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住吉大社庭園|住吉大社の歴史ある庭園の魅力と見どころ、参拝案内を詳しく解説

住吉大社庭園|住吉大社の歴史ある庭園の魅力と見どころ、参拝案内を詳しく解説

大阪府大阪市住吉区に位置する住吉大社は、全国約2300社の住吉神社の総本社として知られる由緒ある神社です。約3万坪の広大な境内は美しい日本庭園のような風景が広がり、1800年以上の歴史を刻む古代神殿建築と豊かな自然が織りなす神聖な空間が訪れる人々を魅了し続けています。

住吉大社庭園の概要・基本情報

住吉大社庭園|住吉大社の歴史ある庭園の魅力と見どころ、参拝案内を詳しく解説

住吉大社は創建211年、神功皇后が住吉大神をお祀りになったのが始まりとされる歴史ある神社で、広大な境内には国宝に指定された本殿や美しい庭園が配されています。敷地が広いため、境内は程よく外界から隔てられ、静寂が広がり、境内は日本庭園のような風景が広がっており、歩いているだけでも心が落ち着きます。古来より海の神様として崇敬を集めてきた住吉大社の境内は、自然と建築が調和した美しい庭園空間として多くの参拝者に愛され続けています。

歴史と由来

住吉大社の創建は第十四代仲哀天皇の后である神功皇后の新羅遠征(三韓遠征)と深い関わりがあります。神功皇后は、住吉大神の加護を得て強大な新羅を平定せられ無事帰還を果たされます。この凱旋の途中、住吉大神の神託によって現在の住吉の地に鎮斎されました。その後、神功皇后も併せ祀られ、住吉四社大明神として称えられるようになりました。

鎮座の祭が行われた日は、神功皇后摂政11年「辛卯年の卯月の上の卯日」。卯=ウサギが続く日であったため、境内にはウサギの手水舎や、無病息災を願う「なでうさぎ」がいるなど、創建の歴史が現在の境内にも息づいています。

古代より遣隋使・遣唐使に代表される航海の守護神として崇敬をあつめ、また、王朝時代には和歌・文学の神として、あるいは現実に姿を現される神としての信仰もあり、禊祓・産業・貿易・外交の祖神と仰がれています。特に奈良時代から平安時代にかけて、朝廷からも格別の崇敬を受け、延喜の制では名神大社、二十二社の一社、摂津国一之宮、官幣大社に列せられています。

祭神とご利益

住吉大社には伊弉諾尊が禊祓を行われた際に海中より出現された底筒男命・中筒男命・表筒男命の三神、そして当社鎮斎の神功皇后を祭神とします。

住吉三神(底筒男命、中筒男命、表筒男命)はイザナギノミコトが黄泉国という幽界から戻り、海で穢れを洗い清めた時、「海の底」「海の中程」「海の表面」からそれぞれ誕生したとされています。この誕生の経緯から住吉大神は伊邪那岐命の禊祓の際に海中より出現されたので、神道でもっとも大事な「祓」を司る神として崇敬されています。

主なご利益として、海上安全・航海守護をはじめ、禊祓による浄化、商売繁盛、家内安全、縁結び、子授け、学業成就などがあります。特に事業繁栄・成功・大願成就・浄化の御利益があり、商社や貿易関係など、海外相手に仕事をしている人は特に参拝すると良いとされています。また、和歌・文学の神としても知られ、文芸関係者からの信仰も厚いことで有名です。

住吉大社庭園の見どころ・特徴

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住吉大社の境内は約3万坪の広大な敷地に、国宝の本殿群をはじめとする貴重な建造物と美しい自然が調和した庭園空間が広がっています。散策すると厳かな雰囲気を感じられ、境内は日本庭園のような風景が広がっており、歩いているだけでも心が落ち着きます。古代から現代まで受け継がれてきた神聖な空間は、四季折々の美しさを見せる格別な庭園として多くの人々に愛されています。

建造物・構造の魅力

住吉大社の最大の見どころは国宝に指定されている4つの本宮で、それぞれ、「住吉造」とよばれる古代神殿の建築様式で、L字型に配置されているのが特徴です。4つの棟はすべて海に向かって西向きに建ち、第一本宮~第二本宮~第三本宮が縦に並んでいます。これは大海原をゆく船団を表しているとも言われ、全国でも類を見ない建築配置となっています。

現在の本宮は1810年に造営されたもので、4つの棟すべての本殿部分は、1810年(文化7年)に造営されたもので国宝指定を受けています。「住吉造」という神社建築史上最も古い様式として貴重な文化財となっています。

