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住吉神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

住吉神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

小樽の港町を見下ろす高台に鎮座する住吉神社は、慶応元年(1865年)の創建以来、小樽の総鎮守として地域の人々に愛され続けています。海運で栄えた小樽らしく航海安全の神として崇敬され、参道から望む石狩湾の絶景や美しい千本鳥居など、歴史と自然が織りなす魅力的な見どころが満載です。

住吉神社の概要・基本情報

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住吉神社は北海道小樽市住ノ江に鎮座する、小樽を代表する歴史ある神社です。正式には「小樽総鎮守住吉神社」と称され、神社本庁包括下の別表神社として、旧社格は県社という格式の高い神社として知られています。国道5号線沿いに位置し、南小樽駅から徒歩8分という好立地にあります。

歴史と由来

住吉神社の歴史は幕末の動乱期にまで遡ります。元治元年(1864年)、函館八幡宮の神主である菊地重賢が、オタルナイ(小樽の旧名)とタカシマ両地区の総鎮守として住吉大神の勧請を箱館奉行所に願い出たのが始まりです。

慶応元年(1865年)6月にオタルナイ運上屋の最寄りの地への勧請奉祀が許可され、明治元年(1868年)8月3日に御神体が到着しました。当初は社地造成が間に合わなかったため、山ノ上町の厳島神社に仮奉祀され、鎮座祭が執り行われました。

明治4年に厳島社から量徳町28番地に移転し、明治8年には郷社に列格されました。明治14年の火災後、量徳町道路改正に際して現在地への転地が許可され、明治32年(1899年)に現在の社殿が造営されました。当初は「墨江神社」と称していましたが、明治25年1月に「住吉神社」と改称され、明治39年11月には県社に昇格しています。

祭神とご利益

住吉神社の御祭神は、底筒男神(そこつつのおのかみ)、中筒男神(なかつつのおのかみ)、表筒男神(うわつつのおのかみ)の住吉三神と、息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと)の四柱です。

これらの神々は古事記・日本書紀によると、伊弉諾尊(いざなぎ)が筑紫の日向の橘の小戸で禊祓いをされた際に、尊の御体から流れ落ちた水が渦を巻き、その中からお生まれになった神様とされています。住吉大神は禊祓いの御神格をもって御出現されたことから、清め祓いの神、安産の神として信仰されています。

また、神功皇后の新羅御出兵の際の神託に基づく無事帰還の故事から、航海安全、交通安全、商売繁盛の神として崇敬されています。特に海運で栄えた港町小樽では、北前船をはじめとする船舶の航海安全を祈願する船乗りや商人たちの篤い信仰を集めてきました。

住吉神社の見どころ・特徴

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住吉神社は小樽の歴史と自然が調和した美しい境内で知られ、多くの見どころを有しています。鎮座150周年記念事業として平成30年から令和4年にかけて参道の石段や石畳が整備され、より親しみやすい神社として生まれ変わりました。

建造物・構造の魅力

住吉神社の社殿は住吉造という古式ゆかしい建築様式で建てられており、社殿面積は197坪(650平方メートル)という堂々たる規模を誇ります。境内面積は10,364坪という広大な敷地を有し、北海道らしい雄大なスケール感を感じることができます。

特に注目すべきは昭和9年(1934年)建築の木造1階建ての社務所で、木造としては道内最大級の規模を誇り、1994年に小樽市指定歴史的建造物に認定されています。伝統的な日本建築の美しさを現代に伝える貴重な建造物として、多くの参拝者や建築愛好家から注目を集めています。

境内には第一鳥居から第三鳥居まで続く参道が美しい石畳で整備されており、参道の両側には立派な石灯籠が並んでいます。これらの石灯籠や石階段の多くは、小樽経済界の重鎮や豪商によって奉納されたもので、港町小樽の繁栄を物語る歴史的価値を持っています。

自然・景観の美しさ

住吉神社最大の魅力の一つは、社殿から望む絶景です。参道脇の樹木の枝払いが行われたことで、参道から石狩湾(日本海)を望む美しい景観が創出されました。社殿から振り返ると、一直線に延びる参道の先に小樽の海が広がり、まさに海の神を祀る神社にふさわしい壮大な眺望を楽しむことができます。

社殿の裏手には船上山という小高い山があり、社殿左手の案内看板から20~30メートルほど登ると山頂に到達できます。山頂からは小樽港が一望でき、遥か遠くに樺戸や暑寒の山並みを見渡すことができます。特に豪華客船が停泊している時期には、港町小樽らしい美しい風景を堪能できます。

近年では境内でエゾリスが見かけられるようになり、市内では希少な野生動物との出会いも期待できます。四季を通じて異なる表情を見せる境内では、春の新緑、夏の青々とした緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、北海道の豊かな自然を感じることができます。

千本鳥居と花手水

境内には社務所横に美しい千本鳥居が建ち並んでおり、鮮やかな朱色が訪れる人々をハッとさせる美しさで迎えています。この千本鳥居は近年整備され、フォトスポットとしても人気を集めており、多くの参拝者が記念撮影を楽しんでいます。

