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羅臼神社|知床の総鎮守として守る神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

羅臼神社|知床の総鎮守として守る神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

世界自然遺産・知床半島の羅臼町に鎮座する羅臼神社は、江戸時代幕末に航海安全・漁場繁栄を願って建立された由緒ある神社です。知床の総鎮守として羅臼の街を見守り続け、地域の人々に愛され続けています。境内には羅臼岳山系の清らかな湧水が湧く羅臼権現水もあり、参拝者の心を癒してくれます。

羅臼神社の概要・基本情報

羅臼神社|知床の総鎮守として守る神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

羅臼神社は北海道目梨郡羅臼町栄町127番地1に鎮座する神社で、例祭日は7月2日です。創立は遠く安政年間にあり、松前藩の領地の頃請負漁場として目梨漁場の開発に際し、羅臼岳霊峰の山霊を船見町の丘陵地に小社を建立して、航海安全・漁場繁栄を願って祀ったのが初めとされています。

歴史と由来

明治年間に至り、住民が激増し村落を形成するまでに発展したので、神社を環境のよいところに移転することとなり、住民相計り四国の讃岐に鎮座する金刀比羅宮から御祭神の神璽を奉戴し羅臼金刀比羅神社として明治28年6月15日に現在地に遷座しました。其の後、大正3年、昭和9年、昭和50年と御社殿の御造営を行い現在に至っています。

昭和32年8月3日宗教法人羅臼神社を設立し、現在まで地域の信仰の中心として重要な役割を果たしています。羅臼という地名は、アイヌ語の「ラ・ウシ」(獣の骨のある所)から転化したものといわれ、この辺り一帯でアイヌの人たちが狩猟を行っていたことに由来します。

祭神とご利益

羅臼神社の祭神は、大國主命(おおくにぬしみこと)、崇徳天皇(すとくてんのう)、事代主神(ことしろぬしのかみ)、羅臼岳山霊(らうすだけさんれい)の四柱です。

大國主命は出雲大社の主祭神としても知られ、国土開拓、農業、商業、医療の神として広く信仰されています。縁結びや家族円満、商売繁盛のご利益があるとされています。崇徳天皇は学問の神として知られ、事代主神は商売繁盛や漁業の守護神として信仰されています。特に羅臼岳山霊は、この地域の霊峰である羅臼岳の山の神として、航海安全や漁業繁栄を願う地域の人々の信仰を集めています。

羅臼神社の見どころ・特徴

羅臼神社の社殿様式は権現造で、社殿面積は59坪(194.7㎡)、境内面積は3,394.1坪(11,200.6㎡)という規模を誇ります。知床の豊かな自然に囲まれた境内は、四季を通じて美しい景観を楽しむことができ、参拝者に静寂と安らぎを提供しています。

建造物・構造の魅力

柱に使っているのは樹齢500年余りのイチイの木で、この地域の歴史と自然の恵みを感じさせる貴重な建材が使用されています。権現造の社殿は、本殿と拝殿が石の間で結ばれた伝統的な神社建築様式で、格調高い佇まいを見せています。

鳥居も神社の建物も新しく綺麗な神社で、鳥居に続く階段の両脇につつじが咲いていてとても綺麗との参拝者の声もあり、整備の行き届いた美しい境内が印象的です。境内には旧本殿跡の碑が建っており、法人50周年を記念し、羅臼神社本殿跡(明治28年~大正3年)に石碑を建立されています。

自然・景観の美しさ

ちょっとした丘の上にある、知床の総鎮守として位置する羅臼神社からは、羅臼の街並みや根室海峡を一望することができます。知床連山の雄大な山々を背景に、国後島の姿も天候に恵まれれば望むことができる絶好のロケーションです。

自然の中にある神社ならではで、エゾシカが参拝することもあるというエピソードは、知床の豊かな自然環境を物語っています。春にはつつじが美しく咲き誇り、秋には紅葉に彩られた境内が参拝者を迎えます。

羅臼権現水

境内に羅臼権現水という羅臼岳山系の湧水がいただける場所があり、これは羅臼神社の大きな魅力の一つです。社殿左側にある道路を降りた先には羅臼権現水(らうすごんげんすい)という湧水があり、飲用可能となっていまして結構美味しかったとの体験談もあります。

