• HOME
  • コラム
  • LOCAL
  • 「温泉のデパート」登別温泉へ。9つの泉質と地獄谷が教えてくれること
「温泉のデパート」登別温泉へ。9つの泉質と地獄谷が教えてくれること

「温泉のデパート」登別温泉へ。9つの泉質と地獄谷が教えてくれること

北海道の温泉地といえば、まず名前が挙がる場所のひとつが登別です。「温泉のデパート」という愛称がありますが、その言葉の意味を知ると、この土地への興味がぐっと深まります。ここでは登別温泉の特徴と、訪れたら必ず足を向けてほしい「地獄谷」をご紹介します。

なぜ「温泉のデパート」と呼ばれるのか

「温泉のデパート」登別温泉へ。9つの泉質と地獄谷が教えてくれること

温泉に行くとき、泉質のことを気にしたことはありますか。硫黄のにおいがする白いお湯、しょっぱい透明なお湯、鉄っぽい赤みがかったお湯など、温泉の種類はさまざまです。一般的な温泉地では1〜3種類の泉質が湧き出ていれば十分に豊かな温泉地とされます。

登別温泉には、それが9種類あります。

自然湧出量は1日約1万トン、9種類の泉質を誇る登別温泉は、1つの温泉郷にこれだけ多様な泉質が湧き出ることが世界的にも非常に珍しいとされ、「温泉のデパート」と呼ばれています。「温泉のデパート」という呼び名は、単なる観光キャッチコピーではなく、この土地の地質がもたらした本物の豊かさを表した言葉です。

代表的な3つの泉質を知っておこう

登別温泉を代表する泉質をいくつかご紹介します。ひとつ知っておくだけで、宿でのお湯の楽しみ方が変わります。

硫黄泉 登別温泉の顔ともいえる泉質です。乳白色の湯とゆで卵を連想させる独特の香りが特徴で、皮膚病や気管支炎などへの効果が知られています。毛細血管を広げる作用があるとされ、肌あたりはなめらかです。

食塩泉(ナトリウム塩化物泉) 見た目は無色透明で、なめると塩辛さを感じます。保温効果が高く、入浴後も体がほかほかと温まり続けることから「熱の湯」とも呼ばれます。北海道の寒い季節にも、体の芯からゆっくり温めてくれます。

含鉄泉 やや黄褐色がかった湯で、皮膚疾患や粘膜の炎症への効果のほか、美肌効果も期待できます。硫黄泉とはひと味違う、おだやかな印象のお湯です。

登別温泉の宿では、これらの複数の泉質を同じ施設内で楽しめるところも多く、湯めぐりをするように浴場を渡り歩く楽しさがあります。

地獄谷とは何か

温泉街のすぐそばに、「地獄谷」と呼ばれる場所があります。名前だけ聞くと少し怖い印象を受けるかもしれませんが、実際は遊歩道も整備された自然景観スポットです。

地獄谷は直径約450m、面積約11haの爆裂火口の跡です。谷には数多くの湧出口や噴気孔があり、ぐつぐつと煮えたぎって視界を遮るほどの湯煙が立ち上る様子が、まるで鬼が棲む地獄のような風景であることが名前の由来になっています。

登別温泉のいたるところから源泉が湧いていますが、その多くは地獄谷からの湧出です。地獄谷は登別温泉の泉源としてだけではなく、温泉宿から徒歩でいける観光地として、多くの方に利用されています。

多種類の泉質を持ち、世界的にも珍しい地獄谷は北海道遺産にも登録されています。また、1日1万トンもの温泉を湧出する、登別温泉の源泉でもあります。宿の大浴場に浸かるとき、そのお湯がこの場所から届いていると思うと、少し特別な気持ちになります。

地獄谷を歩いてみる

一周約10分の遊歩道があり、地獄谷展望台に登ると、火山ガスや熱湯を噴出す様子を見られます。谷の中には15の地獄と名付けられた湧出口や噴気孔があり、足元からじんわり伝わる熱気と硫黄の香りが、この土地の「奥行き」を感じさせてくれます。

さらに支笏洞爺国立公園の「特別保護地区」に指定されており、手付かずの自然環境が守られています。

地獄谷の周辺もあわせて歩きたい

地獄谷の周辺には表面温度が40〜50度になる大湯沼、頂から白煙が立ち上る活火山・日和山、高山植物の名所としても知られる登別原始林などが広がります。もうもうと湯気を立ち上らせる大湯沼の風景は、地獄谷とはまたひと味違うスケール感があります。

秋には「日本紅葉の名所100選」にも選ばれた景色を楽しめます。白い湯煙と赤や黄色に染まった森のコントラストは、写真では伝えきれない色彩です。

登別温泉、はじめて訪れる方へ

登別温泉へのアクセスは、新千歳空港から車で約1時間、札幌からは約1時間半です。直通バスやJR登別駅からのバスも発着しており、北海道の旅に組み込みやすい場所でもあります。宿に1泊してじっくり湯めぐりをするのが理想的ですが、日帰り入浴を受け付けている施設もあります。

「にっぽんの温泉100選・総合ランキング」では毎年上位にランクインしている日本有数の温泉地です。地名の由来はアイヌ語の「ヌプル・ペツ」、意味は「水色の濃い川」。色も香りもそれぞれ異なる9つの泉質が湧くこの場所を、かつてアイヌの人々も特別な川沿いの地として大切にしていたのかもしれません。

登別の泉質についてより詳しく知りたい方は、各泉質を丁寧に解説した記事もご覧ください。

記事内で参照した主な情報源(裏取り確認済み)
– 北海道遺産協議会「登別温泉地獄谷」公式ページ
– Wikipedia「地獄谷(登別市)」「登別温泉」
– 林野庁「日本美しの森 お薦め国有林 登別温泉風景林」
– 登別万世閣公式サイト「泉質のご案内」

関連記事一覧