江戸硝子で日本の美を表現!田島硝子

朝起きて水を飲むとき。仕事おわりにお酒を交わすとき。どんなグラスで飲みたいですか。

今回は、日本の美しさがぎゅっとつまったグラスを提供する田島硝子を紹介します。

江戸時代からの伝統を守る職人たちが生み出すアイテムにきっと心を動かされるのでしょう。

江戸の技術を受け継ぐ!田島硝子

田島硝子は、江戸時代から受け継がれる「江戸硝子」「江戸切子」を製造する硝子メーカーです。

江戸時代からの技術を絶やしたくない。伝統を未来へ繋ぎたい。

田島硝子では型吹き、細足、モール、被せ、延ばしの技術を継承しています。機械で大量生産するのではなく、すべて手作業でオリジナルの一点もの。

熟練の技術をもった職人から生まれるガラスには、手仕事ならではの繊細さがあります。見る度に美しさを、使う度にぬくもりや心地よさが感じられることでしょう。

世界に誇る伝統を絶やさないよう、江戸硝子・江戸切子・被せ硝子を作り続けているのです。

日本の伝統工芸!江戸硝子とは?

江戸硝子とは、江戸時代から伝わる材料や技法をもとに製造されたガラス製品。2014年に国の伝統的工芸品に指定されました。

江戸硝子づくりに欠かせないのが、約1,400℃の高温で溶かされたガラス。そこに職人が息吹と生命を吹きかけます。

鉄製のさおで巻き取った後、「吹き」「押し」「延ばし」などの技術をおり混ぜながら理想の器を形づくっていきます。

機械で大量生産するのではなく、職人の手によって一点一点製造するのも、江戸硝子の大きな特徴です。

美しい模様が魅力!江戸切子

江戸切子とは、江戸硝子に工業用ダイヤモンドなどで切り込みや模様をつけた製品です。2002年に国の伝統的工芸品に指定されました。

一般的に、最後の仕上げとなる「磨き」の工程では、薬品を使用した「酸磨き」を行います。けれど、田島硝子は「手磨き」。すべて手作業で磨きあげます。

熟練した職人が仕立てた精密なカット模様。飲み物を注ぐ度に、キラキラと輝く美しさが使う人の心を癒します。

色ガラスを重ねる!被せ硝子

田島硝子公式Instagramより

被せ硝子とは、ガラス素地を覆うように色ガラスを重ねて製造したもの。江戸切子の素材としても利用されます。

成形したガラスが熱いうちに、別の色ガラスを被せるのは、高い職人技が必要です。

内側に色ガラスを重ねたときは「内被せ硝子」、外側に色ガラスを重ねたときは「外被せ硝子」と呼ばれます。

日本の美しさの一部であり続けたい

1400度を超える溶けたガラスと向き合う日々。時間と手間がかかる手作業。

どうして、大変な道を進み続けられるのか。それには伝統を守りたいという強い情熱があるからです。

「この国の、息吹であり続ける」

10年、50年、100年先も、日本の美しさの一部であり続けるために、田島硝子は熱く、泥臭く、誠実に、江戸時代から続く伝統を守っています。しかし、伝統技術とはいえ、過去のもの、古いものではありません。

伝統技術を磨き続けているからこそ、田島硝子の技術は今が最高のレベル。令和になっても、革新と進化は止まりません。

機械に負けない!職人の情熱

東京の地場産業として発展した江戸硝子。かつては都内におよそ50社の硝子製造工場がありました。けれど、その数は3社に。機械の発達によって、江戸時代からの技術を受け継ぐ手作りガラスは、貴重な存在となったのです。

機械を使えば大量生産はできますが、極限まで円に近い丸み、まばゆい輝きは生まれません。田島硝子が周りに流されずに手作業を続けられているのは、職人のガラス作りへの情熱があるからではないでしょうか。

そして、その情熱はまだ見ぬアイテムを生み出す原動力にもなっています。

江戸硝子は伝統工芸品として高く評価されていますが、世の中には多くのガラス製品で溢れています。田島硝子は、硝子メーカーとして生き残るためには、見た人、使う人があっと驚くものが必要だと考えました。

不可能を可能にした!黒切子

田島硝子公式Instagramより

江戸硝子業界では、これまで不可能と言われてきた色があります。それは黒色。

田島硝子は、使う人に感動を届けるために、黒切子への挑戦を決意しました。かつて作れなかったものが作れるようになるには、相当な技術革新が求められます。

真っ黒な生地は、他の色と違ってカットする箇所が全く見えないため、うまく削るには洗練された技術が必要です。数百回の失敗をくり返した末、ようやく誰が見ても黒といえる「黒切子」に辿り着きました。

試行錯誤して約1年。不可能と言われた「黒切子」が日本で初めて誕生。黒の美しさとかっこよさを兼ね備えたものはここでしか出会えないでしょう。

おみやげグランプリ受賞!富士ガラス

田島硝子公式Instagramより

そして、もう一つの田島硝子の代表作が「富士山グラス」。2015年に「おみやげグランプリ」 および「観光庁長官賞」を受賞しました。

富士グラスは、グラスの底に、雪を頂く富士山を表現。グラスに注いだ飲み物の色が山肌に見事に反射します。ガラスの美しさが最大限に引き出され、注ぐものや光の具合によって異なる表情を見せるのが魅力です。

富士山グラスシリーズは、さまざまなデザインを展開しています。

富士山グラス

田島硝子公式Instagramより

サイズはロックグラスとタンブラーがあります。大切な人へのギフトにもおすすめです。

桜切子 富士山グラス

田島硝子公式Instagramより

グラスには、富士山と桜がデザインされています。桜の季節やお祝いの席にも、花を添えてくれる逸品です。

富士山 プレミアムグラス

田島硝子公式Instagramより

富士山グラスシリーズに新たに登場した江戸切子モデルです。菊の花を連想させる「菊繋ぎ」という技法を使っています。これには高い技術が必要です。

富士祝盃

田島硝子公式Instagramより

逆さにすると、雪を頂く赤富士と青富士が表れる独創的な作品です。

江戸切子の素材としても使用されるルリと赤の被せ(キセ)ガラスは、透明のガラスに薄く吹いた色ガラスを重ねることで完成します。職人がひとつひとつ吹き上げたもの。山頂の雪はサンドブラスト(彫刻硝子)でリアルに表現しています。

江戸の伝統美で乾杯しよう

職人の息吹と情熱が毎日吹き込まれている田島硝子。伝統を守りながら、使う人の心を動かすために進化を続けています。

「日本の美しさの一部であり続けたい」という覚悟から生まれたグラスは、きっと日常を豊かにする一杯になるのではないでしょうか。

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