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三之宮比々多神社|相模国三宮の由緒ある古社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

三之宮比々多神社|相模国三宮の由緒ある古社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

神奈川県伊勢原市に鎮座する三之宮比々多神社は、約1万年という悠久の歴史を誇る相模国最古級の神社です。延喜式内社として格式高く、相模国三宮の地位を持つこの古社は、国土創造の神である豊斟渟尊をお祀りし、多くの参拝者に愛され続けています。

三之宮比々多神社の概要・基本情報

三之宮比々多神社|相模国三宮の由緒ある古社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

三之宮比々多神社は、10世紀前半に編さんされたとされる延喜式神名帳にも記される長い歴史を持つ神社として知られています。神社周辺から発掘された遺跡や遺物から、その始源は約1万年以上前まで遡ることができ、古代から聖地として崇敬されてきた場所です。

現在の神社は相模国三宮として位置づけられ、毎年5月5日に大磯町で行われる国府祭では、相模五社の一つとして重要な役割を果たしています。地元では古くから「三ノ宮さま」の愛称で親しまれ、所在地名の「三ノ宮」も当社に由来しています。

歴史と由来

神社境内地・近隣より発掘出土した遺跡遺物などから推測すると、約1万年以上遡ることができます。社伝によると、初代天皇の神武天皇六年、人々が、古くから祭祀の行われていた当地を最上の地と選定、神を祀る社を建立し、相模国の霊峰大山を神体山とし、豊斟渟尊を日本国霊として祀ったことが創建の起源とされています。

その後の歴史において、崇神天皇7年には神地「神戸」を賜り、大化元年(645年)には相模国の国司・布勢朝臣色布知により社殿の改修が行われました。この際、現在も重要文化財として保存されている木製の狛犬一対が奉納され、大酒解神と小酒解神の二神が合祀されました。

天長9年(832年)には、国司の橘朝臣峯嗣を勅使として相模国総社「冠大明神」の神号を淳和天皇より賜ったとされ、神社の格式がさらに高められました。鎌倉時代には源頼朝が妻・北条政子の安産祈願のため神馬を奉納するなど、古くから朝野の信仰を集めてきました。

祭神とご利益

主祭神は豊斟渟尊(またの名を豊国主尊)で、国土創造の神として崇敬されています。この神様は大地・開発・発明・創造を司り、私たちの生活基盤となる大地を整え、万物の成長と育成を見守る存在です。

その他の御祭神として、天明玉命(玉造りの神・不思議な霊力発揮・子宝)、稚日女尊(機織りの神・衣料)、日本武尊(叡智と武勇の神・出世・開運・除災・交通)がお祀りされています。相殿には大酒解神(酒造りの神・酒類業・山火鎮護)、小酒解神(縁結び・子授安全)も合祀されており、多様なご利益を求める参拝者が訪れます。

特に酒解神を合祀していることから、酒造家の間に崇敬されています。また、主祭神の豊斟渟尊は国土創造の神として、良縁、結婚、子授け、出産、育児、入園、入学、就業、商売、交通などの人生の重要な局面において、導きをもたらす除災開運の神として信仰されています。

三之宮比々多神社の見どころ・特徴

三之宮比々多神社|相模国三宮の由緒ある古社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

三之宮比々多神社の境内は約4500坪の広さを誇り、鬱蒼とした古木に囲まれた神聖な空間となっています。長い歴史に裏打ちされた文化財や自然の美しさが調和し、訪れる人々に深い感動を与えています。

建造物・構造の魅力

神社の本殿は荘厳な造りで、参拝者を圧倒する存在感を放っています。拝殿も広々としており、静寂な雰囲気の中で心を落ち着けて参拝することができます。境内の配置は古式に則ったもので、参道から本殿に至るまでの空間構成が、参拝者の心を自然と神聖な気持ちに導いています。

神社の西方には元宮と呼ばれる旧社殿跡があり、三之宮比々多神社から西へ、坂を上がっていくと小さな鳥居と石祠があります。三之宮比々多神社の旧社殿の跡地である元宮です。この元宮は特別なパワースポットとして知られ、元宮からの眺望は素晴らしく、晴天の日には市内から相模湾まで一望することができます。

