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寒川神社|全国唯一の八方除守護神として信仰される相模國一之宮の歴史と参拝案内を完全ガイド

寒川神社|全国唯一の八方除守護神として信仰される相模國一之宮の歴史と参拝案内を完全ガイド

神奈川県高座郡寒川町に鎮座する寒川神社は、全国で唯一の八方除守護神として約1600年もの長きにわたり信仰を集める相模國一之宮です。地相・家相・方位・日柄などあらゆる災難から身を守る八方除の御神徳で知られ、年間約200万人の参拝者が訪れます。

寒川神社の概要・基本情報

寒川神社|全国唯一の八方除守護神として信仰される相模國一之宮の歴史と参拝案内を完全ガイド

寒川神社は相模國一之宮として格式高い地位を持ち、古くから朝廷や武家からの篤い信仰を受けてきた由緒ある神社です。現在も八方除の守護神として全国各地から多くの崇敬者が参拝に訪れ、その御神徳を求めています。

歴史と由来

寒川神社の創建は極めて古く、雄略天皇の御代(457年~479年)には既に朝廷より幣帛の奉献があったとされ、約1600年以上の歴史を有する古社です。神亀4年(727年)には社殿建立の記録も残されており、その古さを物語っています。

延長5年(927年)の『延喜式神名帳』では、相模国唯一の名神大社として朝廷の名神祭に預かる格式の高い神社に列格されました。中世には源頼朝や小田原北条氏による社殿造営、武田信玄からの兜の奉納、徳川家代々による社領寄進など、歴代の権力者からも深い崇敬を受けてきました。

明治時代には1873年(明治6年)に神奈川県の中社に列せられ、1907年(明治40年)には国幣中社に昇格し、現在は神社本庁の別表神社として重要な地位を占めています。

祭神とご利益

寒川神社の御祭神は寒川比古命(さむかわひこのみこと)と寒川比女命(さむかわひめのみこと)の二柱で、合わせて寒川大明神と奉称されています。この神々は相模國を中心に広く関東地方を御開拓になられ、あらゆる殖産興業の途を授け、衣食住等の人間生活の根源を開発指導された関東の親神様といわれています。

寒川神社最大の特徴は、全国唯一の八方除の守護神としての御神徳です。八方除とは、地相・家相・方位・日柄などに起因するすべての禍事・災難を取り除き家業繁栄・福徳円満をもたらす御神徳で、大難は小難に、小難は無難に、そして吉事は最大にしてくださいます。

寒川神社の見どころ・特徴

寒川神社|全国唯一の八方除守護神として信仰される相模國一之宮の歴史と参拝案内を完全ガイド

寒川神社の境内には歴史ある建造物から美しい自然まで、多くの見どころが点在しています。特に八方除の守護神にふさわしい独特の配置や構造は、他の神社では見ることのできない貴重な特徴となっています。

建造物・構造の魅力

寒川神社の参道は境内から南に1kmほど進んだJR相模線の踏切近くにある一之鳥居から始まり、参道途中には二之鳥居(大鳥居)、境内入口には最後の鳥居となる三之鳥居があります。二之鳥居は高さ16m、鉄筋コンクリート造りで、神奈川県内で最も大きな鳥居として知られています。

寒川神社の社殿は一般的な南向きや東向きではなく南西を向いており、これは江戸の裏鬼門の地にあたるためで、八方除・方位除をつかさどる神社としての特別な意味を持っています。

神門をくぐると正面に拝殿があり、その奥に本殿が鎮座しています。現在の拝殿は平成の御大典奉祝記念事業として竣工されたもので、荘厳な雰囲気を醸し出しています。

自然・景観の美しさ

三之鳥居の横には噴水がある「神池」という池があり、奥に「石橋(しゃっきょう)」というブロンズの彫刻が安置されています。この彫刻は昭和45年(1970年)から毎年開催されている「相模薪能」の20回目を記念して、寒川町在住の彫刻家、原田純成氏が制作したものです。

2001年より新年から2月の節分まで、神門に神話にちなんだ迎春ねぶたが飾られるようになり、夜にはライトアップもされています。これらの装飾は季節ごとに境内に華やかな彩りを添えています。

