
置賜紬 山形の山あいで受け継がれる、絣と草木染めの織物
山形県の南部、米沢や長井、白鷹といった町をまとめて「置賜地方」と呼びます。この一帯で長く織り継がれてきた絹織物が、置賜紬です。きりっとした絣模様と、植物の色をまとった糸の落ち着いた風合いは、一度袖を通すと手放しがたい心地よさがあります。今日はこの織物がどんな土地でどんなふうに生まれてきたのか、ゆっくりご紹介します。
置賜紬とは、山形の山あいで育った織物

置賜紬は、米沢紬、長井紬、白鷹紬という三つの産地の織物をまとめて呼ぶ名前です。雪深い置賜地方では、冬の間に家の中でできる仕事として機織りが暮らしに根づいていきました。米沢はかつて米沢藩の城下町で、藩主の上杉鷹山が財政を立て直すために養蚕や織物づくりを奨励したことでも知られています。藩をあげて織物に力を入れてきた歴史が、この土地のものづくりの土台になっているのです。
絣の模様に込められた手仕事の魅力

置賜紬の大きな見どころは、絣と呼ばれる技法でつくられる模様です。糸をあらかじめ染め分けてから織ることで、輪郭がふわりとにじんだような独特の柄が生まれます。なかでも白鷹町に伝わる板締め絣は、彫刻を施した板で糸を挟み込んで染める技法で、細かく整った模様を糸の段階でつくり出せるのが特徴です。長井では緯糸だけで絵のような模様を織り出す技法が育ち、絣の中でも特に手間のかかる仕事として知られています。糸を数えながら模様を合わせていく工程は、気の遠くなるような根気と経験が必要な手仕事です。
色づけにも土地の恵みが生きています。草木染めによって糸に淡い