また、季節によって行われる花手水も住吉神社の新たな魅力となっています。バラやひまわりなど色とりどりの花が美しく浮かべられ、「そうだ 小樽に 行こう」という木札が添えられるなど、訪れる人々の心を和ませる工夫が施されています。この花手水は季節ごとに異なる花々で彩られるため、何度訪れても新鮮な発見があります。

境内にはさらに「子宝いぬ」と「せたけ石」という興味深いスポットもあります。子宝いぬは、まず親犬の頭を撫で、次に自分の干支の石を撫で、最後に子犬の頭を撫でることで安産祈願や子宝祈願ができるとされています。せたけ石は子どもの身長を測ることで成長祈願ができる石で、地元の家族連れに親しまれています。

参拝・拝観案内

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住吉神社は24時間参拝可能な神社として、いつでも訪れる人々を温かく迎えています。小樽の総鎮守として、人生の節目節目に多くの地元の人々が自然と足を向ける神社です。

参拝作法とマナー

住吉神社での参拝は、一般的な神社と同様の作法で行います。第一鳥居をくぐる際には一礼し、参道は中央を避けて歩きます。手水舎で心身を清めてから拝殿に向かい、二拝二拍手一拝の作法で参拝します。

参拝時には住吉大神への感謝の気持ちを込めて、航海安全、交通安全、商売繁盛、安産祈願など、それぞれの願いを込めてお参りください。境内では野生のエゾリスが見られることがありますが、餌付けなど野生化を損なう行為は控え、静かに見守ることが大切です。

年中行事・季節のイベント

住吉神社では年間を通じて様々な祭事が執り行われています。最も盛大なのは毎年7月14日から16日にかけて行われる例大祭(通称:小樽まつり)で、小樽三大祭の一つに数えられています。この期間中は「百貫神輿御幸渡御」と呼ばれる道内最大級の神輿の渡御や、明治22年に新潟県三条市八幡神社から伝承された歴史ある「太々神楽」の奉納が行われます。

1月1日の歳旦祭では新年を祝い、皇室の弥栄と国家の繁栄、国民の幸福を祈る祭典が行われます。1月15日には古いお札やお守りを燃やすどんど焼きが第一鳥居脇公園内で執り行われ、多くの参拝者が訪れます。

秋には御神田抜穂祭が行われ、小樽市忍路の田口農園の一角を神田として、春に植えた稲の収穫が行われます。収穫された米は稲玉守りや伊勢神宮への奉献上米として使用されます。

御朱印・お守り情報

住吉神社では美しい御朱印を授与しており、参拝の記念として多くの人々に親しまれています。社務所では様々なお守りも授与されており、航海安全、交通安全、安産祈願、商売繁盛など、住吉大神のご利益にちなんだものが揃っています。

境内には北海道各地の神社が出している「えぞみくじ」も設置されており、住吉神社では小樽の特産品であるニシンをモチーフにした「日進月歩(ニシンげっぽ)」という絶妙なダジャレと北海道弁で書かれたユニークなおみくじを楽しむことができます。

アクセス・利用情報

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住吉神社は小樽市内でも特にアクセスの良い立地にあり、観光客にとっても訪れやすい神社です。国道5号線に面しているため、車でのアクセスも良好です。

交通アクセス

JRを利用する場合は、JR函館本線「南小樽駅」で下車し、駅前の道をまっすぐ進んで徒歩約8分で到着します。小樽駅からも徒歩圏内で、小樽運河などの観光スポットと合わせて散策を楽しむことができます。

バスを利用する場合は、北海道中央バス(おたもい営業所、真栄営業所、札樽線)またはジェイ・アール北海道バス(札樽線)の「住吉神社前」バス停で下車し、徒歩1分という便利さです。札幌から小樽への高速バスも10分おきに運行されており、住吉神社前バス停に停車するため、札幌方面からのアクセスも非常に良好です。

車でお越しの場合は、国道5号線沿いという立地の良さから、札幌方面、函館方面いずれからもアクセスしやすくなっています。

<住所> 〒047-0014 北海道小樽市住ノ江2丁目5番1号

拝観時間・料金・駐車場情報

住吉神社は24時間参拝可能で、拝観料は無料です。いつでも気軽に参拝できるのが魅力の一つで、早朝の清々しい空気の中での参拝や、夕刻の美しい夕日を眺めながらの参拝など、時間帯によって異なる魅力を楽しめます。

駐車場についての詳細は公式サイトでご確認いただくか、直接神社にお問い合わせください。電話番号は0134-23-0785です。境内は広大な敷地を有しているため、一定の駐車スペースは確保されていますが、例大祭などの大きな行事の際は混雑が予想されます。

国道5号線沿いという立地上、神社の横には蕎麦屋もあり、参拝後の休憩スポットとしても利用できます。11時から14時までは親子丼またはかきあげ丼と蕎麦または うどんのセットが680円で提供されており、参拝の合間の食事にも便利です。

参照サイト

・小樽総鎮守住吉神社 公式ホームページ:http://www.otarusumiyoshijinja.or.jp/

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