
帯廣神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
北海道帯広市の中心部に鎮座する帯廣神社は、明治時代の開拓とともに歩んできた歴史ある神社です。近年では「シマエナガの聖地」として全国的に注目を集め、美しい花手水や独創的な授与品でも話題となっています。
帯廣神社の概要・基本情報
帯廣神社は、明治16年に静岡県松崎出身の依田勉三らが晩成社を組織してオベリベリ(現在の帯広)に入植し、明治18年より祭礼(天王祭)を営んだのが創祀とされています。現在の地に神社が創立されたのは明治43年で、同年9月24日に札幌神社(現在の北海道神宮)より御霊代を鎮斎し、爾来当社例祭日を9月24日としました。
昭和51年7月には別表神社に加列され、北海道に7社ある別表神社のひとつとして格式高い地位を占めています。帯広市の総鎮守として、地域の発展とともに歩み続けてきた神社です。
歴史と由来
明治16年、静岡県松崎町出身の依田勉三等により組織された開拓団体「晩成社」の頃より、巨木の前にお祀りされた祠の前で祭礼が営まれた記録があり、後に帯廣神社と称されて崇敬されておりました。興味深いことに、この頃の祭礼では余興を兼ねた競馬も催され、現在のばんえい競馬の始まりともいわれております。
明治42年に社殿造営の議起り、町内会議の上で現在地に新たに神社を創立することを決定し、翌年に現在の場所での歴史が始まりました。その後、大正7年に郷社、昭和5年9月には県社に昇格するなど、段階的に社格を上げていきました。
昭和54年に新社殿他が造営され、翌昭和55年には社務所を改築し、同年9月に奉祝祭を斎行するなど、現在の美しい境内の基礎が整えられました。
祭神とご利益
ご祭神は大國魂神(おおくにたまのかみ)、大那牟遅神(おおなむちのかみ)、少彦名神(すくなひこなのかみ)の開拓三神です。特に大那牟遅神は大国主神(大黒さま)の別名で、縁結び、商売繁昌のご利益があります。
これらの神々は北海道開拓の守護神として信仰され、農業、商業、医療、武道など幅広い分野でのご利益があるとされています。特に縁結びのご利益は有名で、多くの参拝者が良縁を求めて訪れています。
帯廣神社の見どころ・特徴
帯廣神社は伝統的な神社の荘厳さと現代的な魅力を併せ持つ、全国でも珍しい神社です。神社の伝統だけにとらわれず現代の流れに沿った魅力的な取り組みを積極的に行っています。
シマエナガの聖地として
雪の妖精シマエナガが遊びにやってくる神社として知られる帯廣神社。シマエナガは秋から春にかけてよく見かけ、SNSで目撃情報などを発信しています。たびたびシマエナガ本や雑誌、野鳥愛好家の会報などでも紹介され、シマエナガの聖地、シマエナガ神社として知られるようになりました。
緑豊かな境内の森には可愛いエゾリスが生息し、シマエナガを始めとした多くの野鳥も飛来します。野鳥観察を目的とした参拝者も多く、特に冬季にはシマエナガに出会える可能性が高くなります。
全国6位の美しい花手水
全国ランキング6位に選ばれた花手水は、ゴールデンウィーク、夏詣期間、例祭中の年6回の期間限定の開催となっています。境内の5か所でつくばいや火鉢、ビー玉を浮かべるなど、大小さまざまな雰囲気で「花手水めぐり」が楽しめます。
北海道では一番初めに取り入れ、全国の花手水10選にも選出されています。色とりどりの花々が水面に浮かぶ光景は、参拝者の心を癒やし、SNSでも話題となっています。
緑豊かな境内と自然環境
自然豊かな境内は、1974年に北海道の環境緑地保護区に指定。ハルニレ、クルミ、カツラなどの大木が自生するほか、シマエナガ、エゾリス、エゾモモンガといった野生動物も数多く生息しています。
帯廣神社の神池は、夏に浮草(ウキクサ)が発生し、神秘的な緑色に包まれて「緑の池」、「抹茶の池」とも呼ばれています。特に雨上がりの曇りの日が綺麗です。この美しい池は近年SNSで注目を集め、多くの写真愛好家が訪れています。
