【NOYORI】尾張仏具の技術から生まれる モダンなアイテムたち

有限会社ノヨリは、愛知県名古屋市にある仏具メーカーです。主な事業内容は錺(かざり)金具の製造で、仏具や神具、祭礼具に用いられる装飾金具を取り扱っています。近年は仏具だけでなく、現代の生活に溶け込むインテリアやアクセサリーの製作、販売にも力を入れています。

今回は、伝統的な仏具製作技術から生まれたNOYORIの魅力をご紹介します。

NOYORIとは

有限会社ノヨリは1970年に愛知県名古屋市の野依神仏錺金具店として開業しました。仏具の技術を、3代にわたり引き継いでいます。

伝統的な技術の中に、図面作成のためのCADやNC彫刻機など新しい技術を導入し効率化を図っています。さらに仏具の技術をアクセサリーやインテリアにも活かしています。

尾張仏具

尾張仏具は、名古屋市を中心とする尾張地方で生産される高品質な仏具の総称です。尾張仏具は、400年以上の歴史があり、伝統的な技術によって作られています。昔は良質な木曽檜が木曽川を下り名古屋に集められたことから、木製漆塗り仏具づくりの基盤が形成され、江戸時代後期(1800年頃)には下級武士の内職として仏具づくりが発達したのです。

彫金や木工、漆塗り、金箔など多くの専門性の高い技術が分業化され、より量産性が増し、品質良好と称されました。

錺金具

錺金具とは建物や家具、仏具、神具などに取り付けられる装飾的な金具のこと。主に銅や真鍮などが素材として用いられます。錺金具は、美しさを引き立てるだけでなく、建物や家具の強度を高め、機能性を向上させる役割もあります。

錺金具の制作には、高度な技術が必要で、職人が一つ一つ手作業で丁寧に仕上げます。錺金具は伝統技術の結晶として日本の文化や美意識を象徴する存在です。現代でも、新しいデザインや用途に対応した錺金具が作られており、日本の美意識を表現するアイテムとして認知されています。

職人の野依克彦さんと野依祐月さん

野依克彦さんは、尾張仏具の伝統工芸士として高い評価を受けている名匠です。克彦さんの作品は、細部に至るまでの精密な作りと、素材への深い理解が特徴。全国伝統的工芸品展では、何度も入選を果たしています。

若い職人への技術指導や、現代生活に合う製品開発なども精力的に行い、産地活性化のために尽力しています。

野依祐月さんは、克彦さんの娘でありNOYORIの3代目錺金具師です。祐月さんが、アパレル会社に就職していた頃に、錺金具の技術でアクセサリー製作を始めた父の手伝いをするようになりました。それがきっかけで錺金具の技術に惹かれ、尾張仏具の職人の修行をしながら、アクセサリー製作を行っています。

数少ない錺金具師の継承者として、数々のメディアからも注目され、新聞やテレビ番組に取り上げられています。祐月さんは、尾張仏具の新たな可能性を切り開き、次世代へとその技術を繋ぐ存在です。

おすすめ商品

NOYORIのアイテムの特徴は、何と言っても繊細なデザイン。同じ下絵のデザインを使用していても職人の彫りや仕上がりが異なることから、世界でたった一つだけのオリジナル商品に仕上がります。

【錺-KAZARI-】ヘアカフス/市松

現代のライフスタイルに落とし込むイメージで生まれたヘアーカフスです。日本の文化や工芸を身近に肌で感じられて、なおかつモダンなデザイン。

カフスのデザインは5種類。「市松」は、正方形や長方形を格子状に並べた模様です。上下左右に途切れることなく終わりのないイメージがあるため、永遠や発展、繁栄の意味を持つ、縁起の良い柄です。

市松の他にも、繁栄・健康の「菱」、魔除け・再生の「鱗」、子供の成長・魔除けの「麻」、円満・調 和の「七宝」があります。実際に仏具に使われている柄を使うことで、柄に古くから込められた願いも一緒に身に纏うことができるのです。

【錺-KAZARI-】和柄透かし繋ぎピアス・イヤリング

日本伝統の和柄をモダンにデザインし着用する方へ祈りを込めて作られた、ピアス・イヤリングです。

縁起の良い5種類の柄が施されています。例えば「亀甲模様(写真一番左)」は長寿・健康、「猪の目(写真真ん中)」は福をまねく護符・魔除け、「七宝(写真一番右)」は円満・調和の意味があります。

まとめ

仏具の技術を引き継ぎ、現代のアクセサリーやインテリアに昇華しているNOYORI。

細部にまで職人の魂が刻まれているNOYORIのアイテムを、生活に取り入れてみませんか。

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