
浦幌神社|由緒ある開拓の神社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
北海道十勝郡浦幌町の東山中腹に鎮座する浦幌神社は、明治時代の開拓とともに歩んできた歴史ある神社です。開拓民の心の支えとして創建された由緒と、乳神神社や交通安全祈願で全国的に知られる特色ある境内社で多くの参拝者を迎えています。
浦幌神社の概要・基本情報
浦幌神社は、北海道の東、十勝の東、釧路支庁との境で、太平洋沿岸の一部包括する浦幌町の市街地区、東山中腹に鎮座している神社です。現在の浦幌町を一望できる高台に位置し、地域の総鎮守として親しまれています。
歴史と由来
浦幌神社の歴史は、北海道開拓時代の明治28年に遡ります。明治28年生剛村(現浦幌町字生剛)に初めて、土田謙吉・坂東勘五郎等の農場経営により集落を形勢し、開拓民いづれも神明の御加護を期して、拓地開墾を生業とし日に進み日と共に歩み、両人の唱導により土着の決意進むにつれ、住民の心のより所とする鎮守の御社殿創立が急務となりました。
伊勢神宮より「天照皇大神」の神璽を受け、明治29年8月15日、坂東農場内に社殿を御造営奉祀したのが始まりです。その後、氏子の増加とともに浦幌村の市街地が現在の場所を中心とするようになったため、明治の後期東山に遷座、大正12年に旧社殿を御造営しました。
昭和に入ると、昭和49年12月現在地に新たに御社殿を御造営し、平成8年で創祀100年を迎えたという歴史があります。この間、地域の神社統合により帯富神社、千歳神社、時和神社を合祀し、現在の姿となりました。
祭神とご利益
浦幌神社の御祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおかみ) 八幡大神(やはたのおおかみ)です。天照皇大神は日本の最高神として皇室の祖神であり、国家安泰や五穀豊穣、開運招福のご利益があるとされています。八幡大神は武運長久や勝負運、厄除けの神様として広く信仰されています。
これらの御祭神により、家内安全、商売繁盛、合格祈願、健康祈願、心願成就など幅広いご利益を求める参拝者が訪れています。特に開拓の歴史を持つ神社として、新しい事業や人生の転機を迎える方々からの信仰も厚い神社です。
浦幌神社の見どころ・特徴
浦幌神社は本殿の荘厳さとともに、個性豊かな境内社群が大きな魅力となっています。神明造りの社殿様式で建てられた本殿を中心に、それぞれ異なる信仰を集める境内社が配置された独特の境内構成を持っています。
建造物・構造の魅力
社殿様式 神明造 社殿面積 60坪(198㎡) 境内面積 13,500坪(44,550㎡)という規模を誇る浦幌神社の境内は、十分な広さを持ち参拝者がゆっくりと過ごせる環境が整っています。
昭和49年に建てられた現在の社殿は、伝統的な神明造りの様式を採用しており、直線的で簡素な美しさが特徴です。本殿、幣殿、拝殿が一体となった構造で、参拝者が祈りを捧げやすい設計となっています。境内からは浦幌町の市街地を一望でき、開拓時代から町の発展を見守り続けてきた神社の立地の良さを実感できます。
境内社の多彩な信仰
浦幌神社最大の特色は、多様な信仰を集める境内社群です。特に有名なのが乳神神社で、浦幌町瀬多来の山奥にあったナラの大木の幹に乳房に似た瘤があり、母乳授かりを祈ったところ成就したことから、ナラの木が乳神様として信仰されるようになったという由来があります。
地元では「乳神さん」の名で親しまれ、子宝・安産・縁結び・病気平癒(婦人病)の守護神として信仰されています。現在も御神体として瘤が祀られており、毎年5月21日、9月21日のお祭りの際には、本殿の扉が開放され、御神体を直接見ることができます。
その他にも伏見稲荷神社(商売繁盛)、水子神社(水子供養)などの境内社があり、様々な願いを持つ参拝者のニーズに応えています。また、浦幌神社は滝川市から釧路市を結ぶ国道38号線沿いにあり、全国津々浦々からライダー・サイクリストが多く訪れることから、交通安全を祈願できる名刺奉納所がある”バイクの安全を祈願する神社”としても有名で、独特の現代的な信仰形態も見ることができます。
参拝・拝観案内
浦幌神社では一年を通じて様々な祭事が行われ、参拝者を迎えています。開拓の歴史を持つ神社として、地域に根ざした温かい雰囲気の中で参拝ができる神社です。
参拝作法とマナー
浦幌神社での参拝は、一般的な神社参拝の作法に従います。鳥居をくぐる際は一礼し、参道の中央を避けて歩きます。手水舎で身を清めた後、拝殿前で二拝二拍手一拝の作法でお参りします。
