赤間硯の特徴と歴史を探る!永遠の魅力を持つ書道具とは

赤間硯の特徴と歴史を探る!永遠の魅力を持つ書道具とは?

赤間硯は、書道の世界で長い歴史を持つ重要な道具の一つです。

時代を超えて愛され続ける赤間硯の魅力には、使用感のみならず、文化的価値も深く関わっています。

この記事では、赤間硯の魅力を特徴と歴史の観点から詳しく解説します。

赤間硯とは?

赤間硯(あかますずり)は、山口県下関市や宇部市周辺で採れる赤間石を使用して作られる硯です。緻密で石英や鉄分を豊富に含み、細かい墨摺り(すみずり)が可能で、発色の良い墨汁を作り出します。

古く鎌倉時代から知られ、江戸時代には毛利氏により御止山とされた山で限定的に採掘されました。職人の熟練した技術による美術的価値の高い硯は、実用性と美観を兼ね備えた日本の伝統工芸品として珍重されています。

赤間硯の歴史

赤間硯は鎌倉時代に製造が始まり、源頼朝が鶴岡八幡宮に奉納した硯が起源とされています。江戸時代には長州藩の管理下にあり、藩主への贈答品として珍重されました。

1976年には伝統的工芸品に指定され、その製法は今も受け継がれています。幕末の志士にも愛用され、現在も宇部市と下関市で生産されている歴史深い工芸品です。

赤間硯が完成するまで

赤間硯の製作過程は、熟練した職人の手によって受け継がれてきた伝統的な技法から成り立っています。

硯が一つの完成品となるまでの過程を詳しくみていきましょう。

1. 入坑
赤間石の採掘は、山を掘り進めて作られた坑道から行われます。石は乾燥に敏感です。そのため、通常坑道内は水で保たれています。採石作業を始める前には、まずポンプを使用して坑道内の水を抜き取り、その後坑内へと入る手順が取られます。
入坑

2. 採石と選別
赤間石は、人がかがんで通れる程度の坑道を進み、5mから40mの深さで見つかる石質の層から採掘されます。火薬やピックハンマーを使用して原石を掘り出し、その後金づちで軽く叩き、音によって硯石としての適性を判断します。

3. 形成
硯を製作するための形状に応じて、ダイヤモンドカッターや小さなタガネ・ハンマーを使用し、石をおおよその形に整えます。

4. じぎり
大のみを使用して、表面と裏面を同じ厚さになるように粗整形します。その後、水と珪砂(けいしゃ)を研磨材として用い、研磨盤で均一な平面に仕上げます。
じぎり

5. 縁立て(ふちたて)
「縁立て(ふちたて)」とは、硯の形を決定し、内側に約3㎜の深さで切り込む工程です。この手順により、墨をするための平らな丘と、墨汁が溜まる海の部分が形成されます。赤間石を板状に加工した後、適切な形に整形し、境界に縁を立てることで、使用時の機能性が高まります。
縁立て(ふちたて)

6. 粗彫り・仕上げ彫り
「粗彫り・仕上げ彫り」では、大のみやコンプレッサーを使用した小型ピックで硯の丘と海を大まかに彫り、さらに精緻な仕上げ彫りで細部を整えます。この段階では大小のノミを使い分け、硯の内部形状を精密に彫り上げ、ハトと呼ばれる境目を形成します。最後に清のみで滑らかな仕上がりを実現し、彫刻された跡を消す作業を行うのです。
粗彫り・仕上げ彫り

7. 粗磨き・仕上げ磨き
硯の全体を砥石や耐水ペーパーで磨き上げ、さらに陸の部分を目立て石で墨が良くすれるように細かく磨きます。ノミ跡などの細部はサンドペーパーで仕上げ、最後に再び目立て石で磨いて滑らかに整えます。仕上げに、硯の保護として漆を塗布し、布で均一に広げていきますよ。

8. 仕上げ(漆塗り)
陸と海の部分を除く硯の外側に、漆またはカシュー(代用漆)を薄めて布で塗布し、すぐに拭き取る処理を行います。これにより風化を防ぎ、表面に光沢を与えます。この作業は2〜3回繰り返しが必要です。最終的に、仕上げ粉を適用し、ブラシで磨いた後に完成させます。

赤間硯の特徴とポイント

赤間硯は、赤味を帯びた赤色頁岩から作られ、美しい模様と多様な色合いを持つ石眼が特徴です。硯作りに適したこの石は、固さと粘りがあり、職人が手掛ける細工がしやすいとされています。

下関市や宇部市での長い伝統を持ち、職人が一人で山からの採石から製作までを行うことも、赤間硯の特徴です。微細な表面形状は固形墨をすりやすくし、美しく発色する墨となります。また、自然美と職人の手による彫刻は、機能性と美術的価値の両面で高く評価されています。

赤間硯の適切なメンテナンス方法

赤間硯の適切な保管とメンテナンスには注意が必要です。直射日光や熱源から遠ざけ、適度な湿度を保つために桐箱などを利用しましょう。

硯は使用後に毎回洗うことが重要です。時々は水ペーパー180番で墨を磨る部分(丘)を水に付けながら磨き、目立てを行い墨の澱が良くなるよう手入れをしましょう。

特に鋒鋩(石が持つ棘のようなもの)を引き起こすため、天然硯砥石を使用すると更に効果的です。これにより、赤間硯の美しさと機能を長期にわたって保つことができます。

赤間硯の体験&展示施設

万倉ふれあいセンター

項目 内容
住所 〒757-0214 山口県宇部市大字西万倉1672
電話番号 0836-67-0201
営業時間 9:00~22:00
定休日 年末年始
アクセス ・JR宇部線宇部駅から車15分
・JR山陽新幹線厚狭駅から車15分
・山陽自動車道小野田ICから車15分
料金 無料
体験 あり

参照元:万倉ふれあいセンター|観光スポット|【公式】山口県観光/旅行サイト おいでませ山口へ

赤間硯の里

項目 内容
住所 宇部市西万倉岩滝793番地
電話番号 0836-67-0641
営業時間 9:00~17:00 ※見学には事前予約が必要
定休日 年末年始・他不定休
アクセス 宇部I.C.から車で40分
料金 無料
体験 なし

参照元:赤間硯の里|観る・遊ぶ|一般社団法人宇部観光コンベンション協会公式サイト「うべ旅ナビ」

まとめ

赤間硯は、山口県の赤間石を原材料に使用し、数百年にわたって続く伝統的な技法で製作される日本の書道具です。緻密な石質と独特の赤味が特徴で、墨を細かく研ぎ出すことができるため、発色の良い墨汁を得ることができます。

歴史的に見ても、江戸時代から多くの文人墨客に愛され、今日でもその技術は受け継がれ、多くの職人によって守られています。現代では、伝統的な価値を守りつつ、新しいデザインや機能を取り入れた製品も見られます。

赤間硯の持つ永遠の魅力を体感するためにも、製作現場をぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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