段を上りながら美しい花を愛でることができ、参拝がより一層特別な体験となります。

夏は緑豊かな境内で涼を感じることができ、秋には紅葉が境内を彩ります。冬は雪景色が神聖な雰囲気を一層高め、四季を通じて異なる表情を見せてくれます。

境内からの眺望も素晴らしく、津軽海峡を望む景勝の地として、函館市街や津軽海峡の美しい景色を一望できます。特に夕暮れ時の景色は格別で、多くの参拝者が景色を楽しみながら心静かにお参りしています。

境内の名所とフォトスポット

境内には本殿以外にも見どころが豊富にあります。落ち着いた雰囲気の函館八幡宮の一角にある、鳥居と社殿の朱色が鮮やかな鶴若稲荷神社(つるわかいなりじんじゃ)。この稲荷神社は、本殿とは対照的な朱色の美しさで訪問者の目を引きます。

悪疫退散や平和の願いをこめた折り鶴が風情満点。折り鶴が飾られた光景は、平和への願いを込めた美しいフォトスポットとして人気を集めています。

函館八幡宮に境内にある勾玉の池は絶滅の危機に瀕しているエゾヒキガエルの生息地となっています。この池は自然保護の観点からも重要で、訪問者は静かに観察することで貴重な生態系に触れることができます。

参道の石段134段も函館八幡宮の象徴的な存在です。この石段を登ることで心身が清められ、参拝への気持ちが高まります。石段の途中から振り返ると函館の街並みが美しく見渡せ、登り切った時の達成感とともに素晴らしい景色を楽しむことができます。

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参拝・拝観案内

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函館八幡宮への参拝は、正しい作法と心構えを持って行うことで、より深いご利益をいただくことができます。地元の人々に愛され続けてきた神社として、伝統的な参拝方法を大切にしながら、訪れる人すべてを温かく迎え入れています。

参拝作法とマナー

神社での基本的な参拝作法は、まず鳥居をくぐる前に一礼することから始まります。参道は中央を避けて歩き、手水舎で心身を清めてから拝殿に向かいます。手水の作法は、右手で柄杓を持ち左手を洗い、次に左手で柄杓を持ち右手を洗い、再び右手で柄杓を持って左手に水を受けて口をすすぎます。

拝殿での参拝は「二拝二拍手一拝」が基本です。まず賽銭を納め、鈴があれば鳴らしてから、深く二回お辞儀をし、胸の前で二回拍手を打ち、最後に深く一回お辞儀をします。お願い事をする際は、まず感謝の気持ちを込めてから、具体的で前向きな願いを心の中で唱えます。

参拝時の服装は、特別な決まりはありませんが、神聖な場所にふさわしい清潔で落ち着いた装いを心がけましょう。帽子やサングラスは拝殿前では外すのがマナーです。撮影は境内では基本的に可能ですが、他の参拝者の迷惑にならないよう配慮し、フラッシュの使用は控えめにしましょう。

年中行事・季節のイベント

例祭は8月15日に行われ、前後3日間にわたって祭儀が斎行されます。また、例祭後には隔年で神輿渡御祭が行われ、市内を巡幸する際には参道の石段134段を駆け昇ります。この大神輿かけのぼり神事は函館の夏の風物詩として多くの見物客が訪れる人気行事です。

道産馬(どさんこ)と和装の騎手による騎馬参拝で有名な134段の石段での行事も見どころの一つです。この騎馬参拝は北海道らしい独特の神事として注目を集めています。

春の桜の季節には、境内の桜が美しく咲き誇り、花見を兼ねた参拝が楽しめます。特に裏参道の桜並木は隠れた名所として地元の人々に愛されています。

初詣は函館八幡宮の最も賑わう時期で、市内で最も多くの参拝者が訪れます。新年の願いを込めて多くの市民や観光客が参拝し、境内は活気に満ちあふれます。

季節ごとに行われる祈祷や特別な神事もあり、詳細な日程については事前に神社へお問い合わせいただくことをおすすめします。

御朱印・お守り情報

参拝記念に御朱印を受けることができます。オリジナルの御朱印帳は、布製の表紙(表が八幡宮、裏が函館の夜景の柄)と、木製の表紙の2種類(各2000円)。函館らしいデザインの御朱印帳は旅の記念品としても人気です。