境内社も数多くあるため、それぞれの神社にお参りする場合も同様の作法で行います。特に乳神神社は子宝や安産を願う方々が多く訪れるため、静かで敬虔な気持ちでお参りすることが大切です。また、交通安全名刺奉納所を利用する場合は、専用の祈願名刺に必要事項を記入して奉納します。
年中行事・季節のイベント
5月20日 浦幌神社春季祭 5月21日 乳神神社春季祭 8月最終日曜日前夜 夏季神輿渡御祭 宵宮祭 8月最終日曜日 夏季神輿渡御祭 本祭 9月20日 浦幌神社秋季例大祭 9月21日 乳神神社秋季祭が主要な年中行事となっています。
春季祭では新緑の季節の中で神様への感謝が捧げられ、特に乳神神社の春季祭は御神体を直接拝観できる貴重な機会です。夏の神輿渡御祭は地域最大の祭りで、浦幌町全体が祭り一色となります。秋季例大祭は一年の収穫への感謝と来年の豊作を願う重要な祭事です。
これらの祭事以外にも、月々の祈祷祭や特別祈願なども随時行われており、参拝者の様々な願いに対応しています。
御朱印・お守り情報
浦幌神社では多彩な御朱印を授与しています。浦幌神社の御朱印 初穂料 500 乳神神社の御朱印 初穂料 500 月毎限定御朱印 初穂料 800など、複数の種類があります。
季節によって描かれるお花や木々が変わる月限定御朱印は毎月集めに来る方もいらっしゃるほど人気で、お花の周りを囲む浦幌神社に現れる動物達が可愛らしいデザインが特徴です。また、四神御守の御朱印 青龍 初穂料 800 4体セット 2,500のように、青龍、朱雀、白虎、玄武の四神御朱印も人気があります。
お守りについては、交通安全に特化したバイクステッカー御守や無事かえるステッカー御守など、ライダーや旅行者に人気の品々が用意されています。乳神神社関連では安産御守なども授与されており、様々な願いに対応したお守りが揃っています。
アクセス・利用情報
浦幌神社は国道38号線沿いに位置し、車でのアクセスが便利な立地にあります。札幌や帯広、釧路などの主要都市からも比較的アクセスしやすく、十勝地方観光の際の立ち寄りスポットとしても人気があります。
交通アクセス
車でのアクセスの場合、札幌から約3時間45分 ※道東自動車道「池田IC」で下車。帯広から約1時間 釧路から約1時間30分となっています。道東自動車道の池田インターチェンジから国道38号線を東に向かい、浦幌町市街地を通過した先に神社があります。
公共交通機関を利用する場合は、JR浦幌駅まで 札幌駅から特急約3時間30分 帯広駅から特急約45分 普通約70分 釧路駅から特急約60分 普通約j90分でJR浦幌駅に到着します。JR浦幌駅から浦幌神社へ 徒歩12分という近さで、駅からも歩いて参拝することができます。
国道38号線は釧路と帯広を結ぶ主要道路のため、ツーリングやドライブの途中で立ち寄る参拝者も多く、国道沿いに神社ののぼりがたくさん建っているのを見て、一度入って見ようと思っていましたという声もあるように、道路からも分かりやすい立地です。
<アクセス> 〒089-5612 北海道十勝郡浦幌町字東山町18-1
拝観時間・料金・駐車場情報
浦幌神社の境内は基本的に24時間参拝可能ですが、御朱印や祈祷などの社務は日中の時間帯に行われています。詳細な受付時間については事前に神社へお問い合わせいただくことをお勧めします。
参拝に関する料金は無料で、どなたでも自由に境内に入ることができます。御朱印や各種祈祷、お守りの授与については、それぞれ初穂料が設定されています。
駐車場については、国道から山側に入っていった先に駐車場がありましたとの情報があり、参拝者用の駐車スペースが確保されています。大型車での参拝やツーリングでの立ち寄りにも対応できる規模となっており、多くの参拝者が安心して車を停めることができます。
神社への問い合わせは、電話015-576-2448、FAX015-578-7071で受け付けています。特別祈祷や神前結婚式などをご希望の場合は、事前の予約が必要となります。また、バイクや車のお祓いを希望される方も、事前にご連絡いただくとスムーズです。
乳神神社の御神体拝観や限定御朱印の授与など、時期が限定される行事もあるため、特定の目的で参拝される場合は事前に確認されることをお勧めします。年間を通じて多くの祭事が行われているため、祭典日に合わせて参拝すると、より一層神社の魅力を感じることができるでしょう。
参照サイト
・浦幌神社 公式ホームページ:https://www.urahorojinja.org/
・北海道神社庁 浦幌神社:https://hokkaidojinjacho.jp/浦幌神社/