
三ツ石神社(盛岡市)|岩手県名物わんこそばの起源となった由緒ある神社の歴史と見どころを完全ガイド
岩手県盛岡市にある三ツ石神社は、古くから地域の人々に「三ツ石様」として親しまれてきた歴史ある神社です。「岩手」の名の由来とも言われるこの神社には、羅刹鬼の退散を記念した「さんさ踊り」の発祥伝説や、岩手県という地名の起源にまつわる興味深い物語が残されています。境内に立ち並ぶ三つの巨大な花崗岩は圧倒的な存在感を放ち、訪れる人々に深い印象を与える神秘的なパワースポットとして知られています。
三ツ石神社の概要・基本情報
三ツ石神社は盛岡市名須川町の東顕寺の裏手に鎮座する神社で、この地域で最も古い神社であるとされています。創建年代は不詳ながら、慶長4年(1599年)に南部藩がこの地に居城を構えた際、家祖である南部光行の御霊をこの神社に迎えています。境内には注連縄が張られた三つの巨大な花崗岩が立ち並び、古くから信仰の対象となってきました。
歴史と由来
三ツ石神社の歴史は古く、古くから「三ツ石様」と呼ばれて人々の信仰を集めていました。最も有名な伝説として、昔この地に羅刹という鬼が住んでおり、悪事の限りを尽くして里人や旅人を困らせていたという話があります。困り果てた里人たちは「三ツ石様」に「悪い鬼をこらしめてください」とお願いしたところ、三ツ石様がたちまちに羅刹鬼をこの3つの大石に縛りつけたとされています。
鬼は恐れおののき、二度とこの地に現れないことを約束し、その証として三ツ石に手形を押して立ち去ったと伝えられています。この伝説から、鬼が岩に手形を押したということから「岩手」という名前が出来たと言われているのです。また、鬼が三ツ石の神様と「二度とこの地に足を踏み入れない」と約束した地域を「不来方」と呼ぶようになったのが由来というのが有力な説とされています。
祭神とご利益
三ツ石神社の祭神は少彦名尊です。少彦名尊は医療や薬草の神として知られ、医療の神様と、五穀豊穣の神様ということで、主なご利益は、増産、縁結び、病気平癒、家内安全、商売繫盛、交通安全、無病息災、身体健勝、五穀豊穣といったご利益があると言われています。また、少名彦尊、稲荷大明神、三ツ石様が主祭神として祀られており、特に病気平癒や身体健康に関するご利益で親しまれています。
三ツ石神社の見どころ・特徴
三ツ石神社の最大の特徴は、その名前の由来となった三つの巨大な花崗岩です。これらの岩は神聖なものとして注連縄が張られ、古代から人々の信仰を集めてきました。
三ツ石(巨石群)の神秘
境内に注連縄が張られた3つの巨大な花崗岩が立ち並ぶ三ツ石は、この神社の最も重要な見どころです。この3つの石は岩手山が噴火した時に落ちてきたとされていますが、実際にはこの花崗岩はもとからこの地にあったもので、噴火で落ちて来たという通説は誤りである事が岩手県立博物館でも紹介されているとのことです。
三つの岩は現在では別々に見えますが、調査によると、この岩は元来1つの岩だったらしいが、年月と共に3つに割れてしまったのだというとされています。その巨大さと神秘的な佇まいは、訪れる人々に深い印象を与え、パワースポットとして多くの参拝者が足を運んでいます。
鬼の手形伝説
三ツ石神社で最も興味深いのは、岩に残されているとされる鬼の手形です。伝説によると、羅刹鬼が二度と悪事を働かないという約束の証として、三ツ石に手形を押したとされています。鬼が手形を押した場所だけは苔が生えないので、手形らしきものが見えるという(残念ながら、最近ではかなり薄れてしまい、肉眼で確認するのは難しい)状況ですが、雨上がりの日などには『鬼の手形』は見えやすくなる…とも言われているそうです。
わんこそば発祥の地としての歴史
三ツ石神社は、実は岩手県の名物「わんこそば」の起源とも深い関わりがあります。羅刹鬼が退散した後、鬼の退散を喜んだ人々は神様に感謝し、お礼に集い、笹で作った笠をかぶり、三ツ石のまわりをさんささんさと踊り回ったとされているのです。それが「さんさ踊り」の始まりだと言われています。
この「さんさ踊り」の際に、人々が集まって食べたのが、お椀に盛ったそばでした。その際に、丼ではなくて「お椀」を使用しました。岩手の方言で語尾に「コ」を付けることから 「お椀コ蕎麦→わんこそば」と称されるようになったと伝えられています。このように、三ツ石神社は岩手県を代表する郷土料理「わんこそば」の発祥地としても重要な意味を持っているのです。
参拝案内
三ツ石神社への参拝は、神聖な場所として敬意を払い、適切な作法とマナーを心がけることが大切です。また、この神社ではさんさ祭りをはじめとした年中行事も行われており、多くの人々に愛され続けています。
参拝作法とマナー
