
山名八幡宮|安産と子育ての由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
群馬県高崎市に鎮座する山名八幡宮は、約840年の歴史を誇る由緒ある神社です。清和源氏新田義重の子で、山名氏の祖の山名義範が安元年間(1175年 – 1177年)に豊前国(大分県)の宇佐神宮から勧請し、文治年間(1185年 – 1190年)に社殿を造営したと伝えられています。古くから安産・子育て・虫封じの神として厚い信仰を集め、現在でも多くの参拝者が訪れる群馬県を代表する神社のひとつです。また、2017年にはグッドデザイン賞を受賞した現代的な取り組みでも注目を集めており、伝統と革新が調和した魅力的な聖地として親しまれています。
山名八幡宮の概要・基本情報
山名八幡宮は群馬県高崎市山名町に位置し、上信電鉄山名駅から徒歩1分という交通至便な場所にあります。旧社格は郷社で、地域の人々に深く愛され続けてきた歴史ある神社です。境内は自然豊かな環境に包まれ、都市部にありながら静寂と荘厳さを感じることができる神聖な空間となっています。
歴史と由来
源氏の一族新田氏の祖義重の子、義範が山名城にあって安元年中(1175~77)に豊前の国(大分県)の宇佐八幡宮を勧請して社殿を造営し武神として崇敬したのを始めとする山名八幡宮は、平安時代後期から続く長い歴史を持ちます。
創建に関わった山名義範は、応仁の乱の際、西軍の指揮を執った山名宗全の祖でもあり、この山名郷に入って山名氏の祖となった重要な人物です。義範は源頼朝の右腕として活躍し、山名八幡宮はその一族の氏神として大切に守られてきました。
特に安産・子育ての神として有名になったのは、応永年間に南朝の尹良親王が山名城に滞在の折、城主世良田政義の娘が親王の子(良王君)を懐妊し、当社にその安産を祈願したと伝えられることに由来します。無事産まれた男の子は「よしたか君」と名付けられ、その後も健やかに成長されました。このことが広く伝わり「山名八幡宮」は、安産と子育ての神社として永く称えられ、現在でも多くのご家族がご祈願に訪れています。
祭神とご利益
山名八幡宮では、玉依比売命(たまよりひめのみこと)、品陀和気命(ほんだわけのみこと)=応神天皇、息長足比売命(おきながたらしひめのみこと)=神功皇后の三柱を祭神として祀り、祭祀を絶やすことなく今日に至っています。
主なご利益として、安産・子育て・虫封じが特に有名ですが、それ以外にも厄除け、交通安全、商売繁盛、養蚕の守護神としても信仰されています。戌の日は、12日ごとに訪れる日付の干支のことです。戌(犬)は出産が軽く、子沢山で有名なことから安産の守り神とされています。また、戌の日に続く亥の日も、亥(猪)が多産であることから、子孫繁栄を祈願する風習があり、山名八幡宮では、亥の日の参拝も推奨されています。
山名八幡宮の見どころ・特徴
山名八幡宮の境内には数多くの見どころがあり、歴史的価値の高い建造物から自然の恵み、そして現代的な取り組みまで、多彩な魅力に満ちています。特に近年は伝統的な神社としての役割を保ちながらも、現代のライフスタイルに寄り添った新しい取り組みが評価され、多くの人々に愛される場所となっています。
建造物・構造の魅力
山名八幡宮の本殿は、三間社流造銅板葺で背面千鳥破風付、向拝唐破風付で前橋藩主・酒井雅楽頭によって明和4年(1767年)に建造されたもので、幣殿も同時期の建築とみられます。江戸時代中期の優れた神社建築として高く評価されており、平成7年3月24日に高崎市指定重要文化財に指定されています。
本殿の装飾は特に見事で、蜃・象鼻・鳳凰・龍・獏・唐獅子などの神獣の彫刻が施されており、平成になって極彩色に塗りあげられた美しいものです。江戸時代中期に建てられた本殿には、彫刻師・関口文治郎の見事な宮彫りが残っています。
参道には珍しい特徴があり、当社参道を上信電鉄の線路が横切っているので線路の下をくぐって進むと神門があり、神門の奥が境内という、他では見られない独特の構造となっています。この線路下をくぐるという体験も、山名八幡宮ならではの魅力のひとつです。
陰陽神木と境内の自然
山名八幡宮のシンボルとも言える「陰陽神木」は、樹齢300年以上の大木で、子宝に恵まれるという言い伝えがあります。日本の神話の中で、伊邪那岐命と伊邪那美命が天之御柱(神木)を周ったことにより、たくさんの御子神を授かったとも伝えられているのです。そのため、この陰陽神木の周りを周ったり、触れたりすると、子宝に恵まれると言い伝えられています。
境内にはムクやケヤキなどの立派な御神木も点在しており、四季を通じて豊かな自然の表情を楽しむことができます。特に春の新緑や秋の紅葉の時期には、神聖な空間がより一層美しく彩られます。
本殿の裏には「裏神様」と呼ばれる古来より疳の虫や厄を食い切る神獣として伝わる獅子頭が祀られており、拝殿でお参りした後に裏神様にもお参りすることで、さらに良い御利益を授かることができるとされています。
文化財・重要な所蔵品
山名八幡宮には、歴史的価値の高い文化財が複数保存されています。山名八幡宮算額(昭和50年1月31日指定) – 明治18年(1885年)、関流岸幸太郎の奉納は、江戸時代から明治時代にかけて盛んだった和算文化を物語る貴重な資料です。
また、参道には「太刀割りの石」という興味深い史跡があります。慶長五年(1600年)、馬庭念流中輿の祖といわれる樋口定次が、天眞流、村上天流と、高崎城主、井伊直政の前で御前試合をするにあたり、山名八幡宮に神助を祈願して参籠し、満願の日に、社前の大石を枇杷の木刀で打ち割ったと伝えられる石で、武術の歴史を物語る貴重な遺跡として保存されています。