住吉大社のシンボルとして親しまれているのが「反橋(そりはし)」で、長さは約20m、高さ約3.6m、幅約5.5mの橋で、最大傾斜は約48度あります。「この橋を渡るだけでお祓いになる」との信仰もあるため、参拝者は美しいアーチを描く反橋を渡りながら心身を清めて本殿へと向かいます。

境内には本殿以外にも摂社大海神社も住吉造で、宝永6年(1709)に建築され、重要文化財に指定されています。また、南門と東西の楽所、石舞台は慶長12年(1607)の建築とされ、重要文化財に指定されています。招魂社と2棟の高庫は大阪府指定の有形文化財に指定されていますなど、多数の文化財建造物が点在しています。

自然・景観の美しさ

住吉大社の境内には樹齢1000年と言われる楠の御神木をはじめ、古くから育まれてきた豊かな自然が息づいています。白砂青松の美しい境内は、古代より続く神聖な雰囲気を醸し出し、四季を通じて訪れる人々に心の安らぎを与えています。

特に朱色の反橋と緑豊かな境内のコントラストは美しく、白砂青松の境内に映える4つの朱色の本殿。鮮やかな朱色の反り橋を渡ると、そこはもう神々の世界として多くの参拝者を魅了しています。境内の各所に配された庭園は、日本古来の自然美と神社建築が調和した格別な景観を作り出しています。

また、楠君社や反橋のように市民に親しまれる建造物も多く、地域の人々にとって身近な憩いの場としても親しまれています。季節ごとに変化する自然の美しさは、参拝のたびに新たな発見と感動を与えてくれる貴重な庭園空間となっています。

文化財・重要な所蔵品

住吉大社には約3万坪ある境内に本殿4棟、摂末社27社、その他多くの名所旧跡があります。国宝に指定された4つの本殿をはじめ、重要文化財や大阪府指定文化財など多数の貴重な文化財が保存されています。

住吉大社に伝わる神事も文化財として高く評価されており、御田植え神事(国指定無形民俗文化財)、夏越大祓神事(府指定無形民俗文化財)若水の儀、住吉祭、踏歌神事、白馬など、古来から受け継がれてきた貴重な無形文化財が今も大切に継承されています。

また、境内の各所には歴史的価値の高い石造物や美術工芸品なども数多く保存されており、日本の宗教文化や美術史を物語る貴重な所蔵品として学術的にも高い価値を有しています。これらの文化財群は、住吉大社の1800年以上にわたる悠久の歴史を今に伝える貴重な文化遺産となっています。

参拝・拝観案内

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住吉大社は年間を通じて多くの参拝者を迎える神社として、参拝者が心地よく神様にお参りできるよう、様々な案内とサービスを提供しています。境内は約3万坪の広大な敷地を有し、散策するだけでも心が清められる神聖な空間となっています。参拝の際は、古来から受け継がれてきた作法を知っておくことで、より一層充実した参拝体験を得ることができます。

参拝作法とマナー

住吉大社での参拝には、神聖な場所にふさわしい基本的な作法があります。まず、住吉大社の正面にある一の鳥居(西大鳥居)をくぐる際は、脱帽し、頭を下げて会釈をしてから、気持ちを整えて鳥居をくぐりましょう。鳥居を越えてからの参道を歩く際には真ん中を進んではいけません。中央は神様の通り道なので、できるだけ参道の端を歩くようにしてください。

住吉大社のシンボルである反橋(そりはし)は、「この橋を渡るだけでお祓いになる」との信仰もあるため、参拝時にはぜひ橋を渡って本殿へと向かうことをおすすめします。

手水舎での清め方は、右手にひしゃくを持って水をすくい、その水で左手を洗います。続いてひしゃくを持ち換えて、左手で水をすくって右手を洗い、次に口をすすぎます。この時は右手にひしゃくを持って水をすくい、その水を左手で受け止めて口に運んでゆすぎます。ひしゃくを直接口に触れるのは厳禁なので、くれぐれも注意しましょう。最後に両手でひしゃくを起こすように持ち、垂れてくる水でひしゃく全体を洗って元の場所へ戻します。

拝殿前での参拝では、一般的な「二拝二拍手一拝」の作法で心を込めてお参りしましょう。

年中行事・季節のイベント

住吉大社には古来より伝承されている貴重な神事や季節ごとの行事が数多くあります。特に有名なのは6月14日に行われる御田植神事で、古い様式を守り続ける田植えの行事として国の重要無形民俗文化財に指定されています。

