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丹内山神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

丹内山神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

丹内山神社は、岩手県花巻市東和町にある歴史深い神社で、平安時代に弘法大師(空海)の弟子である日弘によって創建されました。境内には神秘的な七不思議伝説が残り、本殿裏には古代からの信仰を集めるアラハバキ大神の巨石が鎮座しています。県指定有形文化財に指定された本殿の美しい彫刻と、パワースポットとして知られる胎内石が織りなす神秘的な空間は、多くの参拝者を魅了し続けています。

丹内山神社の概要・基本情報

丹内山神社|由緒ある神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド

丹内山神社は、かつて大聖寺と呼ばれていましたが、明治維新のときに神社となり現在の名に改められました。岩手県花巻市東和町の緑豊かな自然に囲まれた場所に位置し、古くから地域の人々に愛され続けている神社です。現在の社殿は1810年(文化7年)に再建されたもので、その美しい建築と豊かな歴史で多くの人々を惹きつけています。

歴史と由来

丹内山神社の草創は今から1300年より昔で、この地を開拓した神である多邇知比古神を祀ったのが始まりとされています。創建は承和年間(834〜847年、平安時代)で、弘法大師の弟子である日弘が不動明王を安置したことによります。当時は「大聖寺不動丹内大権現」と称していました。

この神社には多くの歴史的人物が関わっており、坂上田村麻呂東征の際に社殿を改築し、源頼義、藤原清衡、安俵城小原氏、盛岡藩主・南部利敬らの信仰が篤かったと伝えられています。特に藤原清衡の篤い信仰を受け、また江戸時代には南部藩主の祈願所として繁栄し、東北地方における重要な霊場として位置づけられていました。

興味深いことに、坂上田村麻呂が延暦年間(782〜805年)の東夷征伐の際に参籠したとの言い伝えもあり、その頃はまだ日弘による創建前で、敵の神に祈願したことになります。このことからも、この地が古くから強い霊力を持つ聖地として認識されていたことがわかります。

祭神とご利益

丹内山神社には多邇知比古神(たにちひこのかみ)、天之御中主神(あまのみなかぬしのかみ)、高御産日神(たかみむすびのかみ)、神御産日神(かみむすびのかみ)、宇麻阿志訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)、夫之常立神八十八座という非常に珍しい神様ばかりが祀られています。これらの神々は日本神話の根源的な神々であり、創造と生命力を司る存在として古くから崇拝されてきました。

そのご利益は安産、交通安全、商売繁盛、受験、就職など多岐にわたり、特に本殿裏の胎内石をくぐり抜けることで大願成就のご利益があるとされています。また、境内には謎の古代神であるアラハバキ大神も祀られており、強力なパワーを求める参拝者が訪れています。

丹内山神社の見どころ・特徴

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丹内山神社は歴史的価値の高い建造物と神秘的な自然の力が融合した、他では味わえない独特の魅力を持つ神社です。県指定有形文化財に指定された本殿の美しい彫刻から、古代から続く巨石信仰まで、見どころが豊富に揃っています。

建造物・構造の魅力

現在の本殿は桁行6.840m、梁間6.910m。木造、入母屋造、平入り、屋根銅板葺(もと茅葺)、縋破風の向拝が付いています。厨子は流造、板葺で前面向拝部に軒唐破風を付けた、桁行三間、梁間三間の方三間堂です。

特に注目すべきは外壁には和・漢の故事、物語を主題とした彫刻、脇障子には唐獅子と随所に彫刻を施した装飾優位の建物となっていることです。壁画の彩色壁彫刻は名工千葉八重郎によるもので、本殿の厨子とともに県指定有形文化財に指定されています。これらの精緻な彫刻は江戸時代後期の優れた技術を現代に伝える貴重な文化遺産として、建築史上でも高く評価されています。

建物全体の構造は当時の最高水準の技術を駆使して建てられており、細部にわたって丁寧な装飾が施されています。参拝の際には、これらの美しい彫刻をじっくりと鑑賞することで、職人たちの卓越した技術と信仰への深い思いを感じ取ることができるでしょう。

アラハバキ大神の巨石(胎内石)

丹内山神社の最奥部、本殿の裏側には、丹内山神社のご神体である、アラハバキ大神の巨石(胎内石)があります。高さ3m以上もあるこの胎内石がアラハバキの磐座で、丹内山神社のご神体として1300年以上も前から祀られていました。

この巨石は、蝦夷ら先住民より自然信仰の対象になっていたのは間違いなく、ひとつの大きな岩ですが、ポッカリと狭い穴が開いています。この磐座は、巨岩に小さめの岩が倒れ掛かるようになっていて、その隙間をくぐり抜けることができます。

そのため、胎内石とも呼ばれ、接触せずに通り抜けられると、安産になるとされています。特に壁面に触れずにくぐり抜けることができれば大願が成就すると言われていますが、中には別の石が地面より出ていてかなりの段差があるため、壁面に触れずにくぐり抜けるのは至難の業です。