この湧水は羅臼岳から流れ出る清らかな水で、古くから地域の人々に親しまれてきました。参拝の際にはぜひ味わっていただきたい、神聖な水として大切にされています。

参拝・拝観案内

羅臼神社は一年を通じて参拝が可能で、特に制限時間はありませんが、一般的には日中の参拝が推奨されます。知床の総鎮守として地域の人々に親しまれており、観光客も気軽に立ち寄ることができる開放的な雰囲気があります。

参拝作法とマナー

神社での参拝は、まず鳥居をくぐる前に一礼し、参道の中央を避けて歩きます。手水舎で手と口を清めてから拝殿へ向かい、二拝二拍手一拝の作法で参拝します。羅臼神社では特に航海安全や漁業繁栄、家族円満、商売繁盛などを願う参拝者が多く訪れます。

自然豊かな境内では、エゾシカなどの野生動物に遭遇することもありますが、餌を与えたり近づいたりせず、静かに見守るようにしましょう。また、羅臼権現水をいただく際は、感謝の気持ちを忘れずに大切に扱うことが重要です。

年中行事・例大祭

羅臼神社の例大祭は毎年7月2日に行われ、漁業者の多いこの町では氏子も多く羅臼の祭りとして定着しています。当日祭では神輿を担ぎ練り歩く勇ましい若者の姿が見られ、各町内会女性部による奉仕活動も行われます。

例大祭は羅臼町の重要な年中行事として位置づけられており、地域住民だけでなく観光客も参加できる開かれた祭りとなっています。祭りの期間中は境内が特に賑やかになり、地域の結束を深める大切な機会となっています。

御朱印情報

羅臼神社では御朱印を受けることができ、受付時間は07:00~19:00となっています。常時受付可能となっており、参拝の記念として多くの方が御朱印をいただいています。御朱印は神社への参拝の証として大切にされ、旅の思い出にもなります。

御朱印をいただく際は、御朱印帳を持参するか、神社で購入することも可能です。丁寧に書いていただける御朱印は、羅臼神社での特別な体験の一つとなるでしょう。

アクセス・利用情報

羅臼神社は羅臼町の市街中心地から歩いて気軽に立ち寄れる場所にあり、町内散策の一環として訪れることができます。知床観光の際の重要な立ち寄りスポットとして、多くの観光客に親しまれています。

交通アクセス

羅臼神社へのアクセスは、バス路線(阿寒バス)を利用する場合、釧路駅前から中標津町経由でラウス役場前下車、または弟子屈駅前から中標津町経由でラウス役場前下車となります。バス停からは徒歩圏内にあります。

航空機を利用する場合は、中標津空港が最寄りの空港となり、羽田、千歳、札幌各便が運航されています。中標津空港からは車で約70分の距離にあります。札幌からは車で約5時間30分、釧路からは約3時間の道のりです。

羅臼町内では「羅臼国保病院前」バス停より徒歩3分の距離にあり、町内の他の観光スポットと合わせて巡ることができます。ナビがないと分からないような狭い路地を通った先にあるため、事前に場所を確認しておくことをお勧めします。

<住所> 〒086-1823 北海道目梨郡羅臼町栄町127番地1

拝観時間・料金・駐車場情報

羅臼神社は24時間参拝可能ですが、御朱印の受付時間は07:00~19:00となっています。参拝料は無料で、どなたでも自由に参拝することができます。境内は開放的で、個人の観光客がまばらにやってくる程度で、静かな雰囲気の中で参拝できます。

駐車場については、詳細な情報が限られているため、事前に神社へ確認することをお勧めします。羅臼町内は比較的コンパクトな町なので、町内の他の駐車場を利用して徒歩で向かうことも可能です。

冬期間は知床横断道路が通行止めになるため、アクセス方法が限られることがあります。訪問前に道路状況や交通情報を確認することが大切です。

参照サイト

・羅臼町公式観光情報サイト:https://kanko.rausu-town.jp/spots/view/15
・北海道神社庁:https://hokkaidojinjacho.jp/羅臼神社/

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