
松本の城下町をめぐる。国宝の天守が待つ、信州の旅案内
北アルプスを背に、漆黒の天守がそびえる城下町・松本。姫路城、彦根城、犬山城、松江城とともに国宝に指定された松本城を中心に、明治の学校建築、蔵の町並み、現代アートまで、歩くたびに新しい発見がある街です。「お城は見たことあるけれど、松本はまだ」という方も、この記事を入り口にしてみてください。
国宝の城がある街、松本とは

1504年(永正元年)に前身となる「深志城」を築城したのが始まりとされ、1582年(天正10年)に小笠原貞慶により松本城へと改名。そこから約400年以上、この城は信州の中心として人々の暮らしを見守ってきました。松本駅から城までの道のりは徒歩約15分。市街地を抜けながら向かう途中には飲食店や土産物店も多く、観光気分を味わいながら歩けます。
松本城下町の見どころ
国宝 松本城
戦国時代に築かれ、現存する五重六階の天守としては日本最古を誇ります。戦乱の世に建てられた「天守」と、平和な時代になってから増築された優雅な「月見櫓」が連結していることが特徴で、異なる時代の建築様式が織りなす絶妙な調和は必見です。
外から見ると五層に見えるのに内部は六階という構造も、訪れて初めて気づく不思議なおもしろさ。外壁は白漆喰に黒漆塗りの下見板張りで、内部の各階をつなぐ階段は急勾配なうえ蹴上げが高く、居住性よりもむしろ戦闘への備えがうかがえます。最上階まで登りきると、美ヶ原高原や安曇平、北アルプスなどが展望できます。
東からは北アルプスを背景に天守が雄大な姿で佇む様子を、南西からは周囲の堀に反射した「逆さ松本城」を見ることができ、力強さと気品が訪れる人々を魅了します。
国宝 旧開智学校
旧開智学校は明治6年に開校した小学校で、現在国宝に指定されている校舎は明治9年に完成したもの。日本の近代教育の幕開けを象徴する建物として、多くの旅行者が訪れる人気スポットです。
設計・施工を担ったのは地元の大工棟梁・立石清重。和風の職人技で洋風の意匠を表現した「擬洋風建築」の代表作とされ、令和元年には近代学校建築として初めて国宝に指定されました。松本城からは車で約2分、徒歩約10分のところにあります。
なわて通り
女鳥羽川沿いに位置する縄手通り商店街。約150mの通りには雑貨店や食事処などが連なる、江戸時代の風情を漂わせた長屋風の建物が並ぶ商店街です。通りのシンボルはカエル。近くを流れる女鳥羽川周辺にカジカガエルが多く生息していることにちなんで祀られたカエル大明神があり、毎年6月には「かえるまつり」が開かれるほどの、ユニークな個性を持つ通りです。歩行者専用なので、小さなお子さん連れにも安心して楽しめます。
中町通り
かつて酒造業者や呉服問屋が集まって栄えた通り。蔵造りの建物を店舗にした、民芸・工芸品店などが並ぶレトロな雰囲気です。松本の手仕事を身近に感じられる場所として、土産選びにも立ち寄りやすい通りです。
松本市美術館
松本市出身の草間彌生の作品を中心に展示する美術館。高さ10mもある野外彫刻《幻の華》は必見です。お城や歴史建築の合間に、現代アートをひとつ。松本という街の多彩な表情を、美術館が補ってくれます。
旅のヒント
松本城・旧開智学校・博物館・美術館の入場券をセットにした共通券も販売されており、複数のスポットをめぐる際に便利です。松本城では来場日時を指定できる電子チケットも販売されており、当日券に比べて割引となるほか、観覧券の購入や天守入口での待ち時間を短縮できます。混雑が予想される春の桜シーズンや連休前には、事前に確認しておくと安心です。
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