
鎮守 氷川神社|由緒ある古社の歴史と見どころ、参拝情報を完全ガイド
埼玉県川口市青木に鎮座する鎮守 氷川神社は、室町時代初期の応永年間(約700年前)に創建された歴史ある古社です。素盞鳴命と櫛稲田姫命の夫婦神を主祭神として祀り、厄除けと縁結びのご利益で多くの参拝者に親しまれています。年間を通して全国各地から訪れる人々により「小さな大社」とも称され、現代アートとの融合や御朱印の充実など、伝統と革新が調和した魅力的な神社として注目を集めています。
鎮守 氷川神社の概要・基本情報
鎮守 氷川神社は、武蔵国における氷川信仰の一翼を担う重要な神社として、地域の人々に深く愛され続けています。川口オートレース場に隣接する立地にありながら、境内は静寂に包まれ、都市部にありながら神聖な空気を感じることができる貴重な空間です。
旧青木村(下青木村)の鎮守として機能してきた当社は、現在でも地域の守り神としての役割を果たしており、初宮詣や七五三、厄除けなどの人生の節目における重要な祭事を執り行っています。また、多くのミュージシャンがツアーの安全・成功祈願を行うことでも知られ、森山直太朗、YUKI、Superfly、SCANDALなど著名なアーティストも参拝しています。
歴史と由来
鎮守 氷川神社の創建は室町時代初期の応永年間(1394年~1428年)まで遡り、約700年の長い歴史を誇る武蔵国の古社です。武蔵一宮氷川神社を総本社とする氷川信仰の神社として、川口地域の開拓とともに村の鎮守として建立されました。
創建以来、時代を経るごとに社殿の修復や再建が繰り返され、明治17年(1884年)には本殿と拝殿が再建されました。しかし大正12年(1923年)の関東大震災により拝殿と鳥居が倒壊したため、昭和天皇の御即位を記念して昭和2年(1927年)に拝殿・鳥居等が再建されました。その後、昭和61年(1986年)5月25日には氏子崇敬者の奉賛により、現在の新社殿が造営されました。
明治40年(1907年)までには神社合祀により、字間野の水戸社、字谷中の稲荷社、字宮前の神明社・稲荷社など多数の小社が合祀され、地域の信仰の中心としての役割を一層強めました。
祭神とご利益
鎮守 氷川神社の主祭神は、素盞鳴命(すさのおのみこと)と櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)の夫婦神です。素盞鳴命は伊邪那岐神・伊邪那美神の御子であり、八岐大蛇を退治した神話で知られる勇猛な神として崇敬されています。
素盞鳴命は「邪を裂き魔を祓う」強い力を持つとされ、厄除けや除災招福に特に霊験があらたかとされています。一方、櫛稲田姫命は素盞鳴命の妻神として、夫婦和合や縁結び、安産、子育てのご利益があるとされています。主祭神が夫婦神であることから、特に縁結びと夫婦円満のご利益で多くの参拝者が訪れます。
配祀神としては、皇室の御祖神である天照大神をはじめ、衣食住や諸産業の開運をもたらす神々が祀られており、人生のあらゆる局面において守護のご利益があるとされています。このため当社は、厄除け、縁結び、安産祈願、商売繁昌、交通安全、学業成就など幅広い願いに応える神社として親しまれています。
鎮守 氷川神社の見どころ・特徴
鎮守 氷川神社の境内には、長い歴史に育まれた多彩な見どころが点在しています。神聖な建造物から豊かな自然、現代アートまで、訪れる人々に様々な感動と発見を提供する魅力的な空間となっています。
境内は整然と整備されており、都市部に位置しながらも静寂に満ちた神聖な雰囲気を保っています。本殿を中心として、稲荷神社、天神社、弁天社などの末社が取り囲むように配置され、一つの境内で多様な神々に参拝できる構成となっています。
建造物・構造の魅力
現在の社殿は昭和61年(1986年)に氏子崇敬者の奉賛により造営されたもので、伝統的な神社建築の美しさを現代に伝えています。本殿は入母屋造りで、拝殿とともに荘厳な佇まいを見せています。
境内には本殿・拝殿のほか、神楽殿、社務所、手水舎が配置され、参拝者の利便性と神聖性の両立が図られています。また、境内各所に配置された八つの小社は、それぞれが独特の霊験を有するとされ、参拝者は順路に沿って巡拝することができます。
