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一之宮貫前神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

一之宮貫前神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

群馬県富岡市に鎮座する一之宮貫前神社は、1500年の歴史を誇る上野国の一宮として、古くから朝野を問わず深い崇敬を集めてきました。全国でも珍しい「下り宮」の参拝形式と、江戸時代に整えられた絢爛豪華な社殿は、多くの参拝者を魅了し続けています。武神と農耕神を祀る由緒ある神社の魅力をご紹介します。

一之宮貫前神社の概要・基本情報

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群馬県富岡市一ノ宮にある一之宮貫前神社は、式内社(名神大社)、上野国一宮として古くから知られる神社です。現在の正式名称は「一之宮貫前神社」(いちのみやぬきさきじんじゃ)で、旧社格は国幣中社、現在は神社本庁の別表神社となっています。

群馬県南西部、鏑川左岸の河岸段丘上に鎮座し、信州街道に面する立地にあります。境内は蓬ヶ丘と呼ばれる丘陵の北斜面、俗に菖蒲谷といわれる渓間に南面して位置しています。

歴史と由来

一之宮貫前神社の創立は社伝によると、鷺宮(現在の安中市)に物部姓礒部氏が氏神である経津主神をお祀りし、次いで鷺宮の南方、現在の社地に社を定めたのが安閑天皇の元年(西暦531年)とされています。

天武天皇の時代に初の奉幣があり、当時遠く奈良の都にまで貫前神社の存在が知られていました。平安時代に編纂された『延喜式神名帳』にも記載され、名神大社として朝野を問わず崇敬を集めてきた歴史があります。

古書には「抜鉾(ぬきほこ)」と「貫前(ぬきさき)」の2つの名で記されており、この2社が現神社の前身であるとされています。最初に記録に登場するのは大同元年(806年)、『新鈔格勅符抄』の神封部にある「上野抜鉾神 二戸」の記述です。

祭神とご利益

一之宮貫前神社の御祭神は、武神である経津主神(ふつぬしのかみ)と農耕と機織の神である比売大神(ひめおおかみ)の二柱です。

経津主神は『日本書紀』などの国譲りの場面で神名が見え、葦原中国(日本の異称)平定に功績があったとされる建国の祖神です。物部氏の氏神として、刀剣の神、武道の神とされ、勝運・災難除け・交渉成就・必勝祈願のご利益があるとされています。

比売大神については詳細な由緒は不明ですが、地域の神として養蚕と機織りを司る神と考えられており、富岡市の養蚕業との深い関わりを示しています。農業・機織り・女性の守護神としての信仰を集めています。

一之宮貫前神社の見どころ・特徴

一之宮貫前神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

一之宮貫前神社は、その独特な配置と美しい社殿建築で全国的にも高い評価を受けています。特に珍しい参拝形式と国指定重要文化財に指定された社殿群は、訪れる人々に深い印象を与えています。

日本三大下り宮の珍しい参拝形式

一之宮貫前神社の最大の特徴は、境内が正面参道からいったん石段を上がり、総門を潜ったところから石段を下ると社殿があるという、いわゆる「下り宮」と呼ばれる配置となっていることです。

日本三大下り宮として、当社と熊本の草部吉見神社、宮崎の鵜戸神宮が挙げられています。通常、神社は神様を見下ろすことがないよう高い位置に建てられるため、このような配置は全国的にも非常に珍しいものです。

参拝者は南の表参道から石段を上がって大鳥居をくぐり、総門に至ります。そこから今度は石段を下って楼門、そして本殿へと向かいます。この独特な参拝形式は、神秘的で特別な体験を提供しています。

国指定重要文化財の美しい社殿

本殿、拝殿、楼門、回廊は、江戸幕府第3代将軍徳川家光による寛永12年(1635年)の造営です。元禄11年(1698年)、第5代綱吉による大規模な修理で極彩色の漆が塗られ、現在の華麗な造りとなりました。

現在の本殿は、寛永12年(西暦1635年)三代将軍徳川家光公の命によって建てられ、江戸時代初期の漆塗りで極彩色の造りとなっています。明治45年2月8日に旧国宝(現在の重要文化財)に指定され、平成21年から25年には80年ぶりの大掛かりな修復工事「平成の大修復」が行われました。

拝殿と楼門も本殿と同時代の作とされ、本殿から遅れて昭和51年に重要文化財に指定されています。これらの社殿は江戸時代の建築技術の粋を集めた傑作として、多くの専門家からも高く評価されています。

境内の見どころと文化財

境内には数多くの見どころがあり、歴史的価値の高い文化財が点在しています。

本殿の裏手には樹齢1200年といわれる藤太杉が生育しています。平将門討伐のために出征した藤原秀郷が戦勝祈願として年齢と同じ36本の杉を奉納したうちの1本とされています。