境内の木々は四季折々の美しさを見せ、特に春の桜や秋の紅葉の時期には多くの参拝者が自然の美しさを楽しみながら参拝しています。

文化財・重要な所蔵品

武田信玄が永禄十二年(1569年)十月に小田原城を攻める際、寒川神社に立ち寄り奉納した兜が現在も保存されており、神奈川県の重要美術品として認定されています。この兜は寒川神社の歴史と武田信玄との深い縁を物語る貴重な文化財です。

江戸時代の1822年(文政5年)に相模国一之宮村の入澤博篤が寒川神社に算額を奉納しました。その内容はフレデリック・ソディが1936年に発表した「六球連鎖の定理」と同じもので、入澤の方が100年以上早い発見となっています。この算額は当時の日本の和算の水準の高さを示すものとして世界的に知られています。

祈年祭並田打舞神事で使用される翁の古面は昭和51年に寒川町指定重要文化財に指定されており、神社の伝統的な祭礼の重要性を物語っています。

参拝・祈祷案内

寒川神社|全国唯一の八方除守護神として信仰される相模國一之宮の歴史と参拝案内を完全ガイド

寒川神社では八方除の御祈祷を中心とした様々な祈願を受けることができます。全国唯一の八方除守護神として、多くの参拝者が人生の節目や厄災除けのために訪れています。

八方除祈祷の作法とマナー

寒川神社の八方除祈祷は、あらゆる方角を意味する八方、つまり身に降りかかるすべての厄災から身を守る御神徳で、大難は小難に、小難は無難に、そして吉事は最大にしてくださいます。日本一、昇殿祈祷者が多い神社として知られ、その数は年間約30万件であり、2番目に多い神社の年間約3万件の10倍以上に及ぶ件数の昇殿祈祷が毎年行われています。

御祈祷の受付時間は午前8時から午後5時まで年中無休で行われており、予約は不要です。皆様、当日お越しいただきまして、御祈祷の準備が整うまで控室でお待ちいただく形となります。

祈祷料は中式の3,000円から永代式の50,000円以上まで設定されており、式階により授与品の内容が異なります。中式では記名板剣神札、御守、御神土、御箸、御神供、御神酒などをいただくことができます。

年中行事・季節のイベント

寒川神社では年間を通じて様々な祭典が執り行われています。春には祈年祭並田打舞神事が行われ、神職と社人が伝来の翁の古面を被り、田を耕し、種子を蒔く所作をしながら神楽歌を謡って舞い、豊年を祈ります。

5月には國府祭(こうのまち)が開催され、大磯町国府の神揃山へ一之宮寒川神社、二之宮川勾神社、三之宮比々多神社、四之宮前鳥神社、平塚八幡宮の五社が参集し、国家安泰、五穀豊穣を祈願します。中でも古式「座問答」は有名で、昭和53年に神奈川県無形民俗文化財に指定されています。

夏には浜降祭が行われ、夜明け前に神輿が神社を発ち、寒川町と茅ヶ崎市の各神社の神輿が茅ヶ崎南湖の浜に参集します。曉の渚に旭光を浴びて、数万人の群集の中を約40基の神輿が乱舞する壮大な祭りで、昭和53年に神奈川県無形民俗文化財に指定されています。

秋には相模薪能が開催され、夕刻より護国の英霊への慰霊と平和への祈りを込めて行われます。また流鏑馬神事では、鎌倉時代より続く武田流一門にて、駿足の馬上より五色の的を射ぬき、天下泰平、五穀豊穣を祈願します。

御朱印・お守り情報

御朱印は社務所もしくは御祈祷受付にていただくことができ、御朱印帳は境内の売店、鎮守の杜Koyo、参集殿にて購入可能です。初穂料は定められていないため、お気持ちの額を納めます。

寒川神社のお守りは、古来より四方八方からの災いを除け、幸運を授けてくださる寒川大明神の御神徳が込められており、当社の神職がお祓いと祈願を行っています。授与時間は午前8時から午後4時30分まで年中無休で行われています。