特徴的なのは、神仏習合時代の名残を留める不動尊堂で、かつて別当寺であった般若院(現在は廃寺)の面影を現在に伝えています。この建物は足立百不動尊の第88番に数えられていた歴史を物語る貴重な遺構です。
自然・景観の美しさ
境内で最も印象的な自然の見どころは、樹齢400年以上とされる御神木のケヤキです。この巨木は「縁を結ぶ縁結びの木」として親しまれており、1分間抱きつくと「大いなる力をいただける」という言い伝えがあります。その堂々とした姿は、長い歳月を経てきた神社の歴史を物語る生きた証人といえます。
境内には四季折々の自然美も楽しめ、春の新緑から秋の紅葉まで、季節の移ろいとともに異なる表情を見せています。整備された参道や境内の植栽は、参拝者に心の安らぎを与える空間を演出しています。
また、境内にはパワースポットとして注目される富士塚があり、霊験あらたかな場所として多くの参拝者が訪れています。この富士塚は、江戸時代から続く富士信仰の名残を現代に伝える貴重な史跡でもあります。
文化・芸術的価値
鎮守 氷川神社の大きな特色の一つが、現代アートとの融合です。著名な現代美術家である横尾忠則氏の作品「自立の炎」や、はせがわいさお氏の作品「鎮守鎮守氷川神社の原風景の輝き」などの絵画が奉納されており、伝統的な神社空間に現代的な芸術性が加わっています。
宮司は「神社は文化伝統の宝庫であるとともに、未来を映す鏡的な役割を果たさなくてはならない」という理念のもと、積極的に文化的活動を展開しています。この取り組みにより、当社は単なる信仰の場を超えた文化発信拠点としての役割も担っています。
特に注目すべきは、横尾忠則氏とのコラボレーション御朱印帳で、毎月15日に限定100冊で頒布されています。このような現代的な取り組みが話題を呼び、全国から多くの参拝者が訪れるきっかけとなっています。
参拝・拝観案内
鎮守 氷川神社では、伝統的な参拝作法に則った丁寧な参拝を通じて、神々のご加護をいただくことができます。年間を通じて様々な祭事や行事が執り行われ、四季の移ろいとともに異なる神社の魅力を体験できます。
神社では安産祈願、お宮参り、七五三、厄除け、方位除けなどの社殿祈願を受け付けており、人生の重要な節目における祈願を丁寧に執り行っています。また、会社などの法人祈祷として社運隆昌・安全祈願も承っており、地域のビジネス関係者からも厚い信頼を得ています。
参拝作法とマナー
鎮守 氷川神社での参拝は、まず鳥居をくぐる前に一礼することから始まります。参道は中央を避けて左右のいずれかを歩き、手水舎で心身を清めてから拝殿に向かいます。手水の作法は、右手で柄杓を持って左手を洗い、次に左手で柄杓を持って右手を洗い、再び右手で柄杓を持って左手に水を受けて口をすすぎます。
拝殿での参拝は「二拝二拍手一拝」の作法に従います。まず賽銭を静かに入れ、鈴を鳴らしてから深く二度お辞儀をし、胸の前で二度拍手を打ち、最後に深く一度お辞儀をします。参拝の際は、日頃の感謝の気持ちとともに心からの願いを込めて祈りを捧げましょう。
境内では静粛を保ち、他の参拝者への配慮を忘れずに過ごすことが大切です。境内での飲食は控え、ペットを同伴する場合は必ずリードを着用し、排泄物の処理は責任を持って行いましょう。写真撮影は基本的に可能ですが、祈祷中や他の参拝者のプライバシーに配慮することが重要です。
年中行事・季節のイベント
鎮守 氷川神社では一年を通じて様々な祭事が執り行われ、それぞれに深い意味と伝統があります。最も重要な祭事の一つが例大祭で、氏子や崇敬者が一堂に会して神社の発展と地域の安寧を祈願します。
春には抜穂祭が執り行われ、神饌田での稲作の成功を祈願する神事が斎行されます。この祭事は農業への感謝と豊作祈願の意味を込めた重要な行事として位置づけられています。
秋季には多くの家族が七五三詣で訪れ、子どもたちの健やかな成長を祈願します。当社では巫女の奉仕による丁寧な祈祷が行われ、記念撮影なども含めて家族にとって忘れられない思い出となります。
