
北見神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
北海道北見市の中心部に鎮座する北見神社は、明治時代の屯田兵開拓とともに歩んできた歴史ある神社です。天照大神をはじめとする三柱の神々を祀り、北見市民の心の拠り所として親しまれています。春のつつじ、秋の紅葉に彩られた境内は四季を通じて美しく、開拓の歴史を物語る石碑や歌碑も点在しています。
北見神社の概要・基本情報
北見神社は北海道北見市の鎮守神社として、地域の発展とともに歩んできた由緒ある神社です。明治30年の創建以来、屯田兵開拓の精神を受け継ぎながら、現在では北見市民をはじめ多くの参拝者に親しまれています。境内は自然豊かで、春から秋にかけて様々な花木が訪れる人々の目を楽しませています。
歴史と由来
明治30年6月、屯田歩兵第四大隊が野付牛(現在の北見市)に移駐する際、大隊長小泉正保中佐の発意により天照大神を奉戴し、現在の野付牛公園南端の高台に神殿を設け、鎮座祭を斎行したことが北見神社の創祀とされています。当初は護国神社と称していました。
この創建と前後して、開拓移民団が海路で入植する際、船旅中に海上守護神である住吉大神を奉戴して祈願を続け、上陸後は開拓の祖神として合祀されました。明治38年5月には日露戦争記念として現在地の一画に遷社し、地域の発展とともに神社も整備されていきました。
大正9年に野付牛の発展に伴い新築の議が起こり、現在地に新社殿が建立されました。大正10年には内務省より村社に列せられ、社号を野付牛神社と定めました。昭和17年3月に郷社に列せられ、同年10月の市制施行に伴い現在の北見神社に改称されています。
戦後の昭和25年には、伊勢神宮少宮司秋岡保司様来社の折、農業神である豊受毘売神の御分霊御下附申請が特別御裁可となり、同年6月24日に豊受毘売神が御奉遷されました。昭和55年7月には市民の浄財により、現在の総檜、銅板葺き神明造りの御社殿が竣工し、現在に至っています。
祭神とご利益
北見神社には三柱の神々が祀られています。主祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)で、日本の最高神として国家安泰、家内安全、開運招福などのご利益があるとされています。
豊受毘売神(とようけびめのかみ)は伊勢神宮外宮の御祭神で、農業神として五穀豊穣、産業発展のご利益があります。特に北見地域が農業を基幹産業とすることから、地域の繁栄を支える重要な神様として崇敬されています。
住吉大神(すみよしのおおかみ)は海上安全、交通安全、商売繁盛の神様として知られており、開拓時代に海路で移住してきた先人たちの守護神として合祀されました。現在でも旅行安全や事業成功を願う多くの参拝者が訪れています。
北見神社の見どころ・特徴
北見神社の境内は歴史と自然が調和した美しい空間となっており、参拝者に安らぎと感動を与えています。現代的な設備と伝統的な神社建築が見事に融合し、四季を通じて様々な表情を見せてくれます。
建造物・構造の魅力
現在の社殿は昭和55年7月に竣工した総檜、銅板葺きの神明造りで、伊勢神宮の建築様式を踏襲した格調高い造りとなっています。神明造りは日本古来の神社建築の基本形で、直線的で簡素な美しさが特徴です。
社殿の檜材は経年とともに美しい飴色に変化し、銅板葺きの屋根は緑青により独特の色合いを醸し出しています。拝殿から本殿にかけての一連の建物群は、北海道の厳しい気候にも耐える堅牢な構造となっており、伝統的な技法と現代的な工法が巧みに組み合わされています。
境内には社務所や神輿殿も整備されており、特に神輿殿には秋季例大祭で使用される立派な神輿が収められています。また、玉垣や鳥居なども含めた境内全体の配置は、参拝者が心静かに神前に向かえるよう計算された美しい空間構成となっています。
自然・景観の美しさ
北見神社は春のつつじ、秋の紅葉に境内が彩られ、四季を通じて美しい自然景観を楽しむことができます。特に春季には境内各所でつつじが咲き誇り、鮮やかな色彩が神聖な雰囲気を一層引き立てます。
秋の紅葉時期には、もみじやかえでが美しく色づき、神社の荘厳な建物と調和した絶景を作り出します。歴史を回顧しながらの散策は北見市民の心の拠り所として広く親しまれています。
境内の庭園は昭和55年の社殿改築時に整備されたもので、日本庭園の美意識を取り入れながら北海道の自然環境に適した植栽が施されています。季節ごとに異なる表情を見せる境内は、参拝だけでなく散策や写真撮影の場としても人気があります。
境内の石碑・歴史的見どころ
北見神社の境内には石碑が随所にあり、参拝の際には歴史に思いを馳せながら境内を散策することができます。これらの石碑や歌碑は、北見地域の開拓史や神社の歩みを物語る貴重な史料となっています。
屯田兵関連の記念碑をはじめ、神社の発展に貢献した人々を顕彰する碑、また地域の文化活動を記録した歌碑などが点在しており、それぞれに深い歴史的意味が込められています。これらの石碑を巡りながら境内を歩くことで、明治時代から現代に至る北見地域の発展の歩みを実感することができます。
