
支笏湖はなぜ凍らないのか。日本最北の不凍湖をめぐる、北海道千歳の静かな絶景
北海道の冬といえば一面の雪と凍りついた景色を思い浮かべる方が多いかもしれません。ところが千歳市にある支笏湖は、真冬でも湖面が凍らない「日本最北の不凍湖」として知られています。今回は、この静かで奥深い湖の魅力を、いくつかの切り口からご紹介します。
なぜ真冬でも凍らないのか

支笏湖は火山の噴火によってできたカルデラ湖です。水深がとても深く、水の量そのものが大きいため、外気が冷え込んでも湖全体が冷えきるまでに時間がかかります。北海道内陸部の厳しい寒さの中にありながら、湖面がほとんど凍らずに冬を越すのは、こうした地形と水深の恩恵によるものです。凍らない湖という言葉だけを聞くとどこか不思議な響きがありますが、火山とともに生きてきた土地ならではの理由があると知ると、また違った目で眺めたくなります。
息をのむほど澄んだ水面

支笏湖は水の透明度が高いことでも知られ、晴れた日には湖面の奥まで光が届くような澄んだ青色を見ることができます。周囲に大きな工業地帯や市街地が少なく、火山灰質の地形が水を濾過するように働いていることも、この澄んだ水を保つ理由のひとつだといわれています。湖畔に立つと、風のない日には空や山の稜線がそのまま水面に映り込み、どこまでが空でどこからが湖なのか分からなくなるような瞬間に出会えます。
三つの山に抱かれた湖
支笏湖の周囲には樽前山、風不死岳、恵庭岳という三つの山がそびえ、湖を囲むように連なっています。湖と火山が近い距離にあるという北海道らしい地形が、この場所ならではの雄大な眺めをつくり出しています。湖畔の遊歩道やカヌー、サイクリングなど、季節によってさまざまな過ごし方ができるのも、この地形のおかげです。
湖畔の温泉でひと息つく
支笏湖のほとりには支笏湖温泉があり、湖を眺めながら湯につかれる宿が点在しています。少し足を延ばした先には、湖に面した露天風呂で知られる丸駒温泉もあり、湖と一体になったような入浴体験ができる場所として親しまれています。旅の最後に、湖の静けさをそのまま体に感じながら温まる時間は、支笏湖ならではのごほうびになりそうです。
冬だけの氷の芸術、氷濤まつり
支笏湖では毎年冬になると、湖の水を使って作られる氷のオブジェが並ぶ氷濤まつりが開催されます。夜になるとライトアップされた氷の造形が浮かび上がり、凍らない湖のほとりに、氷でできた幻想的な光景が広がるという少し不思議な対比も、この場所ならではの見どころです。
空の玄関口から近い、もうひとつの理由
支笏湖は新千歳空港からもアクセスしやすい場所にあります。北海道旅行の入り口からそれほど遠くない距離に、これほど静かで深い自然が広がっていることも、支笏湖が長く愛されてきた理由のひとつなのかもしれません。旅の最初や最後に立ち寄って、湖の空気を吸い込むだけでも、旅の印象が少し違ったものになりそうです。