夏の最大の祭典は7月30日から8月1日にかけて行われる住吉祭で、大阪の夏祭を締めくくる祭典として3日間に渡り神事や奉納行事が盛大に行われます。特に7月31日に行われる夏越祓神事は大阪府の無形文化財に指定されており、「おはらい」とも呼ばれ、大阪はもとより摂津国・河内国・和泉国ひいては日本中をお祓いするという意味がある重要な神事です。

住吉大社独特の行事として「初辰まいり」があります。これは毎月最初の辰の日に住吉大社にある種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社の4つの神社をお参りすると、より一層の力を与えてもらえるといわれる商売発達・家内安全を祈願する参拝です。

また、境内の卯の花苑では5月から6月頃に卯の花が見頃を迎え、この時期には一般無料開放されるなど、季節の美しさを楽しむことができる行事も行われています。

御朱印・お守り情報

住吉大社でいただける通常の御朱印は2種類で、和紙に「住吉大社」もしくは「神光照海」と書かれたものに、参拝した日付を入れてもらうことができます。御朱印は本社受付にて9時~17時の間にいただけます。

月に一度の「初辰日」にだけ、種貸社・楠珺社・浅澤社・大歳社の4社でいただける御朱印や、年に一度の例祭日のみにいただける御朱印が数種類あります。それぞれ初穂料は500円~1000円となっています。

住吉大社のオリジナル御朱印帳は、反橋とウサギが描かれており、色はピンクとブルーの2種類があります(各2000円)。

お守りについては、本宮に向かって左側にある授与所で「御祓・厄除・身体健全・商売繁昌・家内安全・安産・交通安全」など、様々なお守りを授かることができます。人気のお守りには「住っこうさぎ」(1000円)があり、大切にかわいがると幸運を招いてくれるというご利益があります。色は白とピンクの2種類で、うさぎは住吉大社の神様のお使いとされています。

また、境内の「五所御前」では「五大力石」という「五」「大」「力」と描かれた小石を探してお守りにすると体力・智力・財力・福力・寿力を授かるといわれており、多くの参拝者に人気のスポットとなっています。

アクセス・利用情報

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住吉大社は大阪市内からのアクセスが良好で、複数の鉄道路線を利用して参拝することができます。境内は年間を通じて開放されており、四季を通じて美しい庭園風景を楽しむことができます。参拝者のために駐車場も完備されており、遠方からの参拝にも対応しています。

交通アクセス

住吉大社へのアクセスは電車が便利で、南海本線「住吉大社駅」から東へ徒歩3分、南海高野線「住吉東駅」から西へ徒歩5分、阪堺線「住吉鳥居前駅」からは徒歩すぐの立地にあります。

最もアクセスしやすいのは南海本線の住吉大社駅で、難波駅から約10分という好立地です。住吉大社駅を降りると目の前が住吉大社で、東口を出て左へ歩道を道なりに歩けば3分もかからずに一の鳥居に到着します。

阪堺線住吉鳥居前駅は住吉大社の最寄り駅で、駅を降りるとすぐに住吉大社の境内に入ることができます。

自動車でのアクセスの場合は、阪神高速15号堺線の玉出出口から約10分、または住吉出口から約3分の距離にあります。

<住所> 〒558-0045 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9-89

拝観時間・料金・駐車場情報

住吉大社の開門と閉門の時間は、4月~9月は朝6時~夕方5時、10月~3月は朝6時半~夕方5時となっています。なお、毎月一日と初辰日は6:00開門となります。正月期間・住吉祭(夏祭り)期間は開閉門時間が異なりますので、事前にお問い合わせください。

境内への入場料は無料で、年中無休で参拝することができます。

駐車場は約200台収容可能で、一時間200円となっています。夜間は閉鎖されますのでご注意ください。ご祈祷を受ける方は2時間無料となります。正月期間中は特別な駐車場案内が行われますので、詳細は住吉大社にお問い合わせください。

境内にはおよそ3万坪の面積があり、その中には「住吉大社吉祥殿」(結婚式・披露宴会場、各種会合、喫茶コーナー、水曜定休日)、「住吉武道館」(武道から手品まで各教室)、「卯の花苑」(卯の花の時期には一般無料開放、5月~6月頃)などの施設があります。

ご祈祷の受付時間は毎日9時~15時50分で、予約は受け付けておらず随時ご案内をしています。詳しいお問い合わせは住吉大社社務所(TEL:06-6672-0753、9:00~16:00)までご連絡ください。

参照サイト

・住吉大社 公式ホームページ:https://www.sumiyoshitaisha.net/

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