三ツ石神社は神社ですので、一般的な神社参拝の作法に従って参拝することをお勧めします。参拝前には手水舎(てみずや、てみずしゃ、ちょうずや、ちょうずしゃ)で、”心身の浄化”のために手水を行いましょう。手水の作法は右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、手水をすくい左手を洗い清める(一杯の水で行うので、たっぷりと汲み、使い切らないよう注意)。その後、柄杓を左手に持ちかえ右手を洗い清める順序で行います。
参拝は「再拝(礼)・二拍手・一拝(礼)」の作法で行うのが基本です。神社では、もちろんお願いごとをしてもいいのですが、基本的には日頃の感謝の気持ちを神様にお伝えするといいですねとされており、感謝の気持ちを込めて参拝することが大切です。
服装についても配慮が必要で、神社を訪れる際は、神さまに見られても恥ずかしくない格好で、暑い季節でも肌の露出は少なめに。参拝時は帽子やサングラスは取ることとされています。
年中行事・季節のイベント
三ツ石神社で最も重要な行事は、さんさ祭りに関連した奉納演舞です。「盛岡さんさ踊り」の開催前に、三ツ石神社で踊りの奉納が行われるのは、伝説を大切にしているからです。例年7月下旬に「さんさ祭り」の安全と成功を祈願して行われる奉納は、ミスさんさの踊りの初舞台にもなっています。
また、8月31日には例大祭が開催され、ミスさんさによる奉納演舞があるからファンにとっても堪らない〜お姉さんたちが本当ステキで…見入っちゃう。笑大宮神楽、佐比内金山太鼓、地元の中学生の演奏、お菓子まき、それに三浦わたるさんの歌謡ショーなんかも!といった催しが行われます。
毎年8月に行われる東北五大祭り「さんさ踊り」はこの神様へ感謝を示す踊りが発祥とされ、三ツ岩神社の境内では奉納演舞が行われていることから、夏の時期には特に多くの人々が訪れます。
御朱印・お守り情報
三ツ石神社の御朱印については、注意が必要な点があります。①②ともに櫻山神社の授与所で受付いたします。三ツ石神社では、授与いたしておりませんので、ご注意願います。三ツ石神社自体では御朱印の授与は行っておらず、御朱印は、桜山神社でいただくことができます。
櫻山神社での御朱印受付時間は午前9時から午後5時となっております。また、市内にある三ツ石神社のご朱印は、当社にて受け付けております。ご参拝の上、お申し込みくださいとのことですので、三ツ石神社を参拝した後に櫻山神社に向かい、そちらで御朱印をいただくという流れになります。
お守りなどの授与品についても、櫻山神社で取り扱っているものと思われますが、詳細については櫻山神社にお問い合わせいただくことをお勧めします。
アクセス・利用情報
三ツ石神社は盛岡市の中心部にありながら、静寂に包まれた神聖な空間として多くの参拝者を迎えています。公共交通機関でも車でもアクセスしやすい立地にあります。
交通アクセス
三ツ石神社へのアクセスは複数の方法があります。公共交通機関を利用する場合は、盛岡駅 → 【バス10分】 大泉口 → 【徒歩5分】 三ツ石神社のルートが便利です。盛岡駅(バス10分) → 大泉口(徒歩5分) → 三ツ石神社で到達できます。
車でのアクセスの場合は、盛岡IC → 【車25分】 三ツ石神社となっています。盛岡市内の中心部に近い場所にあるため、比較的アクセスは良好です。
徒歩でのアクセスも可能で、盛岡駅から歩く場合は20分程度の距離になります。盛岡駅殻歩くと20分以上かかるかもしれません 循環バスでんでんむし号、バス停からもスマホの地図には大きく出てくるのですが入り口がわからず迷いました。(寺町通りにある寺町カフェの横の路地から東顕寺をぐるっと回りこむような感じ)という情報もありますので、初めて訪れる方は少し注意が必要かもしれません。
拝観時間・料金・駐車場情報
三ツ石神社は営業時間 見学自由となっており、特に時間制限なく参拝することができます。また、参拝料金も無料です。
駐車場については、普通車:5台(無料)大型バスは「上ノ橋観光バス駐車場(無料)より」徒歩10分の設備があります。三ツ石神社へ車で行きたい場合は、入口のすぐ近くにあるトイレ横の駐車場を利用しましょう。台数としては3~4台ほどは駐車できますよという情報もあり、台数に限りがあるため、混雑時は注意が必要です。
神社の規模としては比較的小さく、すぐ隣に駐車場とお手洗いがあるので、容易に参拝できますため、短時間での参拝も可能です。ただし、三ツ石の巨岩を見学し、鬼の手形を探したり、神聖な雰囲気を味わったりするためには、ある程度時間をかけてゆっくりと参拝することをお勧めします。
<住所> 〒020-0016 岩手県盛岡市名須川町2-1
参照サイト
・盛岡観光情報:https://iwatetabi.jp/spots/4734/
・櫻山神社 御朱印案内:https://www.sakurayamajinja.jp/article/notice/327