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飛騨牛ってどんな牛肉?厳しい基準が生む霜降りの魅力を知りたい人へ

飛騨牛ってどんな牛肉?厳しい基準が生む霜降りの魅力を知りたい人へ

岐阜県を旅すると、街のあちこちで「飛騨牛」の文字を目にします。すき焼き、ステーキ、にぎり寿司まで、さまざまな姿で登場するこのブランド牛は、いったい何がそんなに特別なのでしょうか。4つの厳しい条件をくぐり抜けた牛だけが名乗れる「飛騨牛」の世界を、一緒にのぞいてみましょう。

「飛騨牛」と名乗るための4つの条件

飛騨牛ってどんな牛肉?厳しい基準が生む霜降りの魅力を知りたい人へ

飛騨高山で育った牛がすべて「飛騨牛」になるわけではありません。飛騨牛銘柄推進協議会が定める以下の4条件をすべて満たし、協議会事務局が確認・認定したものだけが、そのブランド名を許されます。

  • 飼養期間のうち、岐阜県での期間が最も長い
  • 協議会の登録農家制度で認定・登録された生産者が肥育している
  • 14ヶ月以上肥育された黒毛和種である
  • 公益社団法人日本食肉格付協会による枝肉格付で、歩留等級AまたはB、かつ肉質等級3〜5等級と格付けされている

肉質等級は「霜降りの度合い」「色・光沢」「締まり・きめ」「脂肪の色・光沢および質」という4つの項目を5段階で評価し、そのうちひとつでも評価が低ければランクが下がります。それほど厳しい基準の検査をくぐり抜けたものだけが「飛騨牛」のブランドを名乗ることが許されます。これだけ多面的な審査を通過してこそ、飛騨牛の証である「飛騨牛表示ラベル」が交付されるのです。ラベルには肉質等級、生産者の氏名・住所、個体識別番号、認定日が明記されており、一頭一頭の来歴をたどることができます。

「岐阜牛」から「飛騨牛」へ。品質改良の歴史

飛騨牛の歴史は、1981年に兵庫県から「安福号」という牛が導入されたことからはじまります。この産子が優れた産肉成績を収めたことから、それまで「岐阜牛」としていた名称を「飛騨牛」に変更しました。そして1988年(昭和63年)1月、飛騨牛銘柄推進協議会が設立され、ブランドとしての体制が整います。

大正時代から個々の生産者による肉質改良が行われ、昭和20年代からは集団的改良が始まり、肥育技術の向上を図るなど、地域を挙げて長期的・安定的優良肉用牛の生産体制を確立してきました。長い積み重ねが、現在の飛騨牛の品質を支えているのです。

全国に名を轟かせた2002年の快挙

「飛騨牛」の名を全国的に知らしめたのは、平成14年に岐阜県で開催された第8回全国和牛能力共進会において日本一を獲得したことです。国内の優秀な和牛が一堂に会し、優劣を競う「和牛のオリンピック」とも呼ばれるほど大きなこの大会で、飛騨牛は内閣総理大臣賞を含む複数の名誉賞を受賞しました。2007年の全国和牛能力共進会においても最優秀枝肉賞を獲得し、優れたブランド牛としての地位を確立しました。

そして2023年(令和5年)1月31日、農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に第126号として登録されました。GI登録は、産地と品質の結びつきを国が公式に保証するしくみです。東京都中央卸売市場の和牛去勢平均価格と比較して、5等級および4等級において約2割高値で取引されています。

飛騨牛の味わいの正体

飛騨牛は、網目のようなきめ細かな霜降りがほどよく入っているのが特徴です。とても柔らかい肉質に加え、上質で芳醇なうま味は、厳しい基準をクリアしたブランド牛ならではの味わいです。こうした肉質を決める脂肪交雑(さし)の出来具合は、遺伝的要因や畜産農家の技術によって成り立っています。

岐阜県は日本のほぼ中央に位置し、北部には3,000メートル級の乗鞍岳や御岳をはじめとする北アルプスの高い山々が連なります。広大な自然のなかで、登録農家の手によって丁寧に育てられることが、飛騨牛の味わいの背景にあります。

飛騨牛を楽しむ、シーン別のおすすめ

すき焼き・しゃぶしゃぶで贈る、特別な食卓

霜降りのやわらかさを余すところなく味わえるのが、すき焼きやしゃぶしゃぶです。薄くスライスされた飛騨牛は、出汁や割り下のなかで軽くくぐらせるだけでほどけるような食感に。家族や大切な人との食卓に、少し贅沢な時間をもたらしてくれます。ギフトとして贈るなら、肉質等級と部位がセットになった贈答用のパッケージを選ぶと、受け取った側も迷わず楽しめます。

ステーキで感じる、一枚の迫力

等級の高い飛騨牛をシンプルに焼き上げるステーキは、霜降りの旨味と肉本来の風味が正面からぶつかってくる食べ方です。「肉を食べた」という満足感とともに、飛騨牛ならではの余韻の長さを感じられます。産地・岐阜で食べるなら、飛騨牛銘柄推進協議会が認定した「飛騨牛指定店」を訪ねると、等級や部位の説明を受けながら選べるのが魅力です。

日常使いには、薄切りや切り落とし

飛騨牛は必ずしもハレの日だけのものではありません。切り落としや薄切り肉は、炒め物や肉じゃが、煮込み料理にも使えます。飛騨牛の脂は融点が低いため、加熱すると香りが立ちやすく、料理全体にふくよかな風味が広がります。手軽に試してみたい方には、まずこうした使い方から始めてみるのもよいでしょう。

飛騨牛の産地・岐阜県には、白川郷の合掌造り集落や高山の古い町並みなど、風土と食が交差する場所がたくさんあります。産地をもっと深く知りたくなったら、飛騨・岐阜の食と文化を掘り下げた記事もあわせてご覧ください。

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