
高知・鰹のたたきを知る旅へ。初鰹・戻り鰹・藁焼きの魅力をまとめて案内します
高知といえば、まず思い浮かぶのが「鰹のたたき」という方も多いのではないでしょうか。表面だけを炙り、中は赤身のまま。薬味をたっぷりのせて豪快にいただくこの料理は、「土佐造り」とも呼ばれる高知ならではの食文化です。初めて食べる方も、もう少し深く知りたい方も、この記事を入口に高知の鰹の世界を覗いてみてください。
高知とカツオの切っても切れない関係

高知県の”味”として誰もが思いつくのが「カツオ」。消費量は全国1位で、全国平均の4倍、2位の福島県とは約2倍の大きな開きがあります。
不思議なのは、漁獲量は全国4位にとどまるという点です。これは高知のカツオ漁が主に「一本釣り」であるためで、巻き網漁と比べて漁獲量が少なくなります。しかしその分、一本釣りで釣り上げたカツオは傷がつかず品質が高く、全国から良いカツオが高知に集まる土地柄でもあります。消費量の多さは、そんな質への誇りの裏返しとも言えます。
「たたき」という名前の由来
「カツオのたたき」とは、カツオのうろこや骨を取り除いて節の状態にした身の表面を炙り、スライスしたものにたっぷりの薬味を添えた料理です。「たたき」という名前は、カツオにタレや塩をかけてたたき、味をなじませたことが由来とされています。
炙った部分の香ばしさと、中心のレアな部分のトロッとした食感が魅力で、タレや薬味をかけて楽しむのが一般的な食べ方です。
藁焼きが生み出す香ばしさ
高知の鰹のたたきを語るうえで欠かせないのが「藁焼き」という調理法です。束ねた藁に火をつけ、大きく燃え上がった炎でカツオの表面を一気に炙って仕上げます。表面を炙ることでカツオの硬い皮が香ばしく焼かれ、風味が豊かになることが特徴です。
藁を使用した高火力で一気に焼き上げることで、カツオ特有の臭みが消え、旨味が引き立ち、皮がパリッと仕上がります。ガスバーナーの炎とは異なる、わらの煙と遠赤外線がつくり出す独特の香ばしさは、一度食べると忘れられません。
地元で豊富に手に入るわらや松葉などがあぶり方に用いられてきた歴史があります。皮を焼くことで香ばしさが引き立ち、塩でたたくことで身を引き締め、旨味を凝縮させることができます。
初鰹と戻り鰹、2つの旬を楽しむ
初鰹(3〜5月ごろ)
初鰹は春先に九州から東北沖へと黒潮に乗って北上するカツオが水揚げされたもので、赤身が多くさっぱりとした味わいが特徴です。身の引き締まったさっぱりとした旨みは、たっぷりのにんにくや薬味と合わせると格別です。
戻り鰹(9〜11月ごろ)
戻り鰹は、春に黒潮に乗って北上したカツオが秋になるとUターンして南下したタイミングで水揚げされます。南下する途中で多くの餌を食べているため、初鰹に比べて脂が乗り、柔らかな味わいとトロッとした食感になります。濃厚な旨みを好む方には、戻り鰹の時期を狙うのがおすすめです。
食べ方は「塩」か「タレ」か
鰹のたたきの食べ方には、大きく2つのスタイルがあります。ひとつは「塩たたき」。焼き立てにシンプルに塩と薬味だけで仕上げるスタイルで、素材そのものの味わいが際立ちます。もうひとつは「ポン酢・タレ」で食べるスタイル。にんにく・玉ねぎ・ねぎ・しょうがなどの薬味をたっぷりのせ、ポン酢や土佐のタレをかけていただきます。どちらが本場か、というよりは、どちらにも「高知の食への愛」が宿っています。
鰹のたたきを選ぶ楽しさ
産地直送の鰹のたたきは、今では全国各地からお取り寄せできるようになっています。初鰹の時期に「さっぱり食べたい」と思ったとき、戻り鰹の時期に「濃厚な旨みを堪能したい」と思ったとき。季節を意識して選ぶだけで、ひとつの食材が旅のように楽しくなります。贈り物として選ぶ場合も、「初鰹を選んだよ」「藁焼きにこだわったものです」という一言を添えるだけで、受け取る側の喜びがぐっと深まるはずです。
高知の鰹のたたきの歴史や産地の背景については、高知の鰹のたたきの歴史や産地の背景については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。あわせてお読みください。

