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池田城跡公園|戦国の要衝に築かれた公園の歴史と見どころ、利用案内を完全ガイド

池田城跡公園|戦国の要衝に築かれた公園の歴史と見どころ、利用案内を完全ガイド

戦国時代の要衝として栄えた池田城の跡地に整備された池田城跡公園は、歴史と自然が調和した魅力的な憩いの場です。展望休憩舎からの絶景と美しい日本庭園、そして池田氏の波乱に満ちた歴史を体感できる特別な空間として、多くの人々に愛され続けています。

池田城跡公園の概要・基本情報

池田城跡公園|戦国の要衝に築かれた公園の歴史と見どころ、利用案内を完全ガイド

池田城跡公園は、室町時代から戦国時代にかけ、池田市域一帯を支配していた地方豪族・池田氏の居城であった池田城の歴史を後世に残しつつ活用するために整備された公園です。平成12年に開園したこの施設は、城跡の歴史的価値を保持しながら、現代の人々が気軽に歴史や自然を楽しめる場として生まれ変わりました。

歴史と由来

池田城は室町時代から戦国時代にかけて、豊島郡(現在の池田市、豊中市、箕面市周辺)を治めていた国人領主・池田氏の居城だったとされています。正確な築城年代は不明ですが1334年(建武元年/元弘4年)頃、池田教依によってこの地に城館が築かれたと伝えられています。

池田氏は戦国大名ではなく国人と呼ばれる地方豪族でしたが、その経済力は絶大で、荘園の代官請負や高利貸にて富を得て、守護大名に匹敵する経済力を有しており、その繁栄ぶりは「富貴栄華の家」「富貴無双」などと京都でも称されてます。このような背景から、池田城は畿内屈指の規模を誇る城郭として発展していきました。

公園の特徴と施設概要

現在の池田城跡公園は、日本庭園や瓦葺きを基調にした茶室、遺構復元コーナー、やぐら風の展望休憩舎などが点在する総合的な歴史公園として整備されています。庭園の作庭は中根金作さんの設立した中根庭園研究所によるもので、池田市で唯一の池泉回遊式庭園として親しまれています。

園内は入場無料で、園内に設置された展望休憩舎は、車椅子を使用される方でも利用できるようになっており、園内はもちろん、池田市街地やビッグハープ、五月山を一望することができます。バリアフリー設計により、幅広い年齢層の方々が安心して利用できる施設となっています。

池田城跡公園の見どころ・特徴

池田城跡公園|戦国の要衝に築かれた公園の歴史と見どころ、利用案内を完全ガイド

池田城跡公園の魅力は、歴史的な遺構と現代的な庭園設計が見事に調和している点にあります。戦国時代の雰囲気を感じながら、美しく整備された日本庭園と壮大な眺望を同時に楽しむことができる贅沢な空間です。

展望休憩舎と眺望の魅力

公園の中心的施設である展望休憩舎は、天守閣を模した外観で訪問者の目を引きます。天守閣風の休憩舎と庭園を楽しめる池田城跡公園。こういった庭園の魅力は高い場所から庭園を見下ろせることであるとされ、まさに大名になった気分で周囲を見渡すことができます。

展望休憩舎からの眺望は格別で、はるか市街を見渡せば巨大なハープのように見える斜張橋・新猪名川大橋(通称ビッグハープ)、晴れた日には神戸や和歌山方面までも望ることができる絶景が広がります。池田市街地の向こうに広がる関西の山々や都市部の景色は、まさに戦国時代の城主が見ていた風景を彷彿とさせる壮大なパノラマです。

日本庭園の美しさ

天守閣風の展望休憩舎に上がってみると、洲浜をもつ池泉庭園が広がっている。また、池底には栗石が敷かれている美しい日本庭園が展開されています。中根庭園研究所による設計は、伝統的な造園技法を活かしながら現代的な機能性も備えた秀逸な作品となっています。

庭園は池泉回遊式の構造で、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。春の新緑、夏の深い緑陰、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季を通じて美しい景観を楽しむことができます。特に展望休憩舎から見下ろす庭園の全景は、まるで絵画のような美しさです。

池田城と池田氏の歴史

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池田城跡公園を訪れる際には、この地を舞台に繰り広げられた池田氏の興亡と戦国時代の激動の歴史を知ることで、より深い感動を味わうことができます。畿内の要衝として重要な役割を果たした池田城の歴史は、日本の中世史の縮図ともいえる波乱に満ちたものでした。

池田氏の興亡と城の変遷

池田城は、大阪府池田市城山町周辺の標高50mの高台に位置し、五月山の南麓の東西に延びる尾根を利用し、西側には崖、北側には杉ヶ谷川を取り入れ、東、南には堀(最大幅で25.7m、深さ6.5mという大規模なもの)と土塁を配置し防御効果を高めた、畿内でも屈指の規模を誇った城郭として知られている要塞でした。

池田氏の歴史は決して平坦ではありませんでした。代々池田氏の居城となりましたが、応仁の乱では東軍に所属し1469年(文明元年)に西軍・大内政弘の攻撃により落城しています。その後も池田城はその後もたびたび戦火にさらされ、落城と池田氏による奪還を繰り返しましたという激動の時代を経験しています。

