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大前神社|1500年の歴史を誇る延喜式内社の魅力と見どころ、参拝案内を完全ガイド

大前神社|1500年の歴史を誇る延喜式内社の魅力と見どころ、参拝案内を完全ガイド

栃木県真岡市の緑豊かな森に鎮座する大前神社は、千五百年以上の歴史を持つ延喜式内社として、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。だいこく様・えびす様を祀る開運招福の神社として親しまれ、極彩色の美しい彫刻が施された本殿は国の重要文化財に指定されています。境内には日本一の大きさを誇るえびす様の御神像もあり、宝くじ当選祈願で全国から参拝者が訪れる話題のパワースポットとしても知られています。

大前神社の概要・基本情報

大前神社|1500年の歴史を誇る延喜式内社の魅力と見どころ、参拝案内を完全ガイド

大前神社は、神護景雲年中(767年-770年)に社殿が再建された記録が残る古社で、平安時代に編纂された延喜式神名帳にも記載される由緒正しい式内社です。「大前」という名前の由来は、かつて神社境内の北側に存在した芳賀沼の大きな突端に位置していたことから「大前(崎)神社」と称されるようになったとされています。

地元では古くから「大前様」「大前大権現」と呼ばれ親しまれており、現在でも多くの人々が「権現様」「大前様」の名で慕っています。承平5年(935年)には平将門が承平天慶の乱の際に合戦勝利を祈願したという歴史的な逸話も残されており、古来より武運長久や開運招福の神社として信仰されてきました。

歴史と由来

大前神社の創建については神代の霊地とも伝えられており、その起源は古代にまで遡ります。文献上では神護景雲年中の社殿再建記録が最古のものですが、実際の歴史はさらに古く、延喜式内社として平安時代には既に重要な神社として認識されていました。

中世には坂東の有力武士団である芳賀氏が神社の守護職を兼ね、22代にわたって大前神社の社領を保護してきました。芳賀氏は神社の東に若色城、南に御前城を築き、神社を中心とした地域支配を行っていたことからも、当時の大前神社の重要性がうかがえます。

平安期には常陸国坂東の東叡山黒子千妙寺の末寺を別当寺とし、神仏習合により薬師如来も配祀されていました。江戸時代には庶民信仰の高まりとともに現在の美しい社殿群が建立され、関東地方における装飾建築の発展にも大きな影響を与えました。

祭神とご利益

大前神社の御祭神は、福の神として親しまれる大国主大神(だいこく様)と、その御子神である事代主大神(えびす様)です。配祀神として天照皇大御神と八百万の神々もお祀りされており、まさに日本の神々が一堂に会する聖地となっています。

だいこく様は出雲大社の主祭神としても知られる大国主大神で、縁結びや家内安全、商売繁盛、農業振興などの幅広いご利益があるとされています。また、えびす様として親しまれる事代主大神は、商売繁盛や金運招福、漁業・海上安全の神様として信仰されており、特に商売を営む方々から厚い信仰を集めています。

この二柱の神様は「二福神」とも呼ばれ、親子で産業発展の礎を築かれた神様として、開運招福・健康・縁結び・病気平癒・家内安全など、人生のあらゆる局面でご加護をいただけるとして多くの参拝者が訪れています。近年では宝くじ当選のご利益でも話題となり、全国各地から願いを込めて参拝する人々が絶えません。

大前神社の見どころ・特徴

大前神社|1500年の歴史を誇る延喜式内社の魅力と見どころ、参拝案内を完全ガイド

大前神社の最大の見どころは、江戸時代初期から中期にかけて建立された華麗な社殿群です。本殿・拝殿・幣殿はすべて国の重要文化財に指定されており、関東地方の装飾建築の傑作として高く評価されています。また、平成元年に建立された高さ約20メートルの巨大なえびす様の御神像は「日本一えびす様」として親しまれ、多くの参拝者の目を楽しませています。

境内東側を流れる五行川のせせらぎや、初春に咲く寒紅梅の美しさも大前神社の魅力の一つです。自然豊かな環境の中で、歴史ある建造物と四季折々の自然美を同時に楽しむことができる貴重な空間となっています。

建造物・構造の魅力

大前神社の本殿は宝永4年(1707年)に建立され、拝殿および幣殿は17世紀末期に関東各地から技量の優れた大工を招いて建てられました。これらの建造物は、日光東照宮から東国へと展開した装飾建築美の先駆けとして位置づけられており、北関東における装飾豊かな神社建築の初期段階の様相を示す貴重な遺構です。

本殿は桁行三間、梁間二間の入母屋造で、向拝一間を備えています。組物には見事な龍の彫刻が施され、柱や壁には幾何学意匠の地紋彫などが随所に配されています。これらの装飾は当時としては先駆的な手法で施されており、関東地方における装飾建築普及の萌芽を示す重要な建造物として評価されています。

