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波佐見焼とは?その特徴と魅力、日用食器としての歴史を紹介!

波佐見焼とは?その特徴と魅力、日用食器としての歴史を紹介!

波佐見焼は長崎県の中央に位置する波佐見町で作られています。

波佐見焼は400年余りの歴史の中で、庶民の食生活と食文化を支える日用食器としての地位を確立しました。

出荷額が上位3位に入るほどの人気でありながら、余り知られていない波佐見焼。

親しみやすく長く愛用できる波佐見焼の特徴と魅力、日用食器としての歴史を解説します。

波佐見焼の特徴

波佐見焼の特徴

波佐見焼の特徴は、透明感のある白磁と呉須という青い染料で絵付けされた美しさです。

また、透かし彫りや網目模様の繊細さは、波佐見焼ならではの特徴と言えます。

一方で、「特徴のなさが波佐見焼の特徴」ともいわれています。

様々な形やデザインがあり、時代やニーズに合わせた器が作られています。

波佐見焼の魅力

波佐見焼の魅力 

波佐見焼の魅力は、リーズナブルなこと、軽くて丈夫なこと、デザインが豊富なこと

があげられます。

佐波焼はリーズナブル

分業制による効率性の高さと、型を使うことで同じ形の焼き物を大量に作ることで価格を抑えています。

しかし、すべての工程が、熟練した職人さんたちの手仕事です。

土づくりの「陶土屋さん」、 原型づくりの「型屋さん」、焼成前の生地づくりをする「生地屋さん」、生地の素焼き・下絵付け・釉薬かけ・本窯焼成を行う「窯元」、上絵付けを行う「上絵屋さん」の手を経て商品となります。

完成した商品は商社さんが販売します。

このシステムにより日本国内の日常食器の20%を作り出しているのです。

佐波焼は軽くて丈夫

波佐見焼は陶石を原料にし高温で焼成するため、陶器と比べ軽くて丈夫です。

また、電子レンジや食洗器を使用できるものが多いので便利に使えます。

江戸時代中期に作られていた「くらわんか碗」や、江戸末期から大正時代の「コンプラ瓶」、1987年から学校給食に取り入れられた「ワレニッカ食器」など、波佐見焼は軽くて丈夫な日用食器を追及してきました。

波佐見焼はデザインも様々

波佐見焼は、歴史をつけ継いだ伝統的なデザインもある一方で、ポップなものからスタイリッシュなものまで様々なデザインがあります。

伝統的な波佐見焼を気に入った居酒屋探訪家の太田和彦氏がオリジナルの盃を作っていますし、アメリカのアップルストア本店とアップル・スタジアムの2店限定で販売されている、アップル社用のマグカップも、波佐見焼のブランド「HASAMIPORCELAIN」製です。

様々な要求に対応できることも波佐見焼の魅力ですね。

波佐見焼の歴史を紐解く

波佐見焼の歴史を紐解く

波佐見焼の歴史はおよそ400年。大きな変革を乗り越えながら現代まで続いてきました。

その歴史を紐解いていきましょう。

波佐見焼のはじまり

波佐見焼は安土桃山時代の終幕、1600年頃に始まりました。

ちょうど関ヶ原の戦いの頃です。

全長約22m部屋数約12室の下稗木場窯で、陶器の碗皿や甕などの日用品が作られていたと考えられています。

1610年から1620年代頃、村木の畑ノ原、古皿屋、山似田の窯で、磁器焼成に成功します。

1630年代になると波佐見三股で陶石が発見され、以来、昭和40年代までの350年余採石が続けられました。

現在は、国指定史跡「三股砥石川陶石採石場」として、波佐見焼を支えてきた歴史を伝えています。

1600年代は青磁の生産が主力で、美しい釉色と陰刻文様に印花や貼花を施した製品は当時の日本の富裕層に愛されました。

波佐見焼の海外輸出

その後、中国の内乱の影響から波佐見焼は東南アジア諸国へ輸出されますが、中国国内が平安化することで輸出先を失い日本国内向けの陶磁器を生産します。

大村藩の後押しもあり、「くらわんか碗」と呼ばれる、粗めの素地に素朴な絵柄の丈夫な日用食器が人気を博しました。

手ごろな価格で買える波佐見焼は、庶民の日常の食を支えたのです。

また、1650年頃から明治時代末期までは、醤油・酒などを入れ海外に輸出するための「コンプラ瓶」が盛んに作られ、トルストイが一輪挿しに使っていたなどの逸話もあります。

明治・大正・昭和の波佐見焼

明治・大正・昭和の波佐見焼

大村藩の支援がなくなり存亡の危機を迎えますが、新たな技術開発など努力を続け、日用食器を中心に生産をしました。

また、洋食器や酒樽なども生産されます。

戦争や好不況の影響を受けながらもデザインを自在に変化させ、人々のニーズに合わせた食器を作り続けました。

「有田焼」という名の波佐見焼

もともと伊万里港から出荷していた焼き物を伊万里焼と呼んでいましたが、伊万里地方で作られるものを伊万里焼、有田地方で作られるものを有田焼と呼ばれるようになりました。

有田と波佐見は隣接しているため、波佐見焼は有田焼の一部として扱われます。

しかし、牛肉の産地偽装問題から産地を明確にすることが社会的に求められ、有田焼と波佐見焼と明確に区別するようになりました。

どこの家庭にもあったレトロな有田焼の食器は、もしかすると波佐見焼だったかもしれません。

波佐見焼を購入するには?

波佐見焼を扱うオンラインショップも多いので、手軽に購入できます。

ゴールデンウイークには「波佐見陶器まつり」が行われており毎年大盛況です。

秋にも陶器まつりが行われていて、ゴールデンウイークより小規模ながらゆっくり見られお得な商品が買えます。

旅行会社がイベントに合わせツアーを組んでいるので、現地で買い物をするのもお勧めです。

また、波佐見町のふるさと納税の返礼品としても人気が高く、お得に波佐見焼を手に入れることができます。

都内でも多くのショップが波佐見焼を取り扱っているので、ぜひ探してみてください。

まとめ

まとめ

出典:BARBAR(馬場商店)/いろは/土瓶(急須)

波佐見焼は有田焼の下請け的な立場で表に出ない名称でしたが、日用食器としてとても人気があります。

透かし彫りや網目模様といった伝統的な絵柄から、色彩豊かでポップな形状まで多様なデザインがあることや、リーズナブルで軽くて丈夫なことも魅力的です。

あなたにとってのお気に入りが、きっと見つかるはずですよ。

参照:町サイト/波佐見町
参照:波佐見焼振興会

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