明日香村で出会う、飛鳥時代の面影が残る古代景観めぐり

明日香村で出会う、飛鳥時代の面影が残る古代景観めぐり

甘樫丘 村を見渡す小さな丘

明日香村で出会う、飛鳥時代の面影が残る古代景観めぐり

まず訪れたいのが、明日香村のほぼ中央にある甘樫丘です。標高はそれほど高くありませんが、登り切ると明日香村の田園風景と、遠くには大和三山までを見渡すことができます。万葉集にも詠まれた土地として知られ、飛鳥時代の人々もこの丘から同じ景色を眺めていたのかもしれないと思うと、不思議と感慨深いものがあります。展望台までの散策路も整備されているので、まず村全体の雰囲気をつかみたいときの最初の一歩にぴったりの場所です。

石舞台古墳 屋根のない巨大な石室

明日香村で出会う、飛鳥時代の面影が残る古代景観めぐり

村を代表する景観のひとつが、石舞台古墳です。巨大な石を積み上げた石室がむき出しのまま残されており、盛り土がすでに失われているため、まるで舞台のような独特の姿をしています。飛鳥時代に権勢を誇った蘇我馬子の墓ではないかとする説があり、その大きさから当時の権力の大きさを物語る古墳として親しまれています。周囲は芝生の広場になっていて、古墳を眺めながらのんびり過ごす人の姿もよく見かけます。

飛鳥寺 日本で最初の本格的な仏教寺院

飛鳥寺は、蘇我氏によって建立された、日本で最初の本格的な仏教寺院として知られています。本堂には飛鳥大仏と呼ばれる釈迦如来坐像が今も安置されており、飛鳥時代の仏教文化がどのようにこの地から広まっていったのかを感じさせてくれます。境内はこぢんまりとしていますが、静かに手を合わせるだけで、時代を超えた祈りの場の空気を味わうことができます。

高松塚古墳 極彩色の壁画が伝える飛鳥美人

高松塚古墳は、1972年に発見された色鮮やかな壁画で一躍有名になった古墳です。女子群像や男子群像、青龍や白虎といった四神が描かれ、なかでも優美な女性たちの姿は「飛鳥美人」として親しまれています。壁画そのものは近くの施設で保存管理されていますが、古墳周辺の静かな野辺の風景も含めて、飛鳥の古代景観を象徴するスポットのひとつです。

キトラ古墳 天井に描かれた古代の星空

高松塚古墳とあわせて訪れたいのが、キトラ古墳です。石室の天井には日本最古とされる天文図が描かれ、四方の壁には四神が配されていることで知られています。隣接する施設では壁画の精巧な再現展示を見ることができ、古代の人々が空をどのように見つめていたのかに思いを馳せる時間になります。

酒船石と亀形石造物 用途が語られない石の遺構

村の中には、酒船石や亀形石造物といった、はっきりとした用途が伝わっていない石の遺構も点在しています。何らかの祭祀や水にまつわる儀式に使われたのではないかと考えられており、断定できない部分があるからこそ、訪れる人それぞれの想像をかき立てる存在です。田園風景の中に唐突に現れる石の造形は、明日香村ならではの散策の楽しみといえます。

おわりに 田園とともにある古代の記憶

明日香村の魅力は、ひとつの古墳や寺院だけでなく、それらを取り囲む田んぼや丘の風景ごと、飛鳥時代の記憶が保たれているところにあります。史跡を単体で見るのではなく、そこに続く道や広がる景色まで含めて歩いてみると、この村がなぜ「古代景観」という言葉で語られるのか、きっと実感していただけるはずです。

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