自然・景観の美しさ

境内には樹齢500年以上とされる「相生の欅」と「杉の御神木」がそびえ立ち、神社の長い歴史を物語っています。これらの巨木は神社のシンボル的存在として、多くの参拝者に神秘的な印象を与えています。

発掘された縄文時代中期の環状配石(ストーンサークル)の「立石」(メンヒール)は祭祀遺跡の御神体として原初的な神社の信仰、古くからの聖地信仰の指標を現しているとされ、太古の昔からこの地が特別な場所であったことを示しています。

四季を通じて境内の自然は美しく変化し、春の新緑、夏の青葉、秋の紅葉、冬の雪景色と、それぞれの季節に応じた神聖な美しさを楽しむことができます。また、現代では花手水なども設置され、伝統と現代的な美しさが調和した空間となっています。

文化財・重要な所蔵品

三之宮比々多神社には、長い歴史を物語る貴重な文化財が数多く保存されています。特に注目すべきは、大化元年(645年)に至り、相模国の国司・布勢朝臣色布知によって社殿の改修が行われ、一対の木彫の狛犬が奉納されたもので、これらの狛犬は現在神奈川県の重要文化財に指定されています。

同じく重要文化財として、「鶉瓶」と呼ばれる須恵器が納められた「ウズラミカ」があります。これは毎年11月下旬に行われる「酒祭」の神事にのみ本殿より出御される特別な神宝で、その神秘性から多くの信仰を集めています。

神社に併設されている三ノ宮郷土博物館には、2千点を超える考古資料が展示されており、神社周辺の古墳群から出土した馬具、太刀、玉類、土器などの副葬品を見学することができます。これらの出土品の質は極めて高く、古代相模における最高権力者に供えられた副葬品と考えられており、この地域の古代史を知る上で貴重な資料となっています。

参拝・拝観案内

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三之宮比々多神社は一年を通じて参拝者を迎え入れており、古式ゆかしい参拝の作法と共に、季節ごとの美しい行事を楽しむことができます。約1万年の歴史を持つ神聖な空間で、心を込めてお参りすることで、神様からのご加護を受けることができるでしょう。

参拝作法とマナー

神社への参拝では、まず鳥居をくぐる前に一礼し、参道は中央を避けて歩くのが基本的なマナーです。手水舎では左手、右手、口の順に清め、心身を清浄にしてから拝殿に向かいます。

拝殿では「二拝二拍手一拝」の作法で参拝します。まず深く二回お辞儀をし、胸の前で二回拍手を打ち、最後に深く一回お辞儀をして感謝の気持ちを込めてお参りしましょう。参拝の際は、日頃の感謝を伝え、具体的な願い事がある場合は心の中で丁寧にお伝えします。

三之宮比々多神社では、主祭神の豊斟渟尊が国土創造の神として、人生の様々な段階でのご加護を賜ることができます。特に新しい事業の開始、縁結び、子宝、家族の安全などを願う方が多く訪れています。

年中行事・季節のイベント

三之宮比々多神社では一年を通じて様々な祭事が行われており、中でも毎年4月22日に執り行われる例大祭は最も重要な行事です。3基の山車が練り歩く近在きっての祭典行事として知られ、地域の人々総出で盛大に執り行われます。

5月5日には、大磯町で行われる、相模の国の一之宮寒川神社からから総社(五之宮)平塚八幡宮、総社六所神社が集まる国府祭(こうのまち)において、比々多神社は一之宮と二之宮を仲裁する重要な役割を果たします。この国府祭は相模国の伝統的な祭事として、古くから続く貴重な文化行事となっています。

6月には夏越大祓が行われ、参列者が「茅の輪」をくぐり、心身の穢れを清め無病息災を祈ります。この行事は知らず知らずのうちに積もった罪や穢れを祓い清め、健康で明るい生活が送れるよう祈願する大切な神事です。