総門東に生育するタブノキは「蛙の木」と呼ばれ、太平洋戦争末期に蛙に似たサルノコシカケが出現しました。祭神の経津主神が勇武に優れていたことから「勝って蛙」「勝ち蛙」として兵士・家族の信仰を集め、現在は交通安全の守護「無事蛙」として信仰されています。

その他にも、樹齢推定1000年のスダジイ(富岡市指定天然記念物)、総門前両脇に建つ慶応元年作の銅製燈籠(富岡市指定文化財)など、多くの文化財が境内を彩っています。

若宮として抜鉾若御子神社、月読神社、磐鹿六雁神社などの境内社も鎮座しており、それぞれに由緒と特色があります。

参拝案内

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一之宮貫前神社では、古くから伝わる伝統的な参拝作法に加えて、多彩な年中行事や特色ある授与品により、参拝者に深い精神的体験を提供しています。

参拝作法とマナー

一之宮貫前神社の参拝では、まず表参道から石段を上がって大鳥居をくぐり、総門に向かいます。総門から先は下り参道となり、楼門を経て本殿へと進みます。この独特な「下り宮」の参拝形式では、神様のもとへ降りていくという特別な体験ができます。

参拝の際は、手水舎で心身を清めてから拝殿前にお進みください。二礼二拍手一礼の基本作法でお参りし、願い事や感謝の気持ちを込めて参拝しましょう。

境内では静粛を保ち、撮影の際は他の参拝者の迷惑にならないよう配慮することが大切です。特にドローンの使用は固く禁止されていますので、ご注意ください。

年中行事・季節のイベント

一之宮貫前神社では年間71回もの祭儀が行われ、古くからの伝統的な祭儀が数多く残されています。

主な年中行事として、1月1日の初詣で、2月の節分祭(豆まきは午後2時・3時)、3月の小笠原流蟇目の儀・大的式があります。4月15日には流鏑馬祭(やぶさめさい)が執り行われ、勇壮な騎射の技を見ることができます。

5月には古武術奉納演武祭が開催され、境内で伝統的な武術の演武が披露されます。雨天の場合は神楽殿で行われます。

特に注目すべきは12月12日の御戸開祭(みとびらきさい)で、これは古くから続く特別な神事です。また、12月31日の二年参りも多くの参拝者で賑わいます。

全国でも3箇所のみで行われる鹿占習俗(しかうらしんじ)は群馬県指定重要無形民俗文化財に指定されており、焼いた錐で鹿の肩甲骨を貫き、そのひびの具合によって吉凶を占う古代からの神事です。

御朱印・お守り情報

一之宮貫前神社では、上野国一宮としての格式高い御朱印をいただくことができます。社務所にて受け付けており、丁寧に書かれた御朱印は参拝の記念として多くの方に親しまれています。

お守りでは、特に交通安全の「無事かえる」が有名です。これは境内の「蛙の木」にちなんだもので、太平洋戦争末期に出現した蛙に似たサルノコシカケが「勝ち蛙」として信仰を集めた由来があります。現在は「無事蛙」として交通安全の守護として多くの人々に授与されています。

武神である経津主神にちなんだ勝運・必勝祈願のお守りや、比売大神の加護による機織り・女性守護のお守りなども授与されています。詳細については社務所にてお尋ねください。

アクセス・利用情報

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一之宮貫前神社は群馬県富岡市に位置し、公共交通機関と自動車の両方でアクセス可能です。富岡製糸場からも近く、観光コースに組み入れやすい立地にあります。

交通アクセス

電車でのアクセスは、上信電鉄上州一ノ宮駅から徒歩約10分です。JR高崎駅から上信電鉄に乗り換えて約30分でアクセスできます。上信電鉄では無料貸し自転車も配置されており、上州一ノ宮駅から貫前神社まで約5分でアクセス可能です。

自動車でのアクセスは、上信越自動車道富岡ICから車で約15分です。関越自動車道藤岡ICからは約20分の距離にあります。

富岡市観光乗合タクシーも利用でき、JR松井田駅または上信線上州富岡駅から「貫前神社」停留所で下車すると、徒歩すぐで到着します。

<住所> 〒370-2452 群馬県富岡市一ノ宮1535

拝観時間・料金・駐車場情報

一之宮貫前神社の参拝は年中無休で、拝観料は無料です。参拝時間に特別な制限はありませんが、社務所での御朱印授与や祈願受付については、事前に確認されることをお勧めします。

駐車場は鳥居の前に十数台分の無料駐車スペースがあります。また、総門前にも駐車場が設けられており、通常は東の鳥居から車道を登って総門前の駐車場を利用することができます。

大型バスでの参拝や団体利用については、事前に神社にご相談ください。境内はバリアフリー対応が限定的な部分もありますので、車椅子等でのご参拝をお考えの方は事前にお問い合わせいただくことをお勧めします。

参照サイト

・一之宮貫前神社 公式ホームページ:http://nukisaki.or.jp/

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