玉造温泉 出雲が育んだ日本最古級の名湯を歩く

玉造温泉 出雲が育んだ日本最古級の名湯を歩く

島根県松江市にある玉造温泉は、遠い昔から人々に愛されてきた歴史ある湯どころです。宍道湖にほど近い玉湯川のほとりに宿や足湯が並び、湯上がりの肌がしっとりと変わることから「美肌の湯」の呼び名で親しまれてきました。出雲大社への旅とあわせて訪れる人も多く、湯めぐりと町歩きの両方をゆっくり楽しめる場所です。ここでは玉造温泉ならではの魅力を、いくつかの切り口からご紹介します。

奈良時代の書物にも記された古湯

玉造温泉 出雲が育んだ日本最古級の名湯を歩く

玉造温泉の歴史の深さを物語るのが、奈良時代に編さんされた「出雲国風土記」です。733年に編さんされた「出雲国風土記」には「多くの老若男女が集まって温泉に浸かり、市をなすほどである。一度入浴すればきれいになり、再び浸かれば万病が良くなるので、人々は神の湯とよんでいる」と玉造温泉についての記述があります。日本最古の歴史を持つ温泉で、その昔、大国主命とともに国造りをしたとされる少彦名命が発見したと伝えられています。平安時代に入ると都でもその評判が広まり、清少納言の随筆「枕草子」にも玉造の名前が登場しているほど、古くから知られた湯でした。

一度入ればわかる、美肌の湯というやさしさ

玉造温泉 出雲が育んだ日本最古級の名湯を歩く

玉造温泉が長く愛されてきた理由のひとつが、肌にやさしい泉質です。湯は弱アルカリ性で無色透明、美肌成分のメタケイ酸が多く含まれており、天然の化粧水のような泉質です。泉質である硫酸塩・塩化物温泉の2つの効能に含まれる成分が、硬くなった肌や、幹部を動きやすくする効果をつくりますとされ、湯上がりのしっとりとした感触を実感する人も少なくありません。近年では株式会社サティス製薬の研究により、玉造温泉の美肌効果が化学的にも証明されており、角層細胞の大きさや並び方などを整え、肌のバリア力・保水力の高い角層へと導く効果が認められています。歴史の言い伝えと科学の両面から支持される、珍しい温泉地といえそうです。

勾玉ゆかりの玉作湯神社で運試し

温泉街の奥にひっそりとたたずむのが、玉作湯神社です。温泉街の奥には温泉の神様と勾玉の神様を祀った「玉作湯神社」があり、触れて祈ると願いが叶うという「願い石 叶い石」が有名です。古くから不思議な力を宿し人々の信仰を集める願い石があり、お守りの叶い石を願い石にあてて祈願し、石から石へと御力をわけて頂きます。三種の神器の一つ、八尺瓊勾玉が、櫛明玉命によってこの地で造られたことが「玉造」の名の由来とされ、玉作湯作神社にはその櫛明玉命が祀られています。授与品を手に町を歩くのも、この温泉地ならではの楽しみです。

玉湯川沿いを歩いて楽しむ足湯めぐり

温泉街の中心を流れる玉湯川沿いには、気軽に立ち寄れる足湯が点在しています。地元の人も集う憩いの足湯があり、屋根付きなので天気を気にせずゆったりと楽しめます。すぐそばにはまがたま目印の美肌スポットがあり、天然温泉の源泉が湧き出し、温泉水を自由に汲むことができます。玉湯川の両岸約2キロに連なる桜並木は、3月下旬から4月上旬に見頃を迎えますので、季節を選んで訪れるのもおすすめです。土産物店や食事処も川沿いに集まっているので、足湯につかりながら川面を眺め、ひと息つく時間も心地よいものです。

出雲大社とあわせて巡る旅の楽しみ

玉造温泉は、出雲エリアを巡る旅の拠点としても便利な立地です。松江市の城下町エリアから車で10数分、出雲大社から車で約50分とアクセスも良く、出雲・松江エリアを中心に観光をするなら最適なロケーションです。日中は出雲大社や松江城など周辺の観光地をめぐり、夕方に温泉街へ戻って湯につかるという行程を組む人も多いようです。歴史ある神話の地と、古くから伝わる名湯を一度に味わえるのも、このエリアならではの魅力といえるでしょう。

おわりに

千三百年近い歴史を持ちながら、今も変わらず人々を癒し続ける玉造温泉。美肌の湯としての言い伝え、勾玉にまつわる信仰、川沿いの穏やかな町並みと、楽しみ方はひとつではありません。出雲を旅する際は、ぜひ立ち寄ってその魅力を体感してみてください。

温泉地の楽しみ方をもっと知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

関連記事一覧