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銀山温泉|大正ロマンの街並みと歴史、見どころ、参拝情報を完全ガイド

銀山温泉|大正ロマンの街並みと歴史、見どころ、参拝情報を完全ガイド

銀山川の両岸に、木造多層建築の旅館がずらりと軒を連ねる——。山形県尾花沢市の山あいに息づく「銀山温泉」は、大正ロマンを感じさせる景観と、数百年にわたって受け継がれてきた湯の文化で、国内外から多くの人を惹きつけてきた温泉地です。雪化粧をまとった冬の夜、ガス灯がやわらかく灯る温泉街の光景は、訪れた人の記憶に深く刻まれることでしょう。今回は、その歴史と見どころ、旅に役立つ情報をたっぷりとご紹介します。

銀山温泉の名前の由来|延沢銀山とのつながり

銀山温泉の名称は、かつて江戸時代初期の大銀山として栄えた「延沢銀山」に由来しています。
延沢銀山の歴史は、康正2年(1456年)の秋、加賀の国金沢の人・儀賀市郎左衛門による銀鉱の開発に始まります。元和8年(1622年)には幕府直轄の公儀の山として栄え、最盛期には戸数49,000、人口は220,000人にも達したと伝えられています。
銀山温泉が発見されたのは江戸時代のこと。1624年〜1644年までの寛永年間に、当時その地で栄えていた延沢銀山の鉱夫によって発見されたとされています。
しかし、1689年(元禄2年)には銀山は廃山となり、寛保年間(1741〜1744年)に入ると、湯治場としての名声が高まり、湯宿の数も増えていったといいます。
江戸後期の温泉番付にも名前が記されるなど、その評判は全国へと広まっていきました。

大洪水から生まれた「大正ロマン」の街並み

1913年(大正2年)の銀山川の氾濫により温泉宿は壊滅的な損害を受けましたが、それを契機に大正時代から昭和初期にかけて、各旅館が当時の流行であった洋風木造建築へと一斉に建て替えを行いました。それが現在の温泉街の佇まいへとつながっています。
昭和元年には源泉のボーリングで高温多量の湯が湧出し、橋や沿道の整備も進み、尾花沢より自動車で30分で到着できるようになりました。
こうして銀山温泉は、湯の豊かさと交通の利便性を手に入れ、温泉地としての地位をさらに高めていきます。

延沢銀山遺跡は昭和60年に国の史跡に指定されました。翌昭和61年には「銀山温泉家並保存条例」が制定され、風情ある旅館の街並みを保存し観光復興に生かすことが定められました。
その後、NHK連続テレビ小説「おしん」の舞台となり、一躍全国的にも有名になりました。
さらに、
平成11年には新幹線の延伸により観光客の数が増え、伝統を生かした温泉街にしていくための努力を街をあげて行っています。

銀山温泉の見どころ

木造多層建築とガス灯の景観

温泉街の中心を流れる銀山川の両岸には木造の温泉旅館が立ち並び、今ではなかなか見られないガス灯が街を照らします。銀山温泉を訪れれば、まるで大正時代にタイムスリップしたような気分が味わえるでしょう。特に雪化粧をまとった温泉街の美しさは話題になっていて、冬の観光地として高い人気を誇ります。

鏝絵(こてえ)めぐり

温泉旅館に施されている鏝絵も、見どころのひとつです。鏝絵は、左官職人の道具である鏝を使って、漆喰などで描かれた絵のこと。大正2年の洪水によって温泉街が一度壊滅したあと、建て直した際に鏝絵を施し、その豪華さを競ったといわれています。

能登屋旅館|国の登録有形文化財

銀山温泉のシンボル的な存在が、4階に望楼がある「能登屋旅館」です。創業は1892年(明治25年)、本館の建物は1921年(大正10年)に建てられたもので、国の登録有形文化財にも指定されています。
柱や戸袋などに施された繊細な鏝絵も必見です。

銀鉱洞と白銀の滝

温泉街からは散策道が春〜秋にかけて開通します。清々しい空気と水しぶきが魅力の「白銀の滝」や、廃山後に廃坑洞となった「銀鉱洞」など、歴史を肌で感じるスポットが点在しています。

共同浴場と足湯

温泉宿に加え、湯治場であった頃の懐かしさを感じられる「しろがね湯」「かじか湯」「おもかげ湯」の3種類の共同浴場が点在しています。源泉掛け流しの足湯「和楽足湯(わらしゆ)」もあります。

温泉の泉質と効能

泉温は44〜65度、泉質はナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉(低張性中性高温泉)です。
無色透明で、昔から湯治の地として親しまれてきた銀山温泉のお湯は、切り傷や神経痛などへの効果が期待されるとされています。

アクセス情報

JR大石田駅から「はながさバス」銀山温泉行きに乗り、終点で下車するのが一般的なアクセス方法です。問い合わせは銀山温泉観光案内所(電話:0237-28-3933)まで。
温泉街の通路は人がすれ違うのがやっとの幅しかないため、観光客の車両は手前にある「大正ろまん館」と呼ばれる観光施設に駐車し、そこからバスを使って温泉街に入るかたちになります。

まとめ

銀山温泉の魅力の一つは、木造建築の旅館が作り出す昔ながらの街並みです。石畳の小道を歩けば、所々に埋め込まれた色鮮やかなタイルが目を楽しませてくれます。クラシックな着物やはかまを借りられる店もあり、着替えて散策すれば大正ロマンの世界を体験できます。

銀山の発見から500年以上。幾度もの試練を乗り越えながら、人々の暮らしと湯を守り続けてきた銀山温泉。訪れるたびに、時代を超えた温かさと、手仕事の宿る街の美しさに心が動かされることでしょう。ぜひ一度、この特別な場所に足を運んでみてください。

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