アラハバキ神は古事記や日本書紀に登場することのない、謎の神です。この古代の神への信仰は、日本の原始的な自然崇拝の姿を今に伝える貴重な例として、多くの研究者や信仰者の関心を集めています。

七不思議伝説

丹内山神社には「七不思議」伝説のある不思議な神社として知られており、境内の各所で神秘的な現象が語り継がれています。これらの七不思議は、神社の霊験あらたかな力を示すものとして、古くから地域の人々に語り継がれてきました。

本殿には「本殿脇障子の唐獅子をなめると居眠りしない」と伝えられています。また、雪の積もらない岩なども七不思議の一つとして挙げられており、これらの現象は科学的な説明を超えた神秘的な力として参拝者の畏敬の念を集めています。

これらの七不思議は単なる伝説ではなく、神社に宿る特別な力を表すものとして、多くの人々に信仰され続けています。参拝の際には、これらの不思議な現象に思いを馳せながら境内を散策することで、より深い精神的な体験を得ることができるでしょう。

参拝・拝観案内

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丹内山神社での参拝は、一般的な神社参拝の作法に従いながら、この神社特有の見どころやパワースポットを体験することができます。静寂な境内で心を落ち着け、古代から続く神聖な空間での時間をゆっくりとお過ごしください。

参拝作法とマナー

神社での参拝は、まず鳥居をくぐる際に一礼することから始まります。参道は中央を避けて歩き、手水舎で心身を清めてから本殿に向かいましょう。拝殿前では「二拝二拍手一拝」の作法で参拝を行います。

丹内山神社では、特に本殿の美しい彫刻を鑑賞する際には、建物に触れないよう注意深く見学することが大切です。また、境内は神聖な場所であることを念頭に置き、静かに参拝することを心がけましょう。

写真撮影については、一般的に境内での撮影は可能ですが、本殿内部や特に神聖とされる場所では控えめにし、他の参拝者への配慮も忘れずに行いましょう。

パワースポットとしての楽しみ方

丹内山神社の最大の見どころであるアラハバキ大神の巨石(胎内石)は、参拝の所要時間は30分ほどを目安に、ゆっくりと時間をかけて体験することをおすすめします。

胎内石をくぐる際は、安全に十分注意しながら挑戦してください。かなり幅が狭く、大人の女性が通過するのは困難とされているため、無理をせず、できる範囲での参拝を心がけましょう。くぐり抜けることができなくても、巨石に触れたり、その前で祈りを捧げるだけでも十分にパワーを感じることができます。

境内の各所にある七不思議の場所も、パワースポットとして人気があります。それぞれの場所で静かに瞑想の時間を持つことで、神社の持つ特別なエネルギーをより深く感じ取ることができるでしょう。

アクセス・利用情報

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丹内山神社は岩手県花巻市東和町の自然豊かな場所に位置しており、車でのアクセスが便利です。公共交通機関を利用する場合は、乗り継ぎが必要となりますので、時間に余裕を持った計画を立てることをおすすめします。

交通アクセス

電車・バスでのアクセス
JR釜石線 土沢駅から東和交通観光バス(山の神線)に乗車し、バス停「谷内」で下車後、徒歩でアクセスできます。JR釜石線の土沢駅からバスで25分、雲南バス停にて下車して、徒歩5分という情報もあります。バスの運行本数は限られているため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。

車でのアクセス
釜石自動車道 東和ICから県道39号、県道284号経由で約10kmの距離にあります。東和ICから約15分で到着できます。県道284号から入って行くと舗装路が良好とされているため、このルートをおすすめします。

晴山駅より南東に約3km、田瀬ダムに向かう途中の道路北側、谷内地区にあります。神社は主要道路より約400mほど入る必要があります。

<住所> 〒028-0122 岩手県花巻市東和町谷内2-303

拝観時間・料金・駐車場情報

拝観時間・料金
丹内山神社は年中無休で参拝可能です。拝観料は無料で、どなたでも自由に参拝することができます。ただし、早朝や夜間の参拝は安全面を考慮して避けることをおすすめします。

駐車場
神社手前には駐車スペースがあります。駐車場にトイレもありますが、冬期は凍結するため閉鎖されていますので、ご注意ください。駐車場は無料で利用できますが、台数に限りがあるため、混雑時は譲り合いの精神で利用しましょう。

周辺情報
近くには、南部曲がり家に改造されたという、曲り家としては古い形態で、国の重要文化財になっている旧小原家住宅もあります。丹内山神社と合わせて見学することで、この地域の歴史と文化をより深く理解することができるでしょう。

参照サイト

・花巻観光協会公式サイト 丹内山神社:https://www.kanko-hanamaki.ne.jp/spot/article.php?p=157
・いわての旅 丹内山神社:https://iwatetabi.jp/spots/5623/

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