「函館八幡宮」と「鶴若稲荷神社」の2種類の御朱印をいただくことができます。鶴若稲荷神社の御朱印も函館八幡宮の社務所で受けることができ、どちらも美しい書体で書かれています。

お守りの種類も豊富で、海上安全、商売繁盛、学業成就、縁結び、厄除けなど、様々なご利益に応じたお守りが用意されています。特に港町函館らしい海上安全のお守りは船舶関係者や漁業関係者に人気があります。

そのほか、社務所で「函館八幡宮特製 味噌くるみ餅」も販売されています。函館みやげでも人気の銘菓「きびだんご」の天狗堂宝船社製造。お守りと同じ袋に入れてもらえます。味噌とくるみの香ばしさで、くせになる美味しさ。1本130円。

境内には参拝者が小腹を満たせる「がまんうどん」も提供されており、参拝の合間にほっと一息つくことができます。

アクセス・利用情報

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函館八幡宮は函館市内の交通アクセスが良好な立地にあり、公共交通機関でも車でも訪れやすい神社です。函館観光の際には、他の観光スポットと組み合わせて参拝することも可能です。

交通アクセス

市電:函館駅前駅から約15分「谷地頭」下車、徒歩8分が最も便利なアクセス方法です。函館市電は観光客にも利用しやすい交通手段で、谷地頭駅は2系統の終点駅となっています。

函館八幡宮は、市電(2系統)の終点「谷地頭」電停から歩いて7~8分。長い階段を上って、社殿に向かいます。駅から神社までは緩やかな上り坂となっており、途中に案内標識があるため迷うことはありません。

バスでのアクセスも可能で、函館バス各線を利用できます。函館駅や函館空港からのアクセスについては、市電を利用するのが最も分かりやすいルートです。

車でお越しの場合は、函館駅から約20分程度で到着します。函館山や五稜郭などの他の観光スポットからも比較的近距離にあるため、観光ルートに組み込みやすい立地です。

タクシーを利用する場合は、「函館八幡宮」と伝えれば運転手の方にも十分通じる有名な神社です。函館駅からタクシーで約15分程度です。

<住所> 〒040-0046 北海道函館市谷地頭町2-5

拝観時間・料金・駐車場情報

営業時間:9:00〜17:00となっており、この時間内であれば自由に参拝することができます。ただし、御朱印やお守りの授与は社務所の開いている時間に限られますので、確実に御朱印をいただきたい場合は営業時間内の参拝をおすすめします。

参拝料は無料で、どなたでも気軽に参拝することができます。御朱印の初穂料は一般的に300円から500円程度で、お守りの価格は種類によって異なります。

駐車場:あり・無料となっており、参拝者は無料で駐車場を利用できます。石段の下の方と、社殿近くの2か所に駐車場が設けられており、足の不自由な方や高齢の方は社殿近くの駐車場を利用することをおすすめします。

駐車場は一般的な乗用車であれば問題なく駐車できますが、大型バスでの団体参拝の場合は事前に神社へ連絡することが望ましいです。

参拝に際して特別な準備は必要ありませんが、石段を登るため歩きやすい靴での参拝をおすすめします。冬季は積雪や路面凍結の可能性があるため、滑りにくい靴を着用し、十分注意して参拝してください。

参照サイト

・函館八幡宮 – 北海道神社庁のホームページ:https://hokkaidojinjacho.jp/函館八幡宮/
・函館総鎮守、歴史ある函館八幡宮を訪ねる | はこぶら:https://www.hakobura.jp/features/96

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