特に大きな転機となったのは、永正の錯乱に端を発した細川氏の内紛で細川澄元派に属していた池田貞正は、永正5年(1508年)に反対勢力であった細川高国の攻撃を受けて落城、貞正は自殺して子の信正は逃亡した出来事でした。この時代の発掘調査では炭層や焼土が厚く堆積していることが確認されており、池田城が激しい戦火に見舞われたことが物理的にも証明されています。

荒木村重と戦国時代の激動

池田氏の歴史の中でも特に劇的だったのが、家臣であった荒木村重による下克上の時代です。1568年(永禄11年)、池田勝正は織田信長に抵抗したが織田軍の攻撃を受け落城した。しかし勝正は抵抗したお咎めを受けなかった上に逆に評価され、信長から6万石を賜って家臣となったという展開を見せました。

しかし、勝正は信長に摂津三守護の1人に任命され、金ヶ崎の退き口では殿を務めるなど活躍したが、三好三人衆についた一族の池田知正や荒木村重に池田城から追放されたという事態が発生します。荒木村重は重臣「池田21人衆」の1人として頭角を現し、池田勝正を追放した池田氏内部のクーデターで城内をまとめ、残る摂津三守護の和田惟政、伊丹親興を討ち取って茨木城と高槻城を手中に収めたのです。

村重の勢力拡大は目覚ましく、その後伊丹城を手に入れた村重は有岡城と改名し、居城を有岡城に移したため、池田城は1574年に廃城となりました。そして1578年には村重が織田信長に謀反を起こし、有岡城の戦いへと発展していくことになります。

拝観案内

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池田城跡公園では、歴史を学びながら美しい庭園と絶景を堪能できる充実した時間を過ごすことができます。季節ごとの魅力や楽しみ方を知って、より有意義な訪問にしてください。

庭園散策と展望の楽しみ方

庭園散策では、まず主要な入り口は教育センターに隣接する東門だ。幅3メートル、長さ23メートルの木橋を渡って門をくぐった園内には、日本庭園や瓦葺きを基調にした茶室、遺構復元コーナー、やぐら風の展望休憩舎などが点在する構造を理解しておくと良いでしょう。

展望休憩舎では池田城の歴史に関する資料展示も行われており、城跡としての価値と庭園としての美しさを同時に学ぶことができます。また、土日祝日にはボランティアによるガイドが行なわれる事もあるため、より詳しい解説を聞きたい方は週末の訪問がおすすめです。

庭園の見学時間は個人差がありますが、ゆっくりと散策して展望休憩舎からの眺望を楽しむなら1時間程度を見込んでおくと良いでしょう。四季を通じて異なる表情を見せる庭園は、何度訪れても新しい発見があります。

年中行事・季節のイベント

池田城跡公園では、池田城跡公園主催イベント・芝生で絵本・写真塾・芝生でヨガ体験・白ゆりまつりなど、多彩なイベントが開催されています。これらのイベントは季節の魅力と歴史的な環境を活かした内容となっており、地域住民だけでなく観光客にも人気です。

特に白ゆりまつりは公園の代表的なイベントの一つで、美しい花々と歴史的な雰囲気が調和した特別な空間を楽しむことができます。また、芝生でのヨガ体験や写真塾など、現代的なアクティビティも充実しており、様々な目的で公園を利用することができます。

詳細なイベント情報については公式サイトで随時更新されているため、訪問前に確認することをおすすめします。

アクセス・利用情報

池田城跡公園|戦国の要衝に築かれた公園の歴史と見どころ、利用案内を完全ガイド

池田城跡公園へのアクセスは公共交通機関と自動車の両方で便利な立地にあります。大阪市内からも気軽に訪れることができる距離で、日帰りの歴史散策に最適な場所です。

交通アクセス

公共交通機関を利用する場合、池田へは大阪・梅田から阪急電車で約20分と非常にアクセスが良好です。阪急宝塚本線池田駅より徒歩13分または阪急電鉄「池田駅」から徒歩15分で到着します。

バスを利用する場合は、石橋阪大前駅・池田駅より路線バス「五月山公園・大広寺」バス停下車徒歩6分のルートも利用できます。このバスルートは五月山動物園などの周辺観光スポットと合わせて訪問する際に便利です。

自動車でのアクセスも良好で、中国自動車道中国池田ICや阪神高速道路からもアクセス可能です。ただし、公園専用の駐車場はないため、五月山緑地駐車場(有料)を利用する必要があります。

開園時間・料金・駐車場情報

開園時間は季節によって異なり、【4~10月】9:00~19:00【11~3月】9:00~17:00となっています。休園日:火曜日(祝日の場合は営業、翌日振替休園)、年末年始のため、訪問前に開園日の確認をおすすめします。

入園料は園内利用:入場無料で、気軽に歴史と自然を楽しむことができます。ただし、ペットの入場不可となっているため、ペット同伴での訪問は控える必要があります。

駐車場については五月山緑地駐車場が利用でき、駐車料金一時間まで300円以降20分毎100円の有料駐車場となっています。駐車場から公園までは徒歩圏内で、周辺の五月山動物園なども合わせて楽しむことができます。

<住所> 〒563-0052 大阪府池田市城山町3-46

参照サイト

・池田城跡公園 公式サイト:https://ikedashiroato.com/
・池田市公式サイト 池田城跡公園:https://www.city.ikeda.osaka.jp/soshiki/toshiseibibu/midorinosei/shisetsu/1415931764666.html
・池田市観光協会 公式サイト:https://www.ikedashi-kanko.jp/spot/recommend-spot05

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