「八方除幸運を呼ぶ守り」は全5色で袋型とカード型があり、黄色は金運・商売繁盛、水色は成績向上・必勝祈願、赤色は縁結び・家庭円満、紫色は健康回復・身体安全、白色は開運招福・万願成就と色ごとに願いが異なります。

その他にも八方除大麻、火難除大麻、盗難除大麻など、様々な御神札や災難除のお守り「大祓守」なども授与されており、参拝者の様々な願いに対応しています。

神嶽山神苑の特別拝観

寒川神社には御祈祷を受けた方のみが入苑できる特別な御神域「神嶽山神苑」があります。この神苑は寒川神社の最も神聖な場所の一つとして大切に守られています。

御神域への入苑方法

神嶽山神苑(かんたけやましんえん)は、ご祈祷を受けた人だけが入苑できる御神域で、本殿の奥に位置しています。かつては禁足地でしたが、2009年に池泉回遊式の日本庭園や茶屋、資料館を配した神苑として整備されました。

入苑するには寒川神社で御祈祷を受ける必要があり、祈祷後に入苑券をいただくことができます。この入苑券なしでは神苑に入ることはできないため、庭園だけを見学することはできません。

神苑内は澄んだ空気がただよう静寂な空間が広がっており、外門正面には手水舎、そして古来より本殿の真裏に位置する「難波の小池」があります。ここは寒川神社の創建の起源に深く関わるもっとも神聖な場所とされています。

方徳資料館の見どころ

神苑内にある「方徳資料館」では、神社の歴史と八方除信仰をテーマに、陰陽五行思想や方位を司る四神など興味深い資料が展示されています。開館時間は9時から16時で、自由に見学することができます。

この資料館では八方除の御神徳についてより深く理解することができ、方位や日柄に関する古来からの知恵や思想を学ぶことができます。特に陰陽五行思想に基づいた方位の考え方や、四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)による方位守護の概念などが詳しく解説されています。

神苑内には茶屋も設けられており、参拝と祈祷を終えた後に、静寂な御神域の中でゆっくりと休憩を取ることができます。

アクセス・利用情報

寒川神社は神奈川県高座郡寒川町に位置し、電車でも車でもアクセスしやすい立地にあります。参拝に訪れる際の交通手段や利用時間について詳しくご案内します。

交通アクセス

寒川神社は神奈川県の相模川のそば、海老名と茅ケ崎の間に位置しており、最寄り駅はJR相模線の「宮山」駅です。宮山駅からは徒歩約5分と大変便利な立地にあります。

電車でのアクセスは複数のルートがあります。JR東海道線「品川駅」・「小田原駅」から「茅ヶ崎駅」でJR相模線「宮山駅」下車、または小田急線「新宿駅」・「横浜駅」から「海老名駅」でJR相模線「宮山駅」下車することができます。

一の鳥居から表参道を歩きたい方は寒川駅下車がおすすめで、JR相模線寒川駅から徒歩19分となります。寒川町の中心駅である寒川駅は一之鳥居には近いですが、そこから参道を歩く必要があり、20分以上かかるため、参拝客は宮山駅で降りる旨の掲示がされています。

車でのアクセスの場合、圏央道寒川北インターチェンジから約3分の距離にあり、周辺には参拝者専用の駐車場も備わっています。

拝観時間・料金・駐車場情報

寒川神社の開門時間は6時から日没までとなっており、それ以外の時間帯は神門前の賽銭箱にてお参りいただけます。年中無休で参拝することができます。

参拝自体に料金はかかりませんが、御祈祷を希望される場合は祈祷料が必要となります。祈祷料は中式3,000円から永代式50,000円以上まで設定されており、式階により授与品の内容が異なります。

駐車場は参拝者専用の無料駐車場が複数箇所に設けられており、第一駐車場が最も本殿に近い場所にあります。特に初詣期間などの繁忙期には混雑が予想されるため、公共交通機関の利用も検討されることをおすすめします。

神嶽山神苑への入苑を希望される場合は、必ず御祈祷を受ける必要があり、追加料金はかかりません。神苑内の方徳資料館も自由に見学することができます。

<住所> 〒253-0195 神奈川県高座郡寒川町宮山3916

参照サイト

・寒川神社 公式ホームページ:https://samukawajinjya.jp/

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