5月の第3土曜日・日曜日には「まが玉祭」が開催され、本殿前の特設舞台での奉納演舞や演技、大人気のまが玉づくり、フリーマーケット、地場産品販売など30以上の団体による多彩なイベントが2日間にわたって繰り広げられます。

11月下旬には「酒祭」が行われ、重要文化財である「ウズラミカ」が本殿より出御される特別な神事として執り行われます。

御朱印・お守り情報

三之宮比々多神社では、参拝の記念として御朱印を授与しています。初穂料500円2種、見開き御朱印1000円で拝受することができ、可能日・時間は8:30~16:30となっています。初詣、夏詣、師走詣、朔日詣などの際にも随時頒布されています。

また、神社では所管社25社の御朱印も取り扱っており、御朱印巡りを楽しむ方にとって貴重な機会となっています。御朱印は書置きのみとなっているため、御朱印帳をお持ちの方はご持参ください。

お守りについては、主祭神のご神徳に基づいた各種のお守りが用意されています。国土創造の神である豊斟渟尊のご利益にちなんだ開運・厄除けのお守りをはじめ、縁結び、子宝、交通安全、商売繁盛など、様々な願いに応じたお守りを授与しています。詳しい種類や初穂料については、参拝時に社務所でお尋ねください。

アクセス・利用情報

三之宮比々多神社|相模国三宮の由緒ある古社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

三之宮比々多神社は神奈川県伊勢原市に位置し、都心からもアクセスしやすい立地にあります。電車とバスを利用した公共交通機関でのアクセスが一般的ですが、自動車でのアクセスも可能です。

交通アクセス

電車をご利用の場合は、小田急小田原線「伊勢原駅」または「鶴巻温泉駅」が最寄り駅となります。都心からは約1時間程度でアクセスできる便利な立地です。

伊勢原駅からは神奈川中央交通のバスを利用します。北口1番線(関台経由栗原行)乗車→「比々多神社」下車(約15分)→徒歩すぐのルートが最も便利で、バス停からすぐに神社に到着できます。

その他のルートとして、北口1番線(大住台経由鶴巻温泉行)乗車→「神戸」下車(約12分)→徒歩約12分、または北口4番線(殿村・石倉橋経由伊勢原車庫行)乗車→三ノ宮下車(約12分)→徒歩約5分のルートもあります。

鶴巻温泉駅からは、2番線(大住台経由伊勢原駅北口行)乗車→「神戸」下車(約12分)→徒歩約12分のルートが利用できます。

自動車でお越しの場合は、新東名高速道路「伊勢原大山インター」から約5分と非常にアクセスが良好です。

<住所> 〒259-1103 神奈川県伊勢原市三ノ宮1472番地

拝観時間・料金・駐車場情報

三之宮比々多神社の境内は基本的に年中無休で参拝可能ですが、社務所の受付時間や御朱印の授与時間は8:30~16:30となっています。参拝そのものは無料で行うことができます。

併設されている三ノ宮郷土博物館については、開館時間:09:00〜16:00、休館日:年末年始・例祭日(4月22日)・節分、入館料大人200円(150円)・小人100円(70円)となっており、括弧内は30名以上の団体割引料金です。なお、5月第3土曜日・日曜日のまが玉祭期間中は終日無料開館となります。

駐車場については境内に参拝者用の駐車スペースが用意されていますが、例大祭や年始などの混雑時には満車となる可能性があります。大型の祭事の際は公共交通機関のご利用をお勧めします。

バスの運行本数は限られているため、事前に神奈川中央交通のホームページで時刻表をご確認の上、お出かけください。また、元宮への参拝をお考えの方は、本殿から徒歩約7分の坂道を登る必要がありますので、歩きやすい服装でお越しください。

参照サイト

・比々多神社 公式ホームページ:https://hibita.jp/
・神奈川県神社庁:https://www.kanagawa-jinja.or.jp/shrine/1209179-000/
・伊勢原市公式サイト:https://www.city.isehara.kanagawa.jp/oyama_mairi/heritage/hibitajinja/

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