特に創建時の護国神社から現在の北見神社に至る変遷や、伊勢神宮との深いつながり、地域住民との絆などが刻まれた碑文は、北海道開拓史の一端を知る上でも価値の高いものとなっています。
参拝・拝観案内
北見神社では一年を通じて多くの参拝者を迎えており、神道の作法に従って心静かに参拝することができます。境内は24時間開放されており、早朝から夜間まで自由に参拝可能です。社務所では各種ご祈祷も受け付けており、人生の節目や願い事に応じて丁寧な祈願を行っています。
参拝作法とマナー
神社での参拝には一定の作法があり、これに従うことで神様への敬意を表すことができます。鳥居をくぐる際は一礼し、参道の中央は神様の通り道とされているため、端を歩くようにします。
手水舎では手と口を清めます。まず右手で柄杓を持ち左手を清め、次に左手で柄杓を持ち替えて右手を清めます。再び右手で柄杓を持ち、左手に水を受けて口をすすぎ、最後に柄杓を立てて柄の部分を清めます。
拝殿前では「二礼二拍手一礼」の作法で参拝します。まず深く二回礼をし、胸の前で手を合わせて二回拍手を打ち、最後に深く一礼します。お賽銭は願い事への感謝の気持ちを込めて、静かに賽銭箱に入れてください。
年中行事・季節のイベント
北見神社では年間を通じて様々な祭事が執り行われています。1月1日から3日の初詣期間は北見市民の定番スポットとなっており、多くの参拝者で賑わいます。1月15日には古神札焼納祭(どんど焼き)が午前8時から行われ、一年間お守りいただいた御神札や御守を御神火で焼納し、無病息災を祈ります。
2月3日の節分頃には厄年祓いが行われ、人生の節目の厄年を無事に過ごすことができるよう祈願します。この時期は厄年祓いを受ける参拝者で境内が特に賑わいます。
春季例祭は桜の季節に合わせて行われ、参道には縁日が立ち並び、多種多様な演芸が催されます。秋季例大祭は北見市の平安と繁栄、市民の幸福、秋の収穫を祝って3日間にわたり執り行われる一年で最も大きなお祭りです。大神輿渡御が行われ、総勢約300人の行列と大神輿が市中を練り歩く光景は圧巻です。
七五三参りは三歳の男女児、五歳の男児、七歳の女児を対象に行われ、これまでの子どもの成長を神様に感謝し、これからのさらなる成長をお祈りします。神前結婚式も行っており、日本人らしい和の雰囲気で二人の門出を祝います。
御朱印・お守り情報
北見神社では御朱印を授与しており、直書きでいただくことができます。社務所ではオリジナルの御朱印帳も取り扱っており、社殿が描かれた刺繍製の美しい御朱印帳は参拝の記念として人気があります。
お守りは各種取り揃えており、交通安全、学業成就、商売繁盛、家内安全など様々な願いに応じたものが用意されています。特に農業神である豊受毘売神のご利益にちなんだ五穀豊穣のお守りや、住吉大神の加護による交通安全のお守りは地域の特色を反映したものとして親しまれています。
社務所では「えぞみくじ」という北海道らしいおみくじも取り扱っており、玉ねぎの形をしたユニークなデザインで話題となっています。また、カーリングの御神籤もあり、北見市がカーリングの聖地として知られることにちなんだ地域色豊かな授与品も楽しめます。
アクセス・利用情報
北見神社は北見市の中心部に位置し、公共交通機関でも自家用車でもアクセスしやすい立地にあります。国道39号線沿いに面しており、遠方からも分かりやすい場所に鎮座しています。参拝は24時間可能で、社務所での御朱印授与やお守りの授与は日中の時間帯に対応しています。
交通アクセス
JR北見駅から徒歩約11分の距離にあり、駅前の道を国道39号線沿いに東に向かうと、大きな鳥居が左手に見えるためすぐに見つけることができます。徒歩でのアクセスは比較的平坦な道のりで、観光や散策の途中に立ち寄るのにも適しています。
自動車でのアクセスの場合、JR北見駅からは約4分の距離です。国道39号線を網走方面に向かい、北見駅から2~3キロメートルほどの場所に位置しています。周辺は住宅地と商業地が混在するエリアで、目印となる建物も多く、初めて訪れる方でも迷うことなく到着できます。
公共交通機関ではバスの利用も可能で、最寄りのバス停は「北2東6丁目」で神社まで徒歩約3分、「3・4条東4丁目」で徒歩約5分の距離にあります。
拝観時間・料金・駐車場情報
北見神社は参拝自由で、境内への立ち入りは24時間可能です。参拝料は無料で、どなたでも気軽にお参りいただけます。社務所の受付時間については詳細は公式サイトをご確認ください。
専用駐車場が国道39号線側に設置されており、50台程度の駐車が可能です。正月などの混雑時には臨時駐車場が設けられ、その案内はホームページやチラシ等で毎年お知らせされています。駐車料金は無料で、参拝者であれば自由に利用できます。
周辺にはタイムズ北見北5東3やノルテパーク道銀北見支店などの有料駐車場もあり、専用駐車場が満車の場合でも駐車場所の確保は比較的容易です。
バリアフリーに関する詳細情報については、事前に神社へお問い合わせすることをおすすめします。団体での参拝を希望される場合も、事前にご相談いただければ適切なご案内をいたします。
<住所> 〒090-0022 北海道北見市北2条東6丁目11番地
参照サイト
・北見神社 公式ホームページ:https://kitamijinja.com/