参拝・拝観案内
帯廣神社では、伝統的な参拝作法を大切にしながらも、現代の参拝者が親しみやすい環境作りに力を入れています。帯廣神社では日々の「お散歩」を推奨しており、「おさんぽがてら神社をお参り・お参りしながら神社を散さく」のキャッチコピーのもと、健康維持と気分転換、そして明日への活力を養ってほしいと「お散歩参り」の普及を願っています。
参拝作法とマナー
神社での参拝は、まず鳥居の前で一礼してから境内に入ります。手水舎で手と口を清め、拝殿前では二拝二拍手一拝の作法で参拝します。帯廣神社の境内は自然豊かで野生動物も生息しているため、静かに参拝し、動物たちの生活環境を尊重することが大切です。
よく芝生と間違え、お子さんや愛犬が池に落ちることがありますのでご注意を!(深さは大人のひざ下ぐらい)とのことですので、特に「緑の池」周辺では注意が必要です。
年中行事・季節のイベント
初詣から数えて半年後に神社をお参りする「夏詣」は、帯廣神社では6月30日の大祓いから始まり、北海道の夏が終わる8月15日までとしています。境内に50個の「五十鈴の風鈴」がちりばめられ、境内全域が涼しげな音色で満たされます。
花手水も夏詣期間内に期間限定で4回公開され、心安らぐ空間となっています。例祭は毎年9月24日に行われ、これは札幌神社(現在の北海道神宮)より御霊代を鎮斎した日に由来しています。
御朱印・お守り情報
現在は、全て書置きのみのお渡しとなっています。帯廣神社の御朱印は、雪の結晶の文様和紙に、御朱印のみを押印(伊勢神宮の方式)。シマエナガの型抜き御朱印も帯廣神社オリジナルで大変人気があります。
帯廣神社のお守りや授与品は、定番のお守りの他に、宮司が自らデザインしたものが大変人気となっています。特に人気なのは:
- シマエナガみくじ:雪の妖精シマエナガが遊びにやってくる神社ならではの、可愛らしい陶器製のおみくじです
- 鮭みくじ:北海道で展開している蝦夷みくじシリーズの鮭みくじ(魔鮭福鱒)です。魚を運ぶトロ箱を模した木箱から、釣りざおで釣ってもらいます
- 大丈夫まもり:帯広開拓の祖 依田勉三翁が開拓に際して詠んだ和歌をもとに、大風でも、大波でも、どんな困難があっても大丈夫、との力強い願いを込めて奉製いたしました。全て黒一色で奉製された珍しいお守りです
『鋼の錬金術師』でも知られる漫画家、荒川弘さんの『銀の匙 Silver Spoon』で主人公の初デートの場所として帯廣神社(大蝦夷神社)が登場します。「ばんば馬型の絵馬」に願いを込めるシーンが描かれ、聖地巡礼の記念に絵馬を受けられるファンの姿も見られます。
アクセス・利用情報
帯廣神社は帯広市の中心部からアクセスしやすい立地にあり、公共交通機関でも車でも参拝しやすい環境が整っています。
交通アクセス
電車でのアクセス:JR帯広駅から徒歩約24分、または帯広駅バスターミナル8番乗り場から、十勝バス [7]水光線 東13条(帯広市)行乗車→総合振興局前下車から徒歩2分
車でのアクセス:「帯広駅」から車で6分、札幌~帯広約2時間45分、新千歳空港~帯広約2時間35分
<住所> 〒080-0803 北海道帯広市東3条南2丁目1番地
拝観時間・料金・駐車場情報
参拝時間:神門の開門時間 5:00~18:00(4月~9月)、5:30~17:30(10月・3月)、6:00~17:00(11月~2月)
授与所開設時間:9:00~17:00
参拝料:無料
駐車場:約150台の無料駐車場があります。駐車場は道路を挟んでお向かいにありますとの情報があり、大型バスも駐車可能です。
問い合わせ:TEL 0155-23-3955 FAX 0155-23-3956
祈祷受付時間や詳細な年中行事については、事前に神社へお問い合わせいただくことをお勧めします。
参照サイト
・帯廣神社 公式ホームページ:https://www.obihirojinja.jp/