拝殿では正面の向拝周りで彫刻を多用し、屋根には千鳥破風を飾るなど、華やかな拝所空間を演出しています。極彩色で彩られた彫刻群は「仙人図と水の恵み」をテーマとし、建物の未来への継承を願う「水神」や、神様の力を表現する神聖な霊獣・霊鳥が巧みに配置されています。これらの彫刻は名工藤田孫平治や島村円哲らの手によるもので、江戸時代の優れた工芸技術を現代に伝える貴重な文化遺産となっています。

日本一えびす様と大前恵比寿神社

大前神社境内の若宮社である大前恵比寿神社には、平成元年12月10日に完成した高さ約20メートルの巨大なえびす様の御神像が鎮座しています。この御神像は地元有志の方々によって大前神社に奉納されたもので、「日本一えびす様」として親しまれています。

大谷石造りの台座の中には社殿が設けられており、平成元年12月9日の夜に本社である大前神社から事代主神(えびす様)の御神霊を分祀する分祀祭が斎行されました。そのため、大前恵比寿神社の御祭神は事代主神(えびす様)となっています。

この日本一えびす様は、その巨大さと温和な表情で多くの参拝者を魅了しており、特に宝くじ当選祈願で訪れる人々が後を絶ちません。実際に宝くじに当選したという報告も多数寄せられており、境内には御礼の絵馬が数多く奉納されています。商売繁盛や金運招福を願う参拝者にとって、まさにパワースポットとしての役割を果たしています。

極彩色の彫刻群と重要文化財

大前神社の本殿、拝殿、幣殿に施された極彩色の彫刻群は、江戸時代の装飾建築技術の粋を集めた傑作として、平成30年(2018年)12月25日に国の重要文化財に指定されました。これらの彫刻は単なる装飾ではなく、深い宗教的意味と芸術的価値を併せ持つ貴重な文化遺産です。

本殿の彫刻には、龍をはじめとする神聖な霊獣・霊鳥が数多く配されており、神様の力と威厳を表現しています。特に組物に施された龍彫刻は見事な出来栄えで、躍動感あふれる姿は見る者を圧倒します。また、柱や壁面には幾何学的な地紋彫が施されており、建物全体に統一感と美しさをもたらしています。

拝殿の向拝部分には「仙人図」や「水の恵み」をテーマとした彫刻が配され、水神の力によって建物が未来永劫に継承されることを願う意味が込められています。これらの彫刻は極彩色で彩色されており、朱色、金色、青色などの鮮やかな色彩が調和して、荘厳で美しい空間を創り出しています。

これらの装飾建築は、北関東において庶民信仰を背景に装飾豊かな神社建築が急速に普及する初期段階の様相を示しており、技術や意匠の展開過程を知る上で非常に重要な史料的価値を有しています。

参拝・拝観案内

大前神社|1500年の歴史を誇る延喜式内社の魅力と見どころ、参拝案内を完全ガイド

大前神社では、だいこく様・えびす様の御神徳にあずかる様々な参拝方法が用意されています。一般的な参拝はもちろん、人生の節目や願い事に応じたご祈祷も随時受け付けており、多くの参拝者が心を込めて祈りを捧げています。境内は24時間参拝可能で、早朝や夕方の静寂な時間帯には特に神聖な雰囲気を感じることができます。

年間を通じて執り行われる祭礼や行事も大前神社の魅力の一つです。特に例大祭では真岡市の文化財に指定された大々神楽が奉奏され、古来より伝わる神事の荘厳さを間近で体感できます。

参拝作法とマナー

大前神社での参拝は、一般的な神社参拝の作法に従って行います。まず境内に入る際は鳥居の前で一礼し、参道は中央を避けて歩きます。手水舎で心身を清めた後、拝殿前で二拝二拍手一拝の作法でお参りします。

大前神社では、まず本社である大前神社で参拝を済ませてから、境内の若宮社である大前恵比寿神社(日本一えびす様)にお参りするのが正式な順序とされています。それぞれの神様に心を込めてお参りすることで、より深いご利益をいただけるとされています。

ご祈祷を希望される場合は、祈祷受付で申込書に記入し初穂料を納めます。受付時間は午前8時30分から午後4時20分までで、随時対応しています。祈祷の種類は家内安全、交通安全、商売繁盛、厄除け、方位除け、良縁祈願、身体健全、合格祈願、開運祈願、安産祈願など多岐にわたり、それぞれの願いに応じて丁寧な祈祷が行われます。

年中行事・季節のイベント

大前神社では年間を通じて多彩な祭礼と行事が執り行われています。最も重要な祭礼は、祈年祭(3月28日)、例大祭(11月9・10日)、新嘗祭(11月27日)の三大祭で、これらの祭礼では神楽殿にて大々神楽が奉奏されます。

大々神楽は江戸時代中期に伊勢神宮より伝承されたとされる神事で、二十六座の神々の舞から構成されています。特に「だいこくえびすの舞」や「天狐白狐の舞」、「天の岩戸舞」などは見どころで、開運招福、天地平安、五穀豊穣、子孫繁栄などを祈願して舞われます。

