
美瑻パッチワークの丘 初めて訪れる人のための丘めぐりガイド
北海道のほぼ中央、大雪山の裾野に広がる美瑻町には、畑がまるでパッチワークの布のように色とりどりに重なり合う丘陵地帯があります。決まった順路があるわけではなく、丘のあちこちに点在する木々や景色を車や自転車で巡りながら「次はどんな景色に出会えるだろう」と楽しむのが、この土地ならではの旅の仕方です。今回は初めて訪れる方に向けて、丘の中でも特に親しまれている見どころをいくつかご紹介します。
パッチワークの丘ってどんな場所

小麦やじゃがいも、豆類など、季節ごとに異なる作物が植えられた畑が、なだらかな丘の起伏に沿って広がっているのが美瑻の風景です。畝の向きや作物の種類によって緑や黄色、茶色といった色合いが少しずつ変わり、それが空から見ると布をつなぎ合わせたパッチワークのように見えることから、この呼び名がついたといわれています。丘そのものが観光施設というより「農村の日常の風景」であることも、この土地の魅力のひとつです。
ケンとメリーの木
丘の中でもひときわ目を引く、まっすぐに伸びる一本のポプラです。かつての自動車のテレビコマーシャルに登場したことから、この名前で呼ばれるようになりました。周りに遮るものがない畑の中にぽつんと立つ姿は、どの季節に訪れても絵になる存在です。
セブンスターの木
丘の上に立つ一本のカシワの木で、あるたばこのパッケージデザインに使われたことからこの名前がついたといわれています。木の周りに広がる畑の色合いが季節ごとに変わるため、訪れるたびに違った表情を見せてくれます。
親子の木
大きな木と、それに寄り添うように立つ小さな木々が並ぶ姿から、親子のように見えるとして名付けられました。派手な演出があるわけではありませんが、丘のなだらかな稜線とあわせて眺めると、どこか懐かしい気持ちになる景色です。
マイルドセブンの丘
カラマツの木々が丘の稜線に沿って並ぶ、奥行きのある風景が広がる場所です。木立の並びと丘の傾斜が織りなす構図は、写真好きの旅行者にも人気があります。
哲学の木
畑の中にぽつんと一本だけ立つ木で、枝ぶりがどこか考え込んでいるように見えることからこの名前で親しまれています。他の木々に比べて控えめな存在ですが、静かな丘の風景の中でふと足を止めたくなる一本です。
丘を巡るときのちょっとしたコツ

パッチワークの丘は特定の建物や施設というより、いくつもの木や畑が点在する広いエリアです。歩いて回るには距離があるため、レンタサイクルやレンタカーを利用して、地図を片手にゆっくり巡るのがおすすめです。畑は農家の方が大切に育てている作物ですので、道路から少し離れて撮影したいときも、畑の中には立ち入らないよう気をつけたいところです。朝の柔らかな光の中で見る丘の色合いは格別で、時間に余裕があれば早めの時間帯に訪れてみるのもよいでしょう。
丘の風景をもう少し楽しむために
美瑻の丘は同じ場所でも季節によってまったく違う表情を見せてくれます。夏は緑と花の彩りが豊かになり、秋には作物の収穫が進んで畑の色合いが落ち着いた色に変わっていきます。冬は一面の雪景色となり、木々のシルエットだけが浮かび上がる、また違った静けさを楽しめます。何度訪れても新しい発見がある、それがこのパッチワークの丘の魅力なのだと思います。

