• HOME
  • コラム
  • SPOT
  • 釣石神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
釣石神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

釣石神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

宮城県石巻市の釣石神社は、「落ちそうで落ちない」巨石で全国的に有名な神社です。昭和53年の宮城県沖地震や平成23年の東日本大震災でもびくともしなかった御神体の巨石は、受験生をはじめ多くの参拝者に希望と勇気を与え続けています。

釣石神社の概要・基本情報

釣石神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

釣石神社は宮城県石巻市北上町十三浜に鎮座する神社で、新北上川の河口付近に位置しています。社名の由来となった巨石が御神体として祀られており、その特異な姿から「落ちない神様」として広く信仰を集めています。

歴史と由来

釣石神社の創建については詳細な記録が残されておらず、由緒は不詳とされています。しかし、社頭にそびえる一つの巨石が古くから信仰の対象となり、世にこれを「釣石」と呼んだことから釣石大明神と称されていました。明治4年に現在の社号に改称され、明治8年5月には村社に列格されています。

もともとは山間部にあり「釣山神社」と呼ばれていましたが、江戸時代初期に現在の河口付近に移転しました。移転先の崖に大きな石があったことから、明治時代以降「釣石神社」と呼ばれるようになったと伝えられています。

祭神とご利益

釣石神社の主祭神は天児屋根命(あめのこやねのみこと)です。天児屋根命は知恵の神様、学業の神様として知られており、春日大社の主祭神としても有名です。

御神体の巨石は周囲14メートルもある大きな石で、崖の中腹から突き出すように鎮座し、しめ縄で釣り上げられているような姿から男の神様とされています。その下に横たわる約8メートル×4メートルの石は女の神様として祀られています。

ご利益は学業成就・合格祈願をはじめ、縁結び・夫婦円満・子宝・豊漁・長寿など多岐にわたります。特に「落ちない」ことから受験の神様として厚い信仰を集めており、全国から合格祈願の参拝者が訪れています。

釣石神社の見どころ・特徴

釣石神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

釣石神社最大の魅力は、何といっても御神体である巨石の圧倒的な存在感です。自然の造形美と信仰が融合した独特な景観は、訪れる人々に深い印象を残します。

落ちそうで落ちない御神体の巨石

御神体の巨石は周囲14メートル、断崖に釣り上げられたように見える姿が神秘的です。今にも落ちそうに見えるその絶妙なバランスは、自然の造形の妙を感じさせます。しめ縄が巻かれた巨石は男の神様として、その下に横たわる石は女の神様として祀られており、夫婦の神様としての意味も込められています。

巨石の前に立つと、その大きさと迫力に圧倒されます。岩肌には長い年月を経た風化の跡が見られ、自然の力強さと神秘性を同時に感じることができます。

災害に耐え抜いた奇跡の石

この巨石が特に注目を集めるようになったのは、度重なる大災害に耐え抜いたことからです。昭和53年の宮城県沖地震では震度5を記録しましたが、巨石はびくともしませんでした。

さらに平成23年の東日本大震災では、津波により神社の社務所や鳥居が流されるという甚大な被害を受けました。しかし、御神体の巨石は無事にその姿を保ち続けました。この出来事により「落ちそうで落ちない受験の神様」として全国的に有名になり、多くの受験生や就職活動中の学生が参拝に訪れるようになりました。

ヨシの茅の輪と境内の魅力

釣石神社の境内には、毎年12月中旬に特別な茅の輪が設置されます。この茅の輪は一般的な茅ではなく、北上川河口に自生するヨシを使って作られています。北上川河口のヨシ原は「日本の音風景百選」にも選ばれており、地域の自然環境と深く結びついた神社の特色を表しています。

ヨシの茅の輪は「よし(良し)合格」の語呂合わせから、横4.5メートル(ヨシゴウカク)、縦3.75メートル(ミナゴウカク)に作られ、さらなる縁起を担いでいます。高さ4メートルを超える大きな茅の輪は例年12月から翌4月にかけて設置され、合格祈願の参拝者を迎えます。

境内からは北上川河口の雄大な景色を望むことができ、自然の美しさと神聖な雰囲気が調和した空間となっています。また、古来から奉納されている鉾なども見ることができ、地域の人々の篤い信仰を感じることができます。