春には境内の寒紅梅が美しく咲き、参拝者の目を楽しませています。また、毎月の特別な日には限定的な行事も行われており、一粒万倍日には特別な御朱印や御守りの頒布があります。7月には七夕まつりも開催され、願いを込めた短冊を奉納することができます。

正月三が日には初詣の参拝者で境内が賑わい、特に日本一えびす様への宝くじ当選祈願で多くの人々が訪れます。この時期には特別な神札やお守りも授与され、新年の願いを込めて多くの参拝者が祈りを捧げています。

御朱印・お守り情報

大前神社では、御祭神のだいこく様・えびす様にちなんだ多種多様なお守りと御朱印を授与しています。最も人気が高いのは「幸運守」で、御祭神のお姿をデザインした金運招福のお守りです。このお守りを受けた崇敬者が高額当選を果たしたことから、宝くじ当選のご利益があるとして全国各地から問い合わせが寄せられています。

その他にも、国重要文化財指定記念として奉製された「鳳凰守」や、御祭神のお使いである鯉をかたどった「しあわせこい守」、交通安全を願う「身代りこけし守り」など、様々な願いに応じたお守りが用意されています。また、子どもの健やかな成長を願う「すくすく守」や「ランドセル守」なども人気です。

御朱印については、通常の御朱印に加えて季節限定や特別な日限定の御朱印も授与されています。動物をモチーフにした型抜き御朱印も人気で、特に白蛇御朱印や一粒万倍日限定の米粒型御朱印は多くの参拝者から注目されています。御朱印の受付時間は午前8時30分から午後5時までです。

遠方の方には郵送での授与も行っており、専用申込フォームやFAX、文書郵送により申し込むことができます。神札については、大前神社の神札をはじめ、神宮大麻や無火災祈願札などの神棚用神札セット、願い事に応じた木札なども用意されています。

アクセス・利用情報

大前神社|1500年の歴史を誇る延喜式内社の魅力と見どころ、参拝案内を完全ガイド

大前神社へのアクセスは、自家用車でのご来社が最も便利です。北関東自動車道真岡インターチェンジから約15分の距離にあり、宇都宮方面からは約50分でお越しいただけます。公共交通機関をご利用の場合は、真岡鐵道真岡線北真岡駅から徒歩約15分となっています。

境内には無料の駐車場が複数箇所に設置されており、合計で約200台の駐車が可能です。ただし、初詣や大祭などの行事の際には混雑が予想されるため、早めのお越しをお勧めします。

交通アクセス

車でお越しの場合、最寄りのインターチェンジは北関東自動車道の真岡インターチェンジです。インターチェンジから国道408号線を経由し、約15分でお越しいただけます。宇都宮方面からは国道4号線から国道294号線を経由するルートもあり、約50分の道のりです。

電車でお越しの場合は、JR宇都宮駅から真岡鐵道真岡線に乗り換え、北真岡駅で下車後、徒歩約15分となります。真岡鐵道は週末を中心にSL列車も運行しており、レトロな雰囲気の鉄道旅も楽しめます。

バスをご利用の場合は、JR宇都宮駅から関東バス「宇都宮東武~真岡営業所」方面行きに乗車し、「大前神社前」バス停で下車すると徒歩すぐの立地にあります。運行本数は限られているため、事前に時刻表をご確認ください。

境内までの道路は整備されており、大型バスでの団体参拝も可能です。団体でのご参拝をご希望の場合は、事前に神社まで連絡いただければ詳細なご案内をいたします。

拝観時間・料金・駐車場情報

大前神社の境内への参拝は24時間可能で、特に拝観料などはかかりません。ただし、授与所の営業時間は午前8時45分から午後5時までとなっており、御朱印やお守りの授与はこの時間内にお越しください。ご祈祷をご希望の場合は、午前8時30分から午後4時20分まで随時受け付けています。

駐車場は境内周辺に複数箇所設置されており、すべて無料でご利用いただけます。普通車約200台の収容が可能で、大型バスにも対応しています。初詣や例大祭などの混雑時には臨時駐車場も開設されますが、満車となる場合もありますので、時間に余裕を持ってお越しください。

境内にはバリアフリー対応の設備も整っており、車椅子での参拝も可能です。ただし、本殿周辺は階段があるため、介助が必要な場合は事前にお声かけいただければご案内いたします。

また、大前神社では毎月第2日曜日(1月と11月は実施なし)にお宝骨董市も開催されており、参拝と併せて楽しむことができます。地元の方々との交流も深められる貴重な機会となっています。

<住所> 〒321-4306 栃木県真岡市東郷937

参照サイト

・延喜式内 大前神社 公式サイト:https://oosakijinja.com/
・日本一えびす様の大前恵比寿神社:https://ebisujinja.com/

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