年末年始には多くの参拝者が初詣に訪れ、新年の願いを込めて参拝します。この時期には特別な御朱印や授与品も用意され、一年の始まりにふさわしい神聖な雰囲気に包まれます。
御朱印・お守り情報
鎮守 氷川神社の御朱印は、その美しい書体と季節ごとに変わる特色で多くの参拝者に愛されています。通常の御朱印では、四季折々に素盞鳴命の御神影の色が変わり、春は緑、夏は青、秋は赤、冬は紫の印影が押されます。4つの季節すべての御朱印を受けると、4回目の参拝時に記念として金色の御神影を押印していただけます。
特に人気なのが、ぞろ目の日(1月11日、2月22日など、1月1日を除く年11回)に授与される特別御朱印で、櫛稲田姫命の御影がピンク色で押印されます。この限定御朱印は年間でも貴重な機会となっています。
毎月15日には、横尾忠則氏デザインの限定御朱印帳が100冊限定で頒布されます。朝7時より整理券が配布され、芸術性の高いデザインで全国的に話題となっています。このコラボレーション御朱印帳は氷川神社系列では最初の試みとして注目を集めました。
一般的なお守りとしては、厄除け、縁結び、安産、交通安全、学業成就などのお守りが用意されており、それぞれの願いに応じて選ぶことができます。御朱印の受付時間は9時から16時までで、御朱印料は500円となっています。
アクセス・利用情報
鎮守 氷川神社は埼玉県川口市青木に位置し、複数の交通手段でアクセス可能な立地にあります。公共交通機関を利用する場合も自家用車でお越しの場合も、比較的便利にお参りいただけます。
神社周辺は住宅地に囲まれた静かな環境にあり、川口オートレース場に隣接していることでも知られています。この立地の特徴を活かし、レース観戦と合わせて参拝される方も多くいらっしゃいます。
交通アクセス
電車でのアクセスは、埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線の南鳩ヶ谷駅が最寄り駅となります。南鳩ヶ谷駅から徒歩約15分から20分の距離にあり、住宅地を抜ける比較的平坦な道のりです。天候の良い日には、散歩を兼ねて歩いてお参りするのもおすすめです。
JR京浜東北線をご利用の場合は、西川口駅からが便利です。西川口駅からは徒歩約25分の距離で、やや距離がありますが、川口の街並みを楽しみながら歩くことができます。
バスをご利用の場合は、川口駅東口または西川口駅からの路線バスが運行されています。詳しい時刻表や停留所については、事前に確認することをおすすめします。
車でのアクセスは、首都高速川口線川口ICまたは川口JCTからが便利です。一般道では国道122号線や県道を経由してアクセスできます。カーナビゲーションシステムをご利用の際は、住所または電話番号を入力してください。
<住所> 〒332-0031 埼玉県川口市青木5-18-48
拝観時間・料金・駐車場情報
鎮守 氷川神社の参拝は基本的に自由で、境内への立ち入りに料金はかかりません。ただし、御祈祷や特別な祭事への参加をご希望の場合は、事前の予約と初穂料が必要となります。
御朱印の受付時間は午前9時から午後4時までとなっており、受付時間外での対応はできませんのでご注意ください。社務所では御朱印のほか、各種お守りや授与品も取り扱っています。
駐車場は32台分が完備されており、参拝者は無料で利用することができます。ただし、七五三シーズンや年末年始などの繁忙期には駐車場が満車となる場合があるため、公共交通機関のご利用も検討されることをおすすめします。駐車場は境内に隣接しており、お年寄りや小さなお子様連れの方にも安心してご利用いただけます。
御祈祷をご希望の方は事前の予約が必要で、初穂料は5,000円からとなっています。安産祈願、お宮参り、七五三、厄除け、方位除けなどの人生の節目における祈願のほか、法人の社運隆昌・安全祈願も承っています。予約や詳細についてのお問い合わせは、電話048-252-5483までご連絡ください。
参照サイト
・川口市の鎮守 氷川神社 公式ホームページ:https://chinjyu-hikawa.or.jp/