
東山温泉 会津の奥座敷で出会う、心をほどく寄り道めぐり
会津若松の町から山あいへ少し入ったところに、東山温泉はあります。渓流のせせらぎを聞きながら宿の窓辺で過ごす時間は、旅の疲れをそっとほどいてくれるようです。「会津の奥座敷」と呼ばれてきたこの湯の町を拠点に、あわせて訪ねたくなる場所や出会っておきたい工芸を、寄り道感覚でご紹介します。
鶴ヶ城で会津の歴史にふれる

東山温泉から会津若松市街へ戻ると、白壁と赤瓦が美しい鶴ヶ城が迎えてくれます。戊辰戦争の舞台としても知られる城で、天守からは会津盆地を囲む山々を見渡すことができます。宿でゆっくりした後に立ち寄ると、同じ会津の空気の中に歴史の重みが重なって感じられます。
大内宿で江戸の宿場町を歩く

少し足を延ばせば、茅葺き屋根の家々が軒を連ねる大内宿にたどり着きます。かつて会津と日光を結んだ街道の宿場町で、当時の町並みがそのまま残されています。東山温泉でゆったりした翌日に、ゆっくり歩いて時代をさかのぼるような散策を楽しむ方も多いようです。
会津塗の器を暮らしに迎える
会津は漆器づくりが盛んな土地としても知られています。会津塗は、艶やかな漆の色合いと、蒔絵などの繊細な加飾が魅力の伝統工芸です。旅先で手に取った椀や箸が、帰ってからの食卓に会津の記憶を運んでくれます。贈り物としても、日々使う道具としても、静かに寄り添ってくれる存在です。
飯盛山で白虎隊の物語に触れる
東山温泉から市街地へ向かう途中には、飯盛山があります。幕末の会津を語るうえで欠かせない白虎隊の悲話が伝わる場所で、山肌に立つと会津若松の町並みを一望できます。歴史をたどる時間を挟むことで、温泉での安らぎがまた違った意味を帯びてきます。
東山温泉そのものを味わう
寄り道の締めくくりは、やはり東山温泉そのものです。渓流沿いに宿が寄り添うように建ち、湯につかりながら山の緑や川音を感じられるのが東山温泉らしい時間の流れです。観光で歩き回った一日の終わりに、静かな湯の中で会津の余韻をゆっくり噛みしめる。そんな過ごし方が、この温泉地がずっと愛されてきた理由なのかもしれません。
会津東山温泉を拠点にした旅は、歴史の重み、手仕事の温もり、そして湯のやわらかさが少しずつ重なり合う旅になります。どこから歩き出しても、最後は温泉のぬくもりに帰ってこられる。そんな安心感も、奥座敷と呼ばれるこの土地の魅力のひとつです。