山名一族の神馬像は、全国の山名氏の末裔が奉納したもので、神馬は西国を向いており、山名氏とゆかりの深い地域への思いを表現した象徴的な存在となっています。
参拝案内
山名八幡宮では、古くからの伝統的な参拝作法を大切にしながらも、現代の参拝者が心地よく過ごせるよう様々な配慮がなされています。特に安産・子育ての神社として、妊娠中の女性や小さなお子様連れの家族が安心して参拝できる環境づくりに力を入れています。
参拝作法とマナー
山名八幡宮での参拝は、一般的な神社の作法に従って行います。参道を進む際は中央を避けて歩き、参道右手に手水舎があり、鮮やかな朱の鳥居が立っていますので、手水舎で心身を清めてから参拝しましょう。
拝殿での参拝は二拝二拍手一拝の作法で行い、心を込めて祈願します。山名八幡宮の特徴として、本殿での参拝後は本殿の真裏にある迫力あるこちらの獅子頭。こちらは、山名八幡宮の象徴でもある「裏神様」にもお参りすることをお勧めします。本殿後方の中門には裏神様を祀られているそうで、獅子頭が置かれています。
駐車場から境内に入ってすぐのところには、お手洗いや休憩スペースのある建物があります。誰でも自由に利用できるスペースで、ソファー席でゆっくりとくつろぐこともできます。安産子育ての宮としてもうれしい、授乳スペースやお子さんが喜ぶ絵本も用意されており、小さなお子様連れの方も安心して参拝できます。
年中行事・季節のイベント
山名八幡宮では、春季、秋季の例祭には近在からの参拝が多く露天が立ち並び、商売繁昌・養蚕・安産・子育ての神として、しし頭・虫切り鎌、などを求める人々で賑わっています。これらの例祭は地域の重要な年中行事として位置づけられており、多くの参拝者で賑わいます。
特に安産祈願については、安定期に入る妊娠5か月目、最初に迎える戌の日に、神社へ安産祈願のお参りをする慣習があり、多くの妊婦さんとご家族が参拝されます。また、お宮参りや七五三詣なども盛んに行われており、家族の大切な節目を神様と共に祝う場として親しまれています。
初詣の時期には多くの参拝者が新年の祈願に訪れ、一年の無事と家族の健康を祈ります。季節ごとに境内の自然も美しく変化し、特に陰陽神木をはじめとする樹木の四季の表情は見どころのひとつです。
御朱印・お守り情報
山名八幡宮の御朱印は、種類が豊富なのも魅力的です。黒と赤のシンプルなデザインのものからカラフルなものまでありました。毎月デザインが変わる、各月100枚限定の御朱印もいただけるので、御朱印集めファンの方はチェック必須です。通常の御朱印に加えて、弁財天の御朱印なども授与されており、複数の御朱印を集める楽しみもあります。
お守りについては、安産・子育ての神社らしく、安産祈願のお守りや子育てに関するお守りが充実しています。また、厄除けや交通安全のお守りも用意されており、様々な願いに応じたお守りを選ぶことができます。
虫封じに関連する特別なお守りや、しし頭・虫切り鎌などの伝統的な授与品も人気があり、古くからの信仰を現代に伝える貴重なものとなっています。
アクセス・利用情報
山名八幡宮は群馬県高崎市の中心部からアクセスしやすい立地にあり、公共交通機関でも自家用車でも便利に参拝できます。特に最寄り駅からの距離が非常に近いことが大きな魅力となっています。
交通アクセス
公共交通機関をご利用の場合、上信電鉄上信線・山名駅より徒歩1分という非常に便利な立地です。山名駅は高崎駅から上信電鉄で約15分程度の距離にあり、都心部からのアクセスも良好です。
自動車でお越しの場合は、上信越自動車道藤岡ICより車で10分、関越自動車道高崎ICから車で20分となっています。高崎市街地からは群馬県道30号線を利用してアクセスできます。
参拝の際の目印として、30号線に参道の入り口があり、大きな両部鳥居と社号標が立っていますので、こちらを目指してお越しください。境内への入口では上信電鉄の線路をくぐると、山名八幡宮の随身門の前に出ますという独特の構造になっています。
<住所> 〒370-1213 群馬県高崎市山名町1581
拝観時間・料金・駐車場情報
山名八幡宮の参拝時間や拝観料については、一般的な神社と同様に境内への立ち入りは基本的に自由となっていますが、ご祈願やお守りの授与については受付時間が設定されている場合があります。詳細な時間や料金については、事前に神社へお問い合わせいただくことをお勧めします。
駐車場については境内に参拝者用の駐車場が整備されており、駐車場から境内に入ってすぐのところには、お手洗いや休憩スペースのある建物があるため、車でお越しの方も安心です。ただし、例祭などの特別な行事の際には混雑が予想されますので、公共交通機関のご利用もご検討ください。
境内には境内には天然酵母と国産小麦パンピッコリーノや親子カフェミコカフェも併設されており、参拝後にゆっくりとお過ごしいただくことも可能です。これらの施設はデザインもさることながら、少子化時代の今だからこそ、この神社の取り組みが世間に役立っているとして2017年にグッドデザイン賞を受賞した現代的な取り組みの一環として運営されています。
参照サイト
・山名八幡宮 公式ホームページ:https://yamana8.net/
・高崎観光協会:https://www.takasaki-kankoukyoukai.or.jp/?p=7555
・高崎市公式ホームページ 文化財情報:https://www.city.takasaki.gunma.jp/site/cultural-assets/3707.html