参拝案内

釣石神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

釣石神社への参拝は一年を通じて可能ですが、特に受験シーズンには多くの参拝者が訪れます。神聖な場所での参拝マナーを守り、心を込めてお参りすることが大切です。

参拝作法とマナー

釣石神社での参拝は、一般的な神社参拝の作法に従います。鳥居をくぐる際は一礼し、参道の中央を避けて歩きます。手水舎で手と口を清めてから拝殿に向かいましょう。

拝殿では二礼二拍手一礼の作法でお参りします。御神体の巨石を仰ぎ見ながら、合格祈願や願い事を心を込めて祈念してください。巨石の神秘的な姿を間近で見ることができますが、神聖な場所であることを忘れず、静粛に参拝することが重要です。

東日本大震災の被災地にある神社として、復興への感謝の気持ちも込めて参拝する方も多くいらっしゃいます。地域の方々への配慮と敬意を持って参拝しましょう。

年中行事・季節のイベント

釣石神社では年間を通じて様々な行事が執り行われます。最も重要な祭典は旧9月9日に行われる例祭で、地域の人々が集まり神様への感謝を捧げます。

元日には歳旦祭が午前0時より執り行われ、午前2時からは30分ごとに一般祈祷が行われます。正月三が日には「釣石の舞」の奉納も行われ、10時、12時、14時のご祈祷時に拝見することができます。

1月8日にはどんと祭が開催され、午後4時頃に火入れ式が行われます。古いお札やお守りをお焚き上げし、一年の無病息災を祈願します。

12月には「しめ縄・茅の輪作り」が境内で行われ、地域の方々が協力してヨシの茅の輪を製作します。この時期から翌年4月にかけて設置される大きな茅の輪は、受験シーズンの参拝者を温かく迎える象徴となっています。

合格祈願と御祈祷情報

釣石神社は「落ちない神様」として、合格祈願に特に霊験あらたかとされています。受験祈願、就職祈願、資格試験の合格祈願など、様々な「落ちたくない」願いを持つ参拝者が訪れます。

御祈祷は随時受け付けており、個人でも団体でも申し込むことができます。受験シーズンには県内外から多くの学生や保護者が訪れ、御神体の巨石に向かって真剣に祈願する姿が見られます。

御祈祷では祈祷者が10名以上の場合に「釣石の舞」の奉納も行われ、より厳かな雰囲気の中で祈願することができます。合格祈願のお守りやお札も授与されており、受験当日まで身に着けて励みとする参拝者も多くいます。

詳細な御祈祷の時間や料金については、事前に神社へお問い合わせいただくことをお勧めします。

アクセス・利用情報

釣石神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

釣石神社は宮城県石巻市の北東部に位置し、自然豊かな環境の中にあります。公共交通機関と自家用車の両方でアクセス可能ですが、それぞれ注意点があります。

交通アクセス

電車でのアクセスは、JR石巻駅からバスを利用します。石巻駅からミヤコーバス三陸線に乗車し、上品郷で下車後、北上地区住民バスに乗り換えて北上中学校前で下車します。北上中学校前から釣石神社までは徒歩約1.2キロメートルとなります。

自家用車でのアクセスは、三陸自動車道河北インターチェンジから国道45号線、県道197号線、国道398号線を経由して約17キロメートルです。道中は山間部を通るため、冬季は積雪や路面凍結に注意が必要です。

釣石神社周辺は東日本大震災の被災地域でもあるため、復興工事の影響で道路状況が変わることがあります。事前に最新の交通情報を確認してからお出かけください。

カーナビゲーションを使用する場合は、神社の正式な住所を入力することをお勧めします。

拝観時間・料金・駐車場情報

釣石神社の参拝は基本的に自由参拝となっており、参拝料は不要です。ただし、御祈祷を希望される場合は別途料金が必要となりますので、詳細は神社にお問い合わせください。

参拝時間に特別な制限はありませんが、御祈祷や神社の行事に参加される場合は、事前に連絡を取ることをお勧めします。特に受験シーズンや正月期間は混雑が予想されるため、時間に余裕を持って参拝計画を立てることが大切です。

駐車場は普通車150台分が用意されており、無料で利用できます。大型バスでの団体参拝も可能ですが、事前の連絡が必要です。駐車場から御神体の巨石までは石段を上がる必要があるため、歩きやすい靴でお越しください。

境内にはバリアフリー設備が限られているため、車椅子での参拝を希望される場合は事前に神社へご相談ください。

<住所> 〒986-0201 宮城県石巻市北上町十三浜字菖蒲田305番地

参照サイト

・釣石神社 公式ホームページ:https://1380.jp/

関連記事一覧