• HOME
  • ブログ
  • LOCAL
  • 天童将棋駒(てんどうしょうぎごま)とは?その歴史や特徴、魅力を徹底解説!
天童将棋駒(てんどうしょうぎごま)とは?その歴史や特徴、魅力を徹底解説!

天童将棋駒(てんどうしょうぎごま)とは?その歴史や特徴、魅力を徹底解説!

天童将棋駒(てんどうしょうぎごま)は山形県天童市で生産されている日本の伝統的な将棋駒の一つです。

長い歴史の中で地元の職人たちの技と誇りが込められたこの工芸品は、今も多くの愛好者を魅了し続けており、その美しいデザインと使いやすさは初心者から上級者まで幅広い層に支持され、今も多くの愛好者を魅了し続けています。

この記事では天童将棋駒の歴史、特徴、魅力、さらに職人技に込められた伝統も詳しくお伝えします。

天童将棋駒とは?歴史と魅力

天童将棋駒は、山形県天童市を中心に製作される伝統的な将棋駒で、江戸時代から続く長い歴史を持ちます。

その特徴は、黒漆を使って描かれる美しい文字と素材である木材の豊かな風合いであり、駒には草書体や楷書体をはじめとする多様な書体が用いられ、150種類以上ものバリエーションが存在します。

また、職人たちが手作業で一つ一つ丁寧に仕上げることによる細やかな技術と、シンプルながらも風格のあるデザインが、幅広い層に愛され続けています。

天童将棋駒の基本的な概要

天童将棋駒は、天童市の歴史と共に発展した日本の伝統的な木製の将棋駒で、一般的な駒との違いは、文字に漆が施されて黒く輝く美しさにあります。

中でも、草書体の文字を漆で描いた「書駒」は天童将棋駒の代表的なスタイルで、その風格ある佇まいが多くの人々を魅了しています。

天童市と将棋駒の関係

天童市は江戸時代後期から将棋駒の生産が盛んに行われてきた事から「将棋の町」として知られていますが、その起源は、財政難に直面した天童織田藩(てんどうおだはん)が米沢藩から駒作りの技術を導入したことが始まりとされています。

やがて天童の将棋駒は産業として確立され、将棋駒の主要な生産地として成長を遂げていきました。

天童将棋駒の歴史|発展と伝統の背景

将棋が日本に伝わったのは奈良時代とされ、将棋文化とともに天童将棋駒の歴史は発展してきました。

江戸時代には庶民にも広がった影響もあって、江戸時代後期に将棋駒生産が本格化した天童市では、天童織田藩の伝統「書駒(かきごま)」が定着しました

天童将棋駒の始まりと伝統の継承

江戸時代後期に将棋駒生産が本格化した天童市では、天童織田藩が財政を立て直すために米沢藩から駒製作の技術を取り入れた事が天童将棋駒の起源となりました。

草書体を使った「書駒」は、伝統的なスタイルとして長く人々に愛され、天童の地に今もしっかりと根付いています。

戦後の発展と将棋文化の普及

昭和に入ると天童将棋駒の生産はさらに拡大し、機械化が進んだ事により大量生産が可能になりました。

特に「押し駒(スタンプ駒)」の導入がきっかけとなって将棋文化が全国に広がるとともに、天童市は国内最大の将棋駒生産地としての地位を確立しました。

天童将棋駒の特徴|種類とデザインの魅力

天童将棋駒の魅力の一つは、その豊富な種類と美しいデザインです。

書体や仕上げの技法に多彩なバリエーションや個性がありますが、駒に使われる文字の書体も草書体や楷書体など150種類以上あると言われています。

天童将棋駒の種類とその違い

天童将棋駒は、大きく「書駒(かきごま)」「彫駒(ほりごま)」「盛り上げ駒(もりあげごま)」の3種類があります。

書駒は、駒に直接漆で文字を書き込む方法で、伝統的に草書体が用いられ、彫駒は木を彫って文字を表現し、彫った部分に漆を施したもの、そして盛り上げ駒は文字に漆を何層も重ねて立体感を出し、特に高級感が際立つ仕上がりで最高級品とされています。

素材や技法によるデザインの違い

天童将棋駒の駒木地(こまきじ)には通常ホオノキやツゲなどが使われますが、中でも特に東京都の御蔵島産のツゲは最高級品として知られており、木目の美しさや素材の硬さが駒の価値を大きく左右する重要な要素とされています。

さらに、彫り方や漆の塗り方によってもデザインが変わり、それぞれの技法が駒独自の魅力を生み出しています。

天童将棋駒の製造工程|職人技が生み出す品質

天童将棋駒は、職人の緻密な手作業によって作り上げられます。

駒の製造は木材の選定から乾燥、カット、彫りや漆入れまでの多くの工程があり、各工程で高度な技術が求められますが、中でも乾燥は長期間かけて形が安定するよう管理されているため、最終製品の品質は非常に高いものになります。

木材選びとカット工程

製作において木材選びは非常に重要なため、厳選された木材のみを使用します。

木地師(きじし)と呼ばれる職人は、駒の高さに合わせて木材を切り出して木目が美しく整うよう丁寧に加工しますが、この工程では素材の質が駒の仕上がりを左右するため、最高級の駒には硬さと美しい木目が特徴のツゲが用いられます。

書き駒と彫り駒の製作過程

駒に文字を彫り込む工程では、熟練の職人が一文字一文字を手作業で丁寧に彫り上げていきます。

書駒の場合は駒木地に直接文字が描かれますが、彫駒では彫り込んだ部分に錆漆(さびうるし)を埋め、乾燥と研磨を繰り返すことで、滑らかで美しい文字が完成します。

天童将棋駒の選び方|初心者から上級者まで

天童将棋駒には、初心者向けから上級者向けの高級品まで、幅広いグレードが揃っています。

初心者には比較的手頃な価格で購入できる書駒や彫駒が、上級者や愛好家には質の高い盛り上げ駒や希少な素材を用いた駒が人気です。

初心者におすすめの天童将棋駒

初心者には、シンプルながらも伝統工芸品としての美しさを持つ書駒や彫駒が適しています。

書駒や彫駒は手頃な価格で入門者に最適ですが、書駒の柔らかな文字や彫駒の立体感が魅力の駒です。

上級者向けの高級駒の特徴

上級者には、プロ棋士も愛用する盛り上げ駒や、最高級のツゲ材で作られた駒が特におすすめです。

盛り上げ駒は、立体的に施された漆が美しく強い存在感を放ちますが、中でも木目が整ったツゲ材の駒は、40枚すべてが同じ木目で揃っているため希少価値が高く、コレクターからも人気を集めています。

天童将棋駒の魅力と今後の展望

日本の伝統工芸品として長く愛され続ける天童将棋駒の職人たちは、伝統を守りながらも現代のニーズに応える工夫を重ねています。

今後国内外における将棋の人気と共に、天童将棋駒も世界に注目される伝統工芸としての価値はますます高まっていくでしょう。

天童将棋駒の現代における人気と評価

天童将棋駒は伝統工芸品としての価値だけでなく美しいデザインや優れた質感においてもコレクターやプロ棋士から高く評価されています。

海外の将棋ファンの間でも注目を集めていることから、天童将棋駒は単なる実用品を超えた魅力的な存在になりつつあります。

伝統工芸としての未来と継承の取り組み

天童将棋駒の技術を次世代に継承するため、職人の育成や新たなデザインの開発が進められています。

将棋文化の普及に伴い、天童市も将棋駒の生産地としての魅力を発信し続けている事から、天童将棋駒の未来はさらに広がっていくでしょう。

まとめ|天童将棋駒の魅力を再発見

天童将棋駒は、豊かな歴史、美しいデザイン、そして品質の高さで多くの人々に愛され続けている工芸品ですが、初心者から上級者まで用途や目的に合わせた駒を選べるのも大きな魅力の一つです。

本記事を通じて、天童将棋駒の奥深い魅力や歴史に少しでも触れていただけたなら幸いです。

参照元:天童将棋駒|その他工芸品|天童市|山形県ふるさと